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「えっ? えええーーーーっ!!それって、亡者が生き返ったってことですか」
心底怯える僕のことを、オーガストさんが笑った。
「笑ったりしたら、憑りつかれますよ」
僕はオーガストさんの口を押えて、辺りを見回す。
けど、ぐっと手を離された。
「心配してくれるのはありがたいが、彼女は生きているよ」
「ああ、なんだ、生きてるのか……って、えええっ?!」
オーガストさんに説明を迫ると、ぎゅうっと抱きしめられた。
「お前は面白いな。よくそれだけ賑やかな顔ができたもんだ」
「ふざけないでくださいっ」
オーガストさんは僕を離さず、頬に軽くキスしてきた。
「わああーーーっ!」
身を捩って必死に逃れようとしたら、あっさり腕が解けた。
「失礼な奴だな」
「だって、僕には好きな人がいるんです」
「別にそんなことは、気にはしない」
とんでもない聖職者だ。
「気にしてください」
フンッと鼻息荒く訴えるも、軽くあしらわれた。
「話を戻すが、生きているんだよ。あいつの母君は。行方まではわからなかったが、身分の低い若い男と逃げたと聞いた。それと、面白い話も手に入れた。彼女が逃走資金に持ち出した宝石を何故か回収している奇特な奴がいる」
「なんだかよくわからないんですけど……だって、自殺したとギルバート様から聞きました。そうじゃないなら、サイラス様が恨まれることはないじゃないですか」
そう言ったら、おでこを弾かれた。
「はうあーっ」
痛い、これは痛いぞ。
涙目でオーガストさんを見るも、彼は面白そうに話を続けた。
「考えてもみろ。母親にべったりだった息子に、母はお前を捨てて男と逃げたなんて言い難いんじゃないか。まあ、同じ立場なら俺は言うけどな」
ククッとオーガストさんが笑いを漏らす。
悪魔だ。
聖職者の皮を被った悪魔がいる。
「それじゃあ、サイラス様は嘘を吐いたんですか。ギルバート様に恨まれるとわかっているのに、彼を傷つけないために……でも、ギルバート様は傷ついています。どうせ傷つくなら」
「何が正しいかは、人それぞれ。お前はお前が正しいと思うことをしろ。お前のために調べてやったんだぞ」
意外な言葉に驚く。
「僕の為ですか……でも、どうやって?」
「俺には人を使う才がある。それと、有り余る金もな」
司祭というのは、それほど儲かるのだろうか。
前の司祭は不正で私腹を肥やしていたと聞いた。
まさか、オーガストさんも……
「言っておくが、前の司祭のようなことはしていないぞ」
心を読んだみたいに、オーガストさんが言った。
怖いなあ。
考えてること、なんでもお見通しなんだから。
あれ? でも……待てよ。
僕のためと言いつつ、弱みがどうのと言ってなかったか。
「オーガストさん、最初に弱みとか言ってませんでしたか。僕のためっていうのとは違うのでは……」
そう言ったら、オーガストさんが頭を撫でてきた。
「お前のために調べたことが偶々、あいつの弱みになっただけだ。お前が望まない限りは、俺は動かないさ」
オーガストさんは僕のことを犬や猫みたいに撫でる。
ひょっとしてペットだと思われてるんだろうか。
まあ、考えてもわからない。
ギルバート様以上に、何を考えているのかわからない人だから……
「それ、他の誰かに話しましたか?」
これだけは確認しておかないとと、僕は訊いた。
オーガストさんは口許に笑みを浮かべて、意味深なことを言う。
「さあ、どうだろうな」
「誤魔化さないでください」
怒って見せると、彼は首を振った。
「誰にも言ってないさ。今のところはお前にだけだ」
ホッとするのも束の間、ほんの少し引っ掛かった。
「今のところは?」
「ちゃんと気づいてくれて嬉しいよ」
そう言って、オーガストさんはまた僕を撫でた。
「子供扱いしないでください。僕だって、ちゃんと考えているんですよ。いっぱい考えて……考えて……」
「ああ、わかっている。随分と大人になったな」
眼を細めて、オーガストさんが言う。
それはそれで、気恥ずかしい。
「あの……それで、誰に言うつもりなんですか?」
「考え中だ。情報料次第だな」
「えっ? えっ? 今の話にお金がいるんですか」
聞いた後なのに、そんなの有り?
「お前から金をとったりしないさ。別のもので返してくれればいい」
オーガストさんが僕の下衣の上から太腿に触れてくる。
「ぎゃっ」
「色気に欠けるな。冗談だ。取るとしたら、ディランからだな。まあ、あいつの安月給は当てにはならんが……銀の薔薇の情報なら、欲しがるだろう」
銀の薔薇と聞いてドキッとする。
「あの……ディランさんが、僕から銀の薔薇の情報を聞きたがっていたんですけど……でも、僕、ベルボント家に泥棒が入ったなんて、お家の恥になると思って、黙っていたんです。それで……もし、ここに僕がいると知れれば、オーガストさんの迷惑になるかもしれなくて……」
出て行けと言われないか、ビクビクする。
でも、オーガストさんの笑みは消えなかった。
「そんなことは気にするな。あいつとお前を量りにかければ、お前の方が重いさ」
嬉しい反面、ディランさんが気の毒になる。
「で、お前は銀の薔薇と話をしたのか?」
問われて、僕はモゴモゴと口ごもる。
「まさか、情でも交わしたんじゃないだろうな」
そうじゃない。
仕方なくだ。
薬で変になって感じてしまったけれど、心までは感じてない。
「そうか。あいつはやめておいた方がいい」
違うと言ってるのに、オーガストさんが変なことを言う。
「あんな奴、関係ないです」
「だったらいい。近々、銀の薔薇を捕らえるための大掛かりな罠を張るらしい。ディランに頼まれれば、俺も手を貸すかもしれん。そうなれば、銀の薔薇が捕まるのは時間の問題だからな」
言い知れない不安が過ぎる。
銀の薔薇は僕のギルバート様への想いを利用して、ひどいことをした相手なのに……でも、ギルバート様に似ていたんだ。
ギルバート様と淫らな行為をして、気づいた。
欲情した時の瞳の色も、口許もそっくりだった。
ひょっとしたら生き別れの双子の兄弟なんてこともあるかもしれない。
そう想像したら、捕まってしまうのは気の毒に思えて……
「銀の薔薇って……そんなに悪い奴なんですか」
泥棒だということは知っている。
でも、詳しいことは知らないんだ。
「貴族の舞踏会やサロンで、ご婦人の唇と宝石を華麗に盗む怪盗らしい。奴が去った後には銀の薔薇が一輪落ちているそうだ」
「唇と宝石ですか……」
僕は唇以外のものも盗まれた。
ハートは盗まれていないから、大丈夫だけどさ。
そんな節操のない男だったのか。
「で、俺だけが知っている情報だ。盗まれた宝石はアトレイド宝石店が最近ラフィーレ辺りで仕入れた細工物らしい。まあ、これはディランも掴んでいるかもしれないが……その宝石の中にはベルボント卿の奥方が逃走資金に持ち出した宝石が含まれているらしい」
ドキドキと鼓動が高鳴る。
まさか……まさか……本当に双子なのか。
「あっ、あのっ、銀の薔薇はギルバート様の生き別れの兄か弟なんじゃないでしょうか」
ついつい口を滑らせてしまって、僕は慌てて口を押える。
「アレクは銀の薔薇を見たんだったな。生憎、彼の姿をはっきりと知る者はいないんだよ。なるほど、そりゃあディランが喉から手が出るほど欲しい情報だろうな」
鼓動がどんどん速くなる。
苦しくなったから、もう冷めてしまったミルクを一気飲みした。
そうして、はぁ~と息を吐く。
「アレク、今夜はもうお休み。顔が真っ赤だぞ」
言われて、僕は頬に手をやる。
すごい話を聞いて、興奮してしまったんだ。
顔だけじゃない。身体も熱く火照ってる。
「俺はやることができた。先におやすみ」
ちゅっと額にキスを落とし、オーガストさんが部屋を出て行った。
言われた通り、ベッドに横になったけど、眼がさえてしまっていた。
困るよ。
もう忘れなきゃいけない人なのに……
そんな大事なことを聞いてしまったら困る。
でも、真実を告げるのはいいことだろうか。
どちらにしてもギルバート様を傷つけてしまう。
そして、辛い嘘を吐いたサイラス様も傷ついてしまう。
何が一番いいだろう。
どうしたら、皆が傷つかずにすむだろう。
それに、銀の薔薇のこと。
もし、双子の兄か弟だったら、ギルバート様を攫った理由もわかる。
あれだけ似ていたんだ。
入れ替わろうとしていたのかもしれない。
でも、それなら、僕の身体なんかで諦めてくれるはずもないか。
他に理由があったんだろうか?
考えても考えても答えが出ない。
けれど、考えないわけにはいかない。
そうだ、ゆっくりと考えよう。
僕にできる最善のことを……
心底怯える僕のことを、オーガストさんが笑った。
「笑ったりしたら、憑りつかれますよ」
僕はオーガストさんの口を押えて、辺りを見回す。
けど、ぐっと手を離された。
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「ああ、なんだ、生きてるのか……って、えええっ?!」
オーガストさんに説明を迫ると、ぎゅうっと抱きしめられた。
「お前は面白いな。よくそれだけ賑やかな顔ができたもんだ」
「ふざけないでくださいっ」
オーガストさんは僕を離さず、頬に軽くキスしてきた。
「わああーーーっ!」
身を捩って必死に逃れようとしたら、あっさり腕が解けた。
「失礼な奴だな」
「だって、僕には好きな人がいるんです」
「別にそんなことは、気にはしない」
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「気にしてください」
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「考えてもみろ。母親にべったりだった息子に、母はお前を捨てて男と逃げたなんて言い難いんじゃないか。まあ、同じ立場なら俺は言うけどな」
ククッとオーガストさんが笑いを漏らす。
悪魔だ。
聖職者の皮を被った悪魔がいる。
「それじゃあ、サイラス様は嘘を吐いたんですか。ギルバート様に恨まれるとわかっているのに、彼を傷つけないために……でも、ギルバート様は傷ついています。どうせ傷つくなら」
「何が正しいかは、人それぞれ。お前はお前が正しいと思うことをしろ。お前のために調べてやったんだぞ」
意外な言葉に驚く。
「僕の為ですか……でも、どうやって?」
「俺には人を使う才がある。それと、有り余る金もな」
司祭というのは、それほど儲かるのだろうか。
前の司祭は不正で私腹を肥やしていたと聞いた。
まさか、オーガストさんも……
「言っておくが、前の司祭のようなことはしていないぞ」
心を読んだみたいに、オーガストさんが言った。
怖いなあ。
考えてること、なんでもお見通しなんだから。
あれ? でも……待てよ。
僕のためと言いつつ、弱みがどうのと言ってなかったか。
「オーガストさん、最初に弱みとか言ってませんでしたか。僕のためっていうのとは違うのでは……」
そう言ったら、オーガストさんが頭を撫でてきた。
「お前のために調べたことが偶々、あいつの弱みになっただけだ。お前が望まない限りは、俺は動かないさ」
オーガストさんは僕のことを犬や猫みたいに撫でる。
ひょっとしてペットだと思われてるんだろうか。
まあ、考えてもわからない。
ギルバート様以上に、何を考えているのかわからない人だから……
「それ、他の誰かに話しましたか?」
これだけは確認しておかないとと、僕は訊いた。
オーガストさんは口許に笑みを浮かべて、意味深なことを言う。
「さあ、どうだろうな」
「誤魔化さないでください」
怒って見せると、彼は首を振った。
「誰にも言ってないさ。今のところはお前にだけだ」
ホッとするのも束の間、ほんの少し引っ掛かった。
「今のところは?」
「ちゃんと気づいてくれて嬉しいよ」
そう言って、オーガストさんはまた僕を撫でた。
「子供扱いしないでください。僕だって、ちゃんと考えているんですよ。いっぱい考えて……考えて……」
「ああ、わかっている。随分と大人になったな」
眼を細めて、オーガストさんが言う。
それはそれで、気恥ずかしい。
「あの……それで、誰に言うつもりなんですか?」
「考え中だ。情報料次第だな」
「えっ? えっ? 今の話にお金がいるんですか」
聞いた後なのに、そんなの有り?
「お前から金をとったりしないさ。別のもので返してくれればいい」
オーガストさんが僕の下衣の上から太腿に触れてくる。
「ぎゃっ」
「色気に欠けるな。冗談だ。取るとしたら、ディランからだな。まあ、あいつの安月給は当てにはならんが……銀の薔薇の情報なら、欲しがるだろう」
銀の薔薇と聞いてドキッとする。
「あの……ディランさんが、僕から銀の薔薇の情報を聞きたがっていたんですけど……でも、僕、ベルボント家に泥棒が入ったなんて、お家の恥になると思って、黙っていたんです。それで……もし、ここに僕がいると知れれば、オーガストさんの迷惑になるかもしれなくて……」
出て行けと言われないか、ビクビクする。
でも、オーガストさんの笑みは消えなかった。
「そんなことは気にするな。あいつとお前を量りにかければ、お前の方が重いさ」
嬉しい反面、ディランさんが気の毒になる。
「で、お前は銀の薔薇と話をしたのか?」
問われて、僕はモゴモゴと口ごもる。
「まさか、情でも交わしたんじゃないだろうな」
そうじゃない。
仕方なくだ。
薬で変になって感じてしまったけれど、心までは感じてない。
「そうか。あいつはやめておいた方がいい」
違うと言ってるのに、オーガストさんが変なことを言う。
「あんな奴、関係ないです」
「だったらいい。近々、銀の薔薇を捕らえるための大掛かりな罠を張るらしい。ディランに頼まれれば、俺も手を貸すかもしれん。そうなれば、銀の薔薇が捕まるのは時間の問題だからな」
言い知れない不安が過ぎる。
銀の薔薇は僕のギルバート様への想いを利用して、ひどいことをした相手なのに……でも、ギルバート様に似ていたんだ。
ギルバート様と淫らな行為をして、気づいた。
欲情した時の瞳の色も、口許もそっくりだった。
ひょっとしたら生き別れの双子の兄弟なんてこともあるかもしれない。
そう想像したら、捕まってしまうのは気の毒に思えて……
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泥棒だということは知っている。
でも、詳しいことは知らないんだ。
「貴族の舞踏会やサロンで、ご婦人の唇と宝石を華麗に盗む怪盗らしい。奴が去った後には銀の薔薇が一輪落ちているそうだ」
「唇と宝石ですか……」
僕は唇以外のものも盗まれた。
ハートは盗まれていないから、大丈夫だけどさ。
そんな節操のない男だったのか。
「で、俺だけが知っている情報だ。盗まれた宝石はアトレイド宝石店が最近ラフィーレ辺りで仕入れた細工物らしい。まあ、これはディランも掴んでいるかもしれないが……その宝石の中にはベルボント卿の奥方が逃走資金に持ち出した宝石が含まれているらしい」
ドキドキと鼓動が高鳴る。
まさか……まさか……本当に双子なのか。
「あっ、あのっ、銀の薔薇はギルバート様の生き別れの兄か弟なんじゃないでしょうか」
ついつい口を滑らせてしまって、僕は慌てて口を押える。
「アレクは銀の薔薇を見たんだったな。生憎、彼の姿をはっきりと知る者はいないんだよ。なるほど、そりゃあディランが喉から手が出るほど欲しい情報だろうな」
鼓動がどんどん速くなる。
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そうして、はぁ~と息を吐く。
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言われて、僕は頬に手をやる。
すごい話を聞いて、興奮してしまったんだ。
顔だけじゃない。身体も熱く火照ってる。
「俺はやることができた。先におやすみ」
ちゅっと額にキスを落とし、オーガストさんが部屋を出て行った。
言われた通り、ベッドに横になったけど、眼がさえてしまっていた。
困るよ。
もう忘れなきゃいけない人なのに……
そんな大事なことを聞いてしまったら困る。
でも、真実を告げるのはいいことだろうか。
どちらにしてもギルバート様を傷つけてしまう。
そして、辛い嘘を吐いたサイラス様も傷ついてしまう。
何が一番いいだろう。
どうしたら、皆が傷つかずにすむだろう。
それに、銀の薔薇のこと。
もし、双子の兄か弟だったら、ギルバート様を攫った理由もわかる。
あれだけ似ていたんだ。
入れ替わろうとしていたのかもしれない。
でも、それなら、僕の身体なんかで諦めてくれるはずもないか。
他に理由があったんだろうか?
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けれど、考えないわけにはいかない。
そうだ、ゆっくりと考えよう。
僕にできる最善のことを……
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