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【その後の話】
15.※これは断じてデートじゃない③
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「あ……」
馬車へと連れ込まれ押し倒された俺はまたしても王子からの口づけに翻弄されていた。
「はぁ…あ…んぅ……」
「気持ちいいか?」
ぴくぴくと弾む身体を恨めしく思いつつもすっかり王子の掌の上で転がされている自分に嫌気が差す。
でも服の上からいじられる胸の突起も、筋肉に沿ってスッと撫でられる指先の動きも全部全部感じられて力が抜けていく。
こんな風に嬲られて完勃ちしている自分も嫌すぎる。
「ああ…本当にいやらしいな」
王子が嬉しそうに俺を見ながらそう言うが、こんな風にしたのはお前だから!と言ってやりたい。
前回のアレがかなり尾を引いているのだ。攻め方が的確過ぎて身体が忘れてくれないのは大問題だった。
「あまりにも美味しそうでどこから食べようか悩んでしまうくらいだ」
王子の綺麗な瞳はギラギラしていて、まるで獣のようにさえ見えてしまう。
色男が台無しだ。
(この変態!変態王子!)
仕方がないので心の中でだけ悪態を吐いてギッと睨みつけておく。
でもそんな心のうちまで見透かすかのように王子は楽しげに耳元へと囁いた。
「また命知らずなことを考えているのか?お前のそういうところがたまらなく好きなんだとわかっていてやっているんだろうな?」
「へ…変態…ッ!ひうっ…ッッ!」
耳朶を甘噛みし舌を這わせ、いつの間にやら下穿きの中へと入り込んでいたその長くて少し固い男らしい指でそっと俺の後孔へと触れられて悲鳴が出た。
「アル…随分な言い草だな?折角ここを可愛がって慣らしてやろうと思ったのに……」
「や、やらなくていいから……っ!」
「ほぉ?じゃあその立ち上がったものは一体どうするつもりだ?」
「こ、これは自分で処理するから!」
「俺に見せてくれるということか?ククッ、そちらの方がずっと変態っぽいと思うが」
(誰もそんなこと言ってないだろ?!)
俺は叫び出したいほどの羞恥に見舞われ、真っ赤になって思いっきり王子を睨みつける。
「アル…諦めろ。俺はもうお前に焦らされるのは懲り懲りだ」
それは一体どういうことだろう?
確かに一度剣で負けて抱かれて以来俺は勝ち続けていて、あれから一度たりとも負けるといったことはなかったけど……。
もしかしてそのせいで溜まりに溜まってこれを企画してきたのか?
ひと月あったんだから、そこまで溜め込む前に他に行けばよかったのに。
どうしてそんなに俺に執着するんだ?
「お前との剣での手合わせも好きだが…これ以上焦らされる気はない。たまにはこうして趣向を変えるのもいいだろう?」
「な……っ!」
「お前は自分よりも強いと認めた相手になら抱かれてもいいと言って俺に抱かれたが…このままではお前の心は手に入らないんじゃないのかとここ暫くずっと考えていた」
「……は?」
(心?心なんて別に手に入れなくてもよくないか?だって側妃ってただの口実だっただろう?性欲処理相手に普通そんなこと考えないだろ)
「それにお前は強い。このままではお前に優位過ぎて、心だけではなく身体だってそう簡単に手に入れられない。だから…初めての手合わせでお前が使った手を使えばいいんじゃないかと考えついたんだ」
(俺が初めての手合わせで使った手?それってなんだっけ?)
「つまり…こうして陥れて不意打ちで勝つというのでも構わないのではないかとな」
頭を使って自分のフィールドに変えてみたぞと笑う王子のその表情があまりにも極悪且つ艶やかで、柄にもなく見惚れてしまいハッと我へと返る。
そんな俺に気を良くしたのか王子は殊更甘い声で囁いた。
「今日はお前の負けだ。折角企画したデートを断ったんだから、このままおとなしく抱かれるんだな」
「なに…をっ…!やめ…っ!はぁぅ…ッ!」
「し…っ。あまり騒ぐと外に声が漏れるぞ?塞いでいてやるからほら、おとなしくしておけ」
そしてどこから取り出したのか花の香りのする潤滑油を手に取り、キスで俺を蕩かせながら後孔をほぐしていった。
グチュグチュと卑猥な音が狭い馬車の中で響くさまは嫌でも耳を犯し、花の香りも相俟って変な気分でいっぱいになってしまう。
「うぅ…っ、いやっ…、いやっ…」
「そんな可愛い声で囀らなくても激しくはしない」
そして椅子に座し、俺の身体を持ち上げるようにして対面座位の姿勢でゆっくりと腰を落とさせられた。
「んぅうーーーーーっ!!」
ズズッと入り込んでくる王子の男根が俺の中を擦って奥へと潜り込んでいく。
「ひ…ひぅ……ッッ」
忘れかけていた感覚がまた思い出されて思わず王子へと抱き着いてしまう。
「んんぅ…んっんっ……」
「そんなに感じて…。抱き着いてくるほど欲しかったならいつでも言ってくれればよかったのに」
そんなこと言ったら調子に乗らせてしまうだけだし!言えるわけないだろ!
気持ち良過ぎて困るから……これ以上慣らされたくないんだよ!
「アル…俺の愛しいアル……ッ!」
ズチュズチュと抜き差しされて身体が悦んでいるのが分かる。
何度も口づけられるのがまた気持ちいい。
けれどこれが愛ゆえの行為じゃないのは俺が誰よりも知っている。
だって明らかに性欲処理だろう?男同士なんだし。
大体普段の態度から考えるにこの王子は愛情からは程遠い男だと思う。
心も身体も欲しいなんて…冗談だよな?
でも行為の時だけの睦言としては合っているのかもしれない。
俺から何かを言うことはないけど、気持ちが高まるし悪くはない…と思う。
「セド…ッ、セド……ッ」
グッグッと何度も奥を突かれてつい甘い声が飛び出してしまう。
この呼び方もこの行為の最中に教え込まれたものの一つだ。
沢山満たされ限界も近くなってきたのでそろそろイカせてほしいと懇願するように名を呼んだ。
「ああ…一緒にイこうな?」
そしてそのまま腰をがっしりと掴まれ、激しく口づけられながらガンガン突き上げられた。
中がゴリゴリ擦られて意識が飛びそうになってしまう。
(激しくしないって言ったのにっ!この大嘘つき!!)
「あっあぁっ…!」
気持ち良いのと口づけが深いのとで酸欠状態になってだんだん頭がふわふわしてきてしまった。
「アル…その顔、最高だッ…!」
「んぅーーーーーッ!!」
王子から腰を押し付けるように突き上げられると同時に奥へと放たれ、その刺激と共に俺もイッたのはいいけど自分の放った精液が自分の顔にかかって大変なことになってしまった。
しかも放心しすぎてすぐに動けず、そんな酷い状態を王子の面前に晒してしまい泣きたくなった。
「はッ…はぁッ…。うっ…最悪だ……」
「何がだ?」
「はず…恥ずかしい……」
「そうか?最高にエロくてもっと抱きたくなったが?」
「変態っ!変態王子!」
そうやって責め立てたけど王子は何故か嬉しそうで、宥めるように顔を拭ってくれた。
「アル、これだけだと足りないから帰ったらもう一度風呂場とベッドで抱いてやるからな」
「なっ?!」
「このままだと今日はもう闘技場に行けないだろう?デートはまた今度にして、今日は帰って続きをしよう。この行為にも慣れてきたようだし、構わないな?」
「はぁああぁ?!」
「もちろん断るという選択肢はないぞ?」
「なっ…!あぅッ!」
まだ入ったままの分身を使って脅迫するのはやめてくれ!
これじゃあ断れないじゃないか!
「ううぅ…。今日だけ!今日だけだからな!」
「そうだな。デートはまた今度にして、今日はいっぱい俺の下で喘ぐといい」
(ふざけるな!!)
もうこれを限りに二度と油断しないし譲らないからと言って俺は涙目で了承し、その後帰ってから散々啼かされたのだった。
馬車へと連れ込まれ押し倒された俺はまたしても王子からの口づけに翻弄されていた。
「はぁ…あ…んぅ……」
「気持ちいいか?」
ぴくぴくと弾む身体を恨めしく思いつつもすっかり王子の掌の上で転がされている自分に嫌気が差す。
でも服の上からいじられる胸の突起も、筋肉に沿ってスッと撫でられる指先の動きも全部全部感じられて力が抜けていく。
こんな風に嬲られて完勃ちしている自分も嫌すぎる。
「ああ…本当にいやらしいな」
王子が嬉しそうに俺を見ながらそう言うが、こんな風にしたのはお前だから!と言ってやりたい。
前回のアレがかなり尾を引いているのだ。攻め方が的確過ぎて身体が忘れてくれないのは大問題だった。
「あまりにも美味しそうでどこから食べようか悩んでしまうくらいだ」
王子の綺麗な瞳はギラギラしていて、まるで獣のようにさえ見えてしまう。
色男が台無しだ。
(この変態!変態王子!)
仕方がないので心の中でだけ悪態を吐いてギッと睨みつけておく。
でもそんな心のうちまで見透かすかのように王子は楽しげに耳元へと囁いた。
「また命知らずなことを考えているのか?お前のそういうところがたまらなく好きなんだとわかっていてやっているんだろうな?」
「へ…変態…ッ!ひうっ…ッッ!」
耳朶を甘噛みし舌を這わせ、いつの間にやら下穿きの中へと入り込んでいたその長くて少し固い男らしい指でそっと俺の後孔へと触れられて悲鳴が出た。
「アル…随分な言い草だな?折角ここを可愛がって慣らしてやろうと思ったのに……」
「や、やらなくていいから……っ!」
「ほぉ?じゃあその立ち上がったものは一体どうするつもりだ?」
「こ、これは自分で処理するから!」
「俺に見せてくれるということか?ククッ、そちらの方がずっと変態っぽいと思うが」
(誰もそんなこと言ってないだろ?!)
俺は叫び出したいほどの羞恥に見舞われ、真っ赤になって思いっきり王子を睨みつける。
「アル…諦めろ。俺はもうお前に焦らされるのは懲り懲りだ」
それは一体どういうことだろう?
確かに一度剣で負けて抱かれて以来俺は勝ち続けていて、あれから一度たりとも負けるといったことはなかったけど……。
もしかしてそのせいで溜まりに溜まってこれを企画してきたのか?
ひと月あったんだから、そこまで溜め込む前に他に行けばよかったのに。
どうしてそんなに俺に執着するんだ?
「お前との剣での手合わせも好きだが…これ以上焦らされる気はない。たまにはこうして趣向を変えるのもいいだろう?」
「な……っ!」
「お前は自分よりも強いと認めた相手になら抱かれてもいいと言って俺に抱かれたが…このままではお前の心は手に入らないんじゃないのかとここ暫くずっと考えていた」
「……は?」
(心?心なんて別に手に入れなくてもよくないか?だって側妃ってただの口実だっただろう?性欲処理相手に普通そんなこと考えないだろ)
「それにお前は強い。このままではお前に優位過ぎて、心だけではなく身体だってそう簡単に手に入れられない。だから…初めての手合わせでお前が使った手を使えばいいんじゃないかと考えついたんだ」
(俺が初めての手合わせで使った手?それってなんだっけ?)
「つまり…こうして陥れて不意打ちで勝つというのでも構わないのではないかとな」
頭を使って自分のフィールドに変えてみたぞと笑う王子のその表情があまりにも極悪且つ艶やかで、柄にもなく見惚れてしまいハッと我へと返る。
そんな俺に気を良くしたのか王子は殊更甘い声で囁いた。
「今日はお前の負けだ。折角企画したデートを断ったんだから、このままおとなしく抱かれるんだな」
「なに…をっ…!やめ…っ!はぁぅ…ッ!」
「し…っ。あまり騒ぐと外に声が漏れるぞ?塞いでいてやるからほら、おとなしくしておけ」
そしてどこから取り出したのか花の香りのする潤滑油を手に取り、キスで俺を蕩かせながら後孔をほぐしていった。
グチュグチュと卑猥な音が狭い馬車の中で響くさまは嫌でも耳を犯し、花の香りも相俟って変な気分でいっぱいになってしまう。
「うぅ…っ、いやっ…、いやっ…」
「そんな可愛い声で囀らなくても激しくはしない」
そして椅子に座し、俺の身体を持ち上げるようにして対面座位の姿勢でゆっくりと腰を落とさせられた。
「んぅうーーーーーっ!!」
ズズッと入り込んでくる王子の男根が俺の中を擦って奥へと潜り込んでいく。
「ひ…ひぅ……ッッ」
忘れかけていた感覚がまた思い出されて思わず王子へと抱き着いてしまう。
「んんぅ…んっんっ……」
「そんなに感じて…。抱き着いてくるほど欲しかったならいつでも言ってくれればよかったのに」
そんなこと言ったら調子に乗らせてしまうだけだし!言えるわけないだろ!
気持ち良過ぎて困るから……これ以上慣らされたくないんだよ!
「アル…俺の愛しいアル……ッ!」
ズチュズチュと抜き差しされて身体が悦んでいるのが分かる。
何度も口づけられるのがまた気持ちいい。
けれどこれが愛ゆえの行為じゃないのは俺が誰よりも知っている。
だって明らかに性欲処理だろう?男同士なんだし。
大体普段の態度から考えるにこの王子は愛情からは程遠い男だと思う。
心も身体も欲しいなんて…冗談だよな?
でも行為の時だけの睦言としては合っているのかもしれない。
俺から何かを言うことはないけど、気持ちが高まるし悪くはない…と思う。
「セド…ッ、セド……ッ」
グッグッと何度も奥を突かれてつい甘い声が飛び出してしまう。
この呼び方もこの行為の最中に教え込まれたものの一つだ。
沢山満たされ限界も近くなってきたのでそろそろイカせてほしいと懇願するように名を呼んだ。
「ああ…一緒にイこうな?」
そしてそのまま腰をがっしりと掴まれ、激しく口づけられながらガンガン突き上げられた。
中がゴリゴリ擦られて意識が飛びそうになってしまう。
(激しくしないって言ったのにっ!この大嘘つき!!)
「あっあぁっ…!」
気持ち良いのと口づけが深いのとで酸欠状態になってだんだん頭がふわふわしてきてしまった。
「アル…その顔、最高だッ…!」
「んぅーーーーーッ!!」
王子から腰を押し付けるように突き上げられると同時に奥へと放たれ、その刺激と共に俺もイッたのはいいけど自分の放った精液が自分の顔にかかって大変なことになってしまった。
しかも放心しすぎてすぐに動けず、そんな酷い状態を王子の面前に晒してしまい泣きたくなった。
「はッ…はぁッ…。うっ…最悪だ……」
「何がだ?」
「はず…恥ずかしい……」
「そうか?最高にエロくてもっと抱きたくなったが?」
「変態っ!変態王子!」
そうやって責め立てたけど王子は何故か嬉しそうで、宥めるように顔を拭ってくれた。
「アル、これだけだと足りないから帰ったらもう一度風呂場とベッドで抱いてやるからな」
「なっ?!」
「このままだと今日はもう闘技場に行けないだろう?デートはまた今度にして、今日は帰って続きをしよう。この行為にも慣れてきたようだし、構わないな?」
「はぁああぁ?!」
「もちろん断るという選択肢はないぞ?」
「なっ…!あぅッ!」
まだ入ったままの分身を使って脅迫するのはやめてくれ!
これじゃあ断れないじゃないか!
「ううぅ…。今日だけ!今日だけだからな!」
「そうだな。デートはまた今度にして、今日はいっぱい俺の下で喘ぐといい」
(ふざけるな!!)
もうこれを限りに二度と油断しないし譲らないからと言って俺は涙目で了承し、その後帰ってから散々啼かされたのだった。
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