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【英雄トルセンの弟子】
29.※英雄トルセンの弟子⑤ Side.セドリック
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※今回一応R‐18となっております。苦手な方はお気を付けください。
****************
「トルセンの弟子?」
「はい。側妃様が手紙を受け取ったと姫君からも伺っておりますし、まず間違いないかと」
「そうか」
そんな輩が来たというのなら確かにレジェという騎士の忠告は聞き入れておいた方がいいだろう。
ただ、アルフレッドに暗部をつけてもあまり意味はないので、あっちにつけておくことにする。
「行けるか?」
「私ですか?」
「そうだ」
「まあいいですが。あ、そうそう。今朝朝食の席であちらの騎士の方々が随分心配なさっていましたよ」
「何をだ?」
「側妃様のことです。曰く『騎士長は剣が恋人っていう時期が長くて王子としか寝たことないだろうにまだ放してもらえないのか?可哀想に』だそうです」
「…………童貞か」
「恐らく」
「美味しすぎるな。確かに剣が恋人とか言っていてもおかしくはなさそうだが」
まさかの情報が入ってきて少し謎が解けた気がする。
これはいいことを聞いたと気分も上がるというものだ。
これからもっともっと可愛がらなくては。
そんなアルフレッドは居室ではなくベッドで寝込んでいた。
流石に限界と言っていたからもう少し寝かしておいてやりたい。
「さて…その男、もしも動いたならどうしてやろうか……」
もしアルフレッドをかどわかすようならそれ相応の報いを与えてやらなければならない。
ただ、単にアルフレッドに剣を教えてもらいたいだけなら邪魔をすればアルフレッドの怒りがこちらに向いてしまうだろう。
一先ず動向を探れと指示を出し、自分はアルフレッドの元へと戻る。
昨日は街から帰ってからこれでもかと鏡の前で貪るように抱いたから夜はあっさり目で終わらせ、今日は朝からガッツリ楽しんだ。
ここ最近だいぶ慣れてきたので少々激しくてもいいかと朝からまたあれこれ試したのだ。
その甲斐もあってすっかり馴染んだそこは、もういつだって俺を奥まで受け入れてくれるようになった。
可愛く懐いてくる身体は俺のものになったのだという気がして嬉しい。
ちなみに仕事はちゃんとアルフレッドが休んでいる間にやっているから何も問題はない。
「アルフレッド…大丈夫か?」
そっと頭を撫でると、物凄く恨めしそうな目でこちらを見て酷いと訴えられた。
「お前…朝から抱き潰すことないだろ」
「可愛かったんだから仕方がない」
「どこの世界に男を好き好んで抱き潰す男がいるんだ!俺は女より体力だってあるんだぞ?!」
「まあな」
「全っ然反省してないだろ?!」
「当然だな」
「なっ?!この最悪王子!!」
「極悪、性悪の次は最悪か。次はどんな言葉が出てくるんだろうな?」
(そこでどうして目を丸くするんだ?)
思わぬ反応にフッと笑みがこぼれてしまうが、もっと愛でたくなってそのままついベッドに乗り上げ組み敷いてしまう。
「ちょっ?!まさか…っ!」
またするのかと恐れ慄かれるが、先程暗部の男から聞いた話を思い出しグッと我慢してみる。
「今日はもうしない。夜まではな」
「夜はするのかよ!うぅ…逃げたい……」
「無理だな。諦めろ。そんなことより童貞だというのは本当か?」
「……へ?」
「女とやったことがないのかと聞いている」
「……ないけど」
「そうか。なら俺が全部教えてやっているということだな」
「き、基本知識くらいはあるぞ!一応トルセンに引っ張られて娼館っぽい所には行ったことくらいあるんだからな!」
「本当か?それにしては知らないことばかりのように思うが?」
「……え?あぁ、でも確かにチラッとだけ見てわかったつもりになって帰ったしな……。でも…」
アルフレッドは急に自信なさげにそんなことを言い出し、なにやらグルグル考え始めた。
どうやらその時は本気でやらずに帰ってきたらしい。
何と言うか…アルフレッドらしいとでも言うべきか…。
「お前らしくていいな…」
「俺、もしかしてかなり偏ってる…とか?」
「否定はしない。昨日なんて特に顕著だろう?長時間あんなことをされても普通に受け入れていたしな」
「~~~~っ!!それは一応おかしいとは思ってた!いくらなんでも鏡の前であれはない!それに今思い出したけどいつだったかトルセンがセックスは隙間時間で事足りるとか何とか言ってた気がする!普通はあんな長時間やらないんだろ?!そうだよな?!」
「何を言っている。お互い楽しかったならそれでいいだろう?時間なんて関係ない」
「楽しいわけがあるか!大体お前いっつも時間かけてこっちを追い込むじゃないか!最悪だ!」
「その方がお前の反応が良くなって楽しいからな」
「変態!俺が何も知らないからって好き放題して……ッッ!」
あまりにも煩いのでさっさとキスで口を塞いでそのまま言葉を奪う。
「お前は俺だけを知っていればいい」
「んんッ!んんんーーーーッ!!」
「ほら、キスも上手くなったな」
「はぁ…ぅんんっ……」
「身を任せてくるのも上手くなったし、力を抜くのも上手くなった」
「う…うぅ……」
「腰も上手に振れるようになったし、舌の使い方も上手くなって舐めるのも上達したな」
「あ…んんんッ……」
「中イキも結腸責めもフェラチオも全部全部気持ちいいだろう?どこもかしこも敏感に育ってくれて俺も嬉しいぞ?」
「ひ…ひどいぃ……」
「お前は全身でもう俺をすっかり覚え込んでいる。そうだろう?」
そう言いながらバックで挿れてやったらまた嘘つきと泣かれた。
挿れたくなったんだから構わないだろう。
やけにそそる反応を返してくる方が悪い。
「アル、お前が既に俺のものだということを忘れるな」
「ひぁッ!わ、忘れない…忘れないから……そこ、やめて……ッ!」
「約束だ」
その言葉にコクコクと必死に頷いたのでフッと笑ってキスを落とし、もう一度だけ抱いた。
「あ…あんん……ッ」
馴染んだ感覚にすぐに声を上げ始めたアルフレッドに気を良くして、少しだけ激しく擦り上げる。
段々増していく色気が、その口から飛び出す囀りが、俺を煽って仕方がないからだ。
こんな蕩け切った顔を他の誰にも見せたくはない。
「アルフレッド…お前は俺のものだ。誰にも渡さない」
敷き布を握りしめベッドで喘ぐアルフレッドの上へと覆いかぶさり、そっとその手に自分の手を重ねた。
***
翌日、アルフレッドにカッツェというその男がまた尋ねてきたと聞いたので、少し泳がせるよう指示を出しアルフレッドと接触させた。
昨日はどうやら馬車の手配やフード付きのマントなどを用意していたと聞いたので時間をかけたりはしないと踏んだのだ。
ここでアルフレッドと話させたら説得に出るか唆しにかかるのかが分かると思った。
その時のアルフレッドの対応でまだ逃げる気があるのかどうかも知る事ができるので、一石二鳥だ。
兵士から来客の連絡を受けたアルフレッドがカッツェを迎えに城門へと向かう。
俺も気配を完全に消してそちらについていきそっと相手の顔を見ると、先日剣を交えた相手だったから驚いた。
恐らくあそこでアルフレッドの戦いをこの男も観たのだろう。
もしかしたらその姿に惹かれたのかもしれなかった。
「アルフレッド殿。先日の闘技場ではご挨拶できずすみませんでした。手紙が送られてきているかもしれませんが、トルセンの弟子カッツェです。どうぞよろしく」
「あ~お前がトルセンの弟子だったのか。俺がアルフレッドだ。姫の輿入れに同行して急にこっちに来ることになったから連絡取りにくかっただろ?」
「いえ。割とすぐにこっちに来ているとわかったんで問題はなかったです。それに師匠が手合わせして鼻っ柱折ってもらって来いって笑うんで、悔しくて返事も待たずに飛び出してきました」
「ハハッ!トルセン言いそう!」
「早速手合わせ願ってもいいですか?」
「ああ、じゃあ鍛錬場に行くか」
そんな他愛もない話をしている二人にまずは安堵し、そのまま尾行した。
そして引き続き気配を完全に消して距離をとり二人の動向を見守っていると、人通りがほとんどない場所でカッツェがピタリと足を止め徐に本題に入った。
「アルフレッド殿、つかぬことを伺いますが、ここから逃げ出したいと考えたことは?」
「え?この間逃げたけど?」
まさにフレッシュな話題だっただけにアルフレッドの答えは酷く簡素だ。
「……そうですか。なら今度は俺と逃げませんか?」
「え?」
「アルフレッド殿ほどの腕を持ちながらこんな窮屈な場所で終わるのは勿体ないかなと…。俺と一緒なら逃げ切ることもきっとできますよ?」
その誘いに一瞬殺気を溢しそうになるがここは我慢だと必死に抑える。
アルフレッドの答えは知っておかなければならない。
けれどアルフレッドの答えは実にアルフレッドらしい答えで、思わず笑いたくなった。
「ん~…そうだな。お前が知ってる奴で具体的に強い奴がいたりする?」
「強い奴…ですか?」
「そう。強い奴」
「……そうですね。ご存知の通り師匠は強いですし、師匠の一番弟子のネイさんも強いですね」
「お前の目から見て、そのネイって奴は王子よりも強いか?」
「え?それは……確実に王子の方が強いかと」
「じゃあ行かない」
「……え?」
「今は王子とやってる方が楽しいから」
この答えは正直心底嬉しかった。
やはりあの時の自分の考えは正しかったのだと実感できたからだ。
アルフレッドは強い奴と戦いたいからこちらが強ければ傍に居てもらえる────。
「…………本当にいいんですか?」
「ああ」
「望まぬ側妃とやらにされていても?」
「それは嫌」
「だったら…っ!そうだ!外に出たら女性を抱くこともできるようになりますよ!」
「ん~…興味ない」
「王子に抱かれてるんでしょう?女を抱くより男に抱かれる方がいいってことですか?」
「……え?」
「それなら俺が満足させてあげますよ。それならどうです?俺、これでも男を悦ばせるのも上手いんですよ?」
「いやいやいや!何言ってんだ?!いらない!いらないから!」
「アルフレッド殿。ものは試しですよ。俺とやってみません?絶対後悔はさせませんよ?」
そう言いながらカッツェが近くの柱にアルフレッドを追いやろうとしたところが限界だった。
「…………何をしている?」
これでもかと低い声と共に最大級の威圧と殺気を放ってしまった自分がいた。
「ひっ…?!」
それを受けてカッツェがガタガタ震えながら腰を抜かす姿が目に入ったが、アルフレッドはあーあと言わんばかりに苦笑する程度だ。
「アルフレッド…お前はそこの男に抱かれたいのか?」
取り敢えず気になったことを尋ねてみると、すぐさまアルフレッドからは否定の言葉が返ってきた。
「抱かれたいわけないだろ。俺は俺と同じくらい強い奴か俺より強い奴にしか興味ないし、抱かれるのだってお前以外は嫌だ」
その言葉は正直少し意外だった。
自分より強い奴が現れたら抱かれてもいいとか言い出しそうだと思っていたからだ。
「セドは意外そうだけど、俺そんなにビッチじゃないから!淡白だから!」
剣さえ振ってたら満足する奴だって知ってるだろうと言われてそれは確かにそうかと思いつつ……。
「そうは言っても俺の腕の中であれだけ乱れていたら抱かれるのが好きになっていてもおかしくはないかもと思うだろう?」
「あ、あれはお前が色々教え込むからだろ?!あんな行為お前以外の奴としたいなんて絶対ない!あり得ない!」
「そうか」
「そうだ!」
真っ赤になってアルフレッドは怒るが、これは聞けて良かった。
実質浮気はしないと言ってもらえたようなものだからだ。
「じゃあこれからもお前を満足させ続けてやると約束しよう」
「……まあ、お前は強いしな。約束もしたから。うん。それだけだから」
「照れ隠しか?可愛いな、アル」
約束というのは俺のものになるというあれのことでいいのだろうか?
てっきり詐欺だと言って流されたのかと思っていたが、有効だと言ってもらえるなら嬉しい限りだ。
俺はそんな素直じゃないアルフレッドが可愛くてそのまま腕の中へと囲い込んだが、取り敢えず────。
「……ポニー。そいつは牢屋に入れておけ」
暗部にそう指示を出してからアルフレッドをその場から連れ去った。
カッツェが何か騒いでいるが、あれはトルセンにでも連絡を取って引き取ってもらえばいいだろう。
「アルフレッド。今日は少し時間がある。今から鍛錬場でやるか?」
たまにはご褒美でもやるかとそう誘ってやると目を輝かせてアルフレッドが嬉しそうに笑った。
「いいのか?!昼間からここでって初めてだな!興奮する!」
(落ち着け……アルフレッドは剣の立ち合いを言っているんだ。間違うな)
一瞬意味をとり間違えそうになって自分で自分を律する。
普通に考えてアルフレッドがこんなにも目を輝かせて俺に抱かれたいと言うはずがないのだから。
(でもそうか…昼間に外でヤルのもいいな)
今度いい場所を探してみるかと考えながら表面上取り繕い、俺はアルフレッドと共に鍛錬場へと向かった。
そこで剣を合わせ、また興奮して上気した頬とうっとりした目でこちらを見てくるアルに煽られてヤリたくなったのは仕方のないことだろう。
これはどう考えてもアルフレッドが悪い。
(あの表情を夜にも見せてくれればいいのに……)
「これじゃあどっちが捕まったのだかわからないな」
そして俺は勝負後のアルフレッドを連れて、今日はどこでやろうかとほくそ笑んだのだった。
****************
「トルセンの弟子?」
「はい。側妃様が手紙を受け取ったと姫君からも伺っておりますし、まず間違いないかと」
「そうか」
そんな輩が来たというのなら確かにレジェという騎士の忠告は聞き入れておいた方がいいだろう。
ただ、アルフレッドに暗部をつけてもあまり意味はないので、あっちにつけておくことにする。
「行けるか?」
「私ですか?」
「そうだ」
「まあいいですが。あ、そうそう。今朝朝食の席であちらの騎士の方々が随分心配なさっていましたよ」
「何をだ?」
「側妃様のことです。曰く『騎士長は剣が恋人っていう時期が長くて王子としか寝たことないだろうにまだ放してもらえないのか?可哀想に』だそうです」
「…………童貞か」
「恐らく」
「美味しすぎるな。確かに剣が恋人とか言っていてもおかしくはなさそうだが」
まさかの情報が入ってきて少し謎が解けた気がする。
これはいいことを聞いたと気分も上がるというものだ。
これからもっともっと可愛がらなくては。
そんなアルフレッドは居室ではなくベッドで寝込んでいた。
流石に限界と言っていたからもう少し寝かしておいてやりたい。
「さて…その男、もしも動いたならどうしてやろうか……」
もしアルフレッドをかどわかすようならそれ相応の報いを与えてやらなければならない。
ただ、単にアルフレッドに剣を教えてもらいたいだけなら邪魔をすればアルフレッドの怒りがこちらに向いてしまうだろう。
一先ず動向を探れと指示を出し、自分はアルフレッドの元へと戻る。
昨日は街から帰ってからこれでもかと鏡の前で貪るように抱いたから夜はあっさり目で終わらせ、今日は朝からガッツリ楽しんだ。
ここ最近だいぶ慣れてきたので少々激しくてもいいかと朝からまたあれこれ試したのだ。
その甲斐もあってすっかり馴染んだそこは、もういつだって俺を奥まで受け入れてくれるようになった。
可愛く懐いてくる身体は俺のものになったのだという気がして嬉しい。
ちなみに仕事はちゃんとアルフレッドが休んでいる間にやっているから何も問題はない。
「アルフレッド…大丈夫か?」
そっと頭を撫でると、物凄く恨めしそうな目でこちらを見て酷いと訴えられた。
「お前…朝から抱き潰すことないだろ」
「可愛かったんだから仕方がない」
「どこの世界に男を好き好んで抱き潰す男がいるんだ!俺は女より体力だってあるんだぞ?!」
「まあな」
「全っ然反省してないだろ?!」
「当然だな」
「なっ?!この最悪王子!!」
「極悪、性悪の次は最悪か。次はどんな言葉が出てくるんだろうな?」
(そこでどうして目を丸くするんだ?)
思わぬ反応にフッと笑みがこぼれてしまうが、もっと愛でたくなってそのままついベッドに乗り上げ組み敷いてしまう。
「ちょっ?!まさか…っ!」
またするのかと恐れ慄かれるが、先程暗部の男から聞いた話を思い出しグッと我慢してみる。
「今日はもうしない。夜まではな」
「夜はするのかよ!うぅ…逃げたい……」
「無理だな。諦めろ。そんなことより童貞だというのは本当か?」
「……へ?」
「女とやったことがないのかと聞いている」
「……ないけど」
「そうか。なら俺が全部教えてやっているということだな」
「き、基本知識くらいはあるぞ!一応トルセンに引っ張られて娼館っぽい所には行ったことくらいあるんだからな!」
「本当か?それにしては知らないことばかりのように思うが?」
「……え?あぁ、でも確かにチラッとだけ見てわかったつもりになって帰ったしな……。でも…」
アルフレッドは急に自信なさげにそんなことを言い出し、なにやらグルグル考え始めた。
どうやらその時は本気でやらずに帰ってきたらしい。
何と言うか…アルフレッドらしいとでも言うべきか…。
「お前らしくていいな…」
「俺、もしかしてかなり偏ってる…とか?」
「否定はしない。昨日なんて特に顕著だろう?長時間あんなことをされても普通に受け入れていたしな」
「~~~~っ!!それは一応おかしいとは思ってた!いくらなんでも鏡の前であれはない!それに今思い出したけどいつだったかトルセンがセックスは隙間時間で事足りるとか何とか言ってた気がする!普通はあんな長時間やらないんだろ?!そうだよな?!」
「何を言っている。お互い楽しかったならそれでいいだろう?時間なんて関係ない」
「楽しいわけがあるか!大体お前いっつも時間かけてこっちを追い込むじゃないか!最悪だ!」
「その方がお前の反応が良くなって楽しいからな」
「変態!俺が何も知らないからって好き放題して……ッッ!」
あまりにも煩いのでさっさとキスで口を塞いでそのまま言葉を奪う。
「お前は俺だけを知っていればいい」
「んんッ!んんんーーーーッ!!」
「ほら、キスも上手くなったな」
「はぁ…ぅんんっ……」
「身を任せてくるのも上手くなったし、力を抜くのも上手くなった」
「う…うぅ……」
「腰も上手に振れるようになったし、舌の使い方も上手くなって舐めるのも上達したな」
「あ…んんんッ……」
「中イキも結腸責めもフェラチオも全部全部気持ちいいだろう?どこもかしこも敏感に育ってくれて俺も嬉しいぞ?」
「ひ…ひどいぃ……」
「お前は全身でもう俺をすっかり覚え込んでいる。そうだろう?」
そう言いながらバックで挿れてやったらまた嘘つきと泣かれた。
挿れたくなったんだから構わないだろう。
やけにそそる反応を返してくる方が悪い。
「アル、お前が既に俺のものだということを忘れるな」
「ひぁッ!わ、忘れない…忘れないから……そこ、やめて……ッ!」
「約束だ」
その言葉にコクコクと必死に頷いたのでフッと笑ってキスを落とし、もう一度だけ抱いた。
「あ…あんん……ッ」
馴染んだ感覚にすぐに声を上げ始めたアルフレッドに気を良くして、少しだけ激しく擦り上げる。
段々増していく色気が、その口から飛び出す囀りが、俺を煽って仕方がないからだ。
こんな蕩け切った顔を他の誰にも見せたくはない。
「アルフレッド…お前は俺のものだ。誰にも渡さない」
敷き布を握りしめベッドで喘ぐアルフレッドの上へと覆いかぶさり、そっとその手に自分の手を重ねた。
***
翌日、アルフレッドにカッツェというその男がまた尋ねてきたと聞いたので、少し泳がせるよう指示を出しアルフレッドと接触させた。
昨日はどうやら馬車の手配やフード付きのマントなどを用意していたと聞いたので時間をかけたりはしないと踏んだのだ。
ここでアルフレッドと話させたら説得に出るか唆しにかかるのかが分かると思った。
その時のアルフレッドの対応でまだ逃げる気があるのかどうかも知る事ができるので、一石二鳥だ。
兵士から来客の連絡を受けたアルフレッドがカッツェを迎えに城門へと向かう。
俺も気配を完全に消してそちらについていきそっと相手の顔を見ると、先日剣を交えた相手だったから驚いた。
恐らくあそこでアルフレッドの戦いをこの男も観たのだろう。
もしかしたらその姿に惹かれたのかもしれなかった。
「アルフレッド殿。先日の闘技場ではご挨拶できずすみませんでした。手紙が送られてきているかもしれませんが、トルセンの弟子カッツェです。どうぞよろしく」
「あ~お前がトルセンの弟子だったのか。俺がアルフレッドだ。姫の輿入れに同行して急にこっちに来ることになったから連絡取りにくかっただろ?」
「いえ。割とすぐにこっちに来ているとわかったんで問題はなかったです。それに師匠が手合わせして鼻っ柱折ってもらって来いって笑うんで、悔しくて返事も待たずに飛び出してきました」
「ハハッ!トルセン言いそう!」
「早速手合わせ願ってもいいですか?」
「ああ、じゃあ鍛錬場に行くか」
そんな他愛もない話をしている二人にまずは安堵し、そのまま尾行した。
そして引き続き気配を完全に消して距離をとり二人の動向を見守っていると、人通りがほとんどない場所でカッツェがピタリと足を止め徐に本題に入った。
「アルフレッド殿、つかぬことを伺いますが、ここから逃げ出したいと考えたことは?」
「え?この間逃げたけど?」
まさにフレッシュな話題だっただけにアルフレッドの答えは酷く簡素だ。
「……そうですか。なら今度は俺と逃げませんか?」
「え?」
「アルフレッド殿ほどの腕を持ちながらこんな窮屈な場所で終わるのは勿体ないかなと…。俺と一緒なら逃げ切ることもきっとできますよ?」
その誘いに一瞬殺気を溢しそうになるがここは我慢だと必死に抑える。
アルフレッドの答えは知っておかなければならない。
けれどアルフレッドの答えは実にアルフレッドらしい答えで、思わず笑いたくなった。
「ん~…そうだな。お前が知ってる奴で具体的に強い奴がいたりする?」
「強い奴…ですか?」
「そう。強い奴」
「……そうですね。ご存知の通り師匠は強いですし、師匠の一番弟子のネイさんも強いですね」
「お前の目から見て、そのネイって奴は王子よりも強いか?」
「え?それは……確実に王子の方が強いかと」
「じゃあ行かない」
「……え?」
「今は王子とやってる方が楽しいから」
この答えは正直心底嬉しかった。
やはりあの時の自分の考えは正しかったのだと実感できたからだ。
アルフレッドは強い奴と戦いたいからこちらが強ければ傍に居てもらえる────。
「…………本当にいいんですか?」
「ああ」
「望まぬ側妃とやらにされていても?」
「それは嫌」
「だったら…っ!そうだ!外に出たら女性を抱くこともできるようになりますよ!」
「ん~…興味ない」
「王子に抱かれてるんでしょう?女を抱くより男に抱かれる方がいいってことですか?」
「……え?」
「それなら俺が満足させてあげますよ。それならどうです?俺、これでも男を悦ばせるのも上手いんですよ?」
「いやいやいや!何言ってんだ?!いらない!いらないから!」
「アルフレッド殿。ものは試しですよ。俺とやってみません?絶対後悔はさせませんよ?」
そう言いながらカッツェが近くの柱にアルフレッドを追いやろうとしたところが限界だった。
「…………何をしている?」
これでもかと低い声と共に最大級の威圧と殺気を放ってしまった自分がいた。
「ひっ…?!」
それを受けてカッツェがガタガタ震えながら腰を抜かす姿が目に入ったが、アルフレッドはあーあと言わんばかりに苦笑する程度だ。
「アルフレッド…お前はそこの男に抱かれたいのか?」
取り敢えず気になったことを尋ねてみると、すぐさまアルフレッドからは否定の言葉が返ってきた。
「抱かれたいわけないだろ。俺は俺と同じくらい強い奴か俺より強い奴にしか興味ないし、抱かれるのだってお前以外は嫌だ」
その言葉は正直少し意外だった。
自分より強い奴が現れたら抱かれてもいいとか言い出しそうだと思っていたからだ。
「セドは意外そうだけど、俺そんなにビッチじゃないから!淡白だから!」
剣さえ振ってたら満足する奴だって知ってるだろうと言われてそれは確かにそうかと思いつつ……。
「そうは言っても俺の腕の中であれだけ乱れていたら抱かれるのが好きになっていてもおかしくはないかもと思うだろう?」
「あ、あれはお前が色々教え込むからだろ?!あんな行為お前以外の奴としたいなんて絶対ない!あり得ない!」
「そうか」
「そうだ!」
真っ赤になってアルフレッドは怒るが、これは聞けて良かった。
実質浮気はしないと言ってもらえたようなものだからだ。
「じゃあこれからもお前を満足させ続けてやると約束しよう」
「……まあ、お前は強いしな。約束もしたから。うん。それだけだから」
「照れ隠しか?可愛いな、アル」
約束というのは俺のものになるというあれのことでいいのだろうか?
てっきり詐欺だと言って流されたのかと思っていたが、有効だと言ってもらえるなら嬉しい限りだ。
俺はそんな素直じゃないアルフレッドが可愛くてそのまま腕の中へと囲い込んだが、取り敢えず────。
「……ポニー。そいつは牢屋に入れておけ」
暗部にそう指示を出してからアルフレッドをその場から連れ去った。
カッツェが何か騒いでいるが、あれはトルセンにでも連絡を取って引き取ってもらえばいいだろう。
「アルフレッド。今日は少し時間がある。今から鍛錬場でやるか?」
たまにはご褒美でもやるかとそう誘ってやると目を輝かせてアルフレッドが嬉しそうに笑った。
「いいのか?!昼間からここでって初めてだな!興奮する!」
(落ち着け……アルフレッドは剣の立ち合いを言っているんだ。間違うな)
一瞬意味をとり間違えそうになって自分で自分を律する。
普通に考えてアルフレッドがこんなにも目を輝かせて俺に抱かれたいと言うはずがないのだから。
(でもそうか…昼間に外でヤルのもいいな)
今度いい場所を探してみるかと考えながら表面上取り繕い、俺はアルフレッドと共に鍛錬場へと向かった。
そこで剣を合わせ、また興奮して上気した頬とうっとりした目でこちらを見てくるアルに煽られてヤリたくなったのは仕方のないことだろう。
これはどう考えてもアルフレッドが悪い。
(あの表情を夜にも見せてくれればいいのに……)
「これじゃあどっちが捕まったのだかわからないな」
そして俺は勝負後のアルフレッドを連れて、今日はどこでやろうかとほくそ笑んだのだった。
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冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います
塔原 槇
BL
会社員、兎山俊太郎(とやま しゅんたろう)はある日、「やっぱり女の子が好きだわ」と言われ別れを切り出される。彼氏の売れないバンドマン、熊井雄介(くまい ゆうすけ)は人気上昇中の清純派アイドル、桃澤久留美(ももざわ くるみ)と付き合うのだと言う。ショックの中で俊太郎が出社すると、幼馴染の有栖川麗音(ありすがわ れおん)が中途採用で入社してきて……?
【完結】「奥さまは旦那さまに恋をしました」〜紫瞠柳(♂)。学生と奥さまやってます
天白
BL
誰もが想像できるような典型的な日本庭園。
広大なそれを見渡せるどこか古めかしいお座敷内で、僕は誰もが想像できないような命令を、ある日突然下された。
「は?」
「嫁に行って来い」
そうして嫁いだ先は高級マンションの最上階だった。
現役高校生の僕と旦那さまとの、ちょっぴり不思議で、ちょっぴり甘く、時々はちゃめちゃな新婚生活が今始まる!
……って、言ったら大袈裟かな?
※他サイト(フジョッシーさん、ムーンライトノベルズさん他)にて公開中。
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