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第二章 フォルクナー帝国編(只今友情堪能中)
38.ルマンド攻略は難しい Side.メイビス
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父へと話も通したことだし、これまで以上にルマンドにアピールをしていこうと思ったが、その前に色々と試してみることにした。
あくまでも俺を親友と位置付けているルマンドはどこまでがOKの範囲なのだろうか?
まずそれを知ることにしたのだ。
街で買い物は友人同士でも普通にあることだし全く警戒はされなかった。
これはどうだろうと俺の髪色をしたフード付きマントを似合うと言って勧めてみた。
けれどそれすら全く気にせず普通に受け入れていた。
意外と許容範囲が広いんだな。
いや、これは逆に全く俺を意識していない証拠だろうか?
傍から見たら隣にいる俺色に染まっているようにしか見えないだろうに…。
まあいいか。周囲への牽制にはなる事だし。
その後昼を食べるために屋台の並ぶ通りへと出掛けた。
その際にさり気なく手も繋いだがこれも全く気にする様子はなかった。
しかもルマンドが食べたホットサンドも普通に一口食べさせてくれたし、飲み物も一緒に飲み合った。
本人は友人同士だからという認識のようだけど、俺からしたら思い切り間接キスなんだが……。
これには流石に危機感を覚え、他の誰かとはしてないか気になって聞いてみたけど、俺とが初めてだとどこか嬉しそうに話していた。
どうやらこれまで王子という立場的にこんなに親しくできる相手が少なかったからだとか。
他意はないのか、そうか。
戦っている時はカッコいいのにどうしてたまに子供みたいに無邪気になるんだろう?心配になる。
何はともあれ親友というファクターの中では割と何でも許されるらしいことがよくわかった。
けれどその分こちらを意識させるのはなかなか難しそうだ。
フォルクナーに入るまでの二週間、ケインとルマンドの応酬を見ながら色々考える。
仲は良さそうだけど、ケインがちょっとでも恋愛方面の行動をとるとスルリと躱されている。
逆にヒースはルマンド狙いっぽいのにそういう面を上手く隠して冒険者の先輩としてフレンドリーさを前面に押し出して適度にイチャついているように見えた。
勿論それを黙って見ているわけにはいかないから、俺も混じってさり気なく牽制しつつスキンシップを図りながら仲良くはしてみたものの、ルマンドの態度はどこまでも友情の枠からは出なかった。
そんな感じで日々が過ぎ、何の進展もないままフォルクナーへ。
少しでも進展をと思いながら試しにフォルクナーには温泉があると話し、笑顔で一緒に行かないかと誘ってみればあっさり頷かれてしまったくらいの無警戒さで、本当にどうしたものかと悩んでしまった。
でも不特定多数の男達と温泉に入るのは嫌な様子。
知ってる相手ならいいらしいのでルマンドなりの線引きはあるようだ。
それでもこれは余程積極的に行かないと恋愛相手として見てもらえなさそうだと思った。
(……二人が苦戦するのが分かる気がする)
そう思いながら四人で温泉へと向かったのだが、ルマンドは一番乗りと元気よく服を脱いで温泉に突撃していった。
当然入り方を知らないので慌てて止めに行ったが、間近で見るルマンドの身体はしなやかで引き締まっていて目のやり場に困る。
しかも気を抜いたらそのまま抱き締めたくなるほど気持ちは高ぶってしまっていた。
とは言え後ろからケインの視線とヒースの視線が刺さってくるので何ができるわけでもない。
特にケインはルマンドの身体を直視できないくせに俺にはバシバシと敵意を向けてくるからやめて欲しい。
今日は何もする気はないぞと視線で返し、洗い場で体を洗ってから入浴するのだと皆に説明すると、ヒースは大体わかってるからケインに教えておくと言って連れて行ってくれた。
まあケインがかなり挙動不審になっていたから一度ルマンドから離して落ち着かせようとしてくれたんだろう。このあたりは大人だ。
相手がルマンドだから俺が何をしても何も進展なんてしないとわかっていてのことだとしても、俺としては邪魔が入らなくて万々歳だった。
けれどどうせお互いに自分で自分を洗いつつ世間話でもするくらいの時間になるんだろうなと全く何も期待なんてしていなかった。それなのに、ここでルマンドが思いもよらないことを口にしてきた。
「じゃあ俺がメイビスの背中を流してやるよ!」
あまりにもその発言があり得なくて、ものの見事に固まってしまう自分がいた。
フォルクナーでは背中を流しあうのは恋人同士と相場が決まっているからだ。
(え……?これはどう受け止めれば?)
まさかルマンドに限ってないとは思うけど、もしかしてもしかしたら少しだけ期待してもいいんだろうか?
そうやってグルグル考えながら固まっていたのが悪かったようで、ルマンドはあっさりと言葉を翻した。
「あ、ダメならヒースとやるから…」
その言葉に思わず手が伸び、ルマンドの肩をガシッと掴んでしまう。
(誰がさせるか…!)
まさかのここでヒース!
この行動からルマンドのさっきの言葉はただの思い付きだったのだと察した。
ここで迂闊な行動をとったら美味しいところが全て他の男のものになってしまう。
それは駄目だ。
「ダメじゃないから」
「え?でも…」
「王子のルマンドがするって言ったから驚いただけだ」
ここはそういうことにしておこう。
うっかり本当のことを口にしたらもう二度と背中を流すなんて言ってもらえなくなるかもしれないからそちらは口にしない。
「ふはっ!俺、国ではフレンドリーな王子なんだぞ?これくらい平気平気!」
ルマンドは軽く笑って流してしまうが、俺が一緒な限りは絶対に他の奴の背中は流させないぞと強く誓った。
「お礼にルマンドの身体は俺が洗ってやるからな」
「ああ。頼むよ」
そして約束を取り付け背中を洗ってもらったんだが、もう本当に幸せだった。
丁寧に石鹸を泡立て優しく洗ってくれる。
「メイビスの背中って俺より一回りは広いよな~」
「…………」
「胸板も厚いし。やっぱり女の子ってこれくらいがっしりしてる方が好きだったりするのかな?」
でもここで女を持ち出すのはやめて欲しい。どうでもいいじゃないか。
折角の時間が台無しだ。
「ヒースもムキムキだし…」
しかもまたヒースの名を出している。
やっぱりケインよりもヒースの方がルマンドは好きなのか?
そう言えばマナッツを買って口に入れてもらったりしてたし…。
剣の手入れ方法もやけに密着しながら教えてもらっていたな。
大物の魔物の弱点をこっそり聞いて笑い合ってたり……。
そんな些細なことにもついつい少し嫉妬してしまう。
でも多分ルマンドが今気にしているのは単純に体格の良し悪しなんだろう。
そんなこと、全く何も気にしなくてもいいのに……。
「ルマンドは誰よりもカッコいいから気にすることはない」
「え?」
「強くてカッコいい男の中の男だ。俺が言うんだから間違いない」
だから素直にそう言ったんだ。
女にモテるモテないは別として、そこだけは本当のことだからちゃんと言っておきたかった。
俺はルマンドのカッコいいところが好きなんだ。
ルマンドの良さがわからない女なんて放っておいて俺を見て欲しい。
「……ありがとう」
俺の言葉にルマンドは物凄く嬉しそうに破顔した。
どうやらカッコいいと言われたのが余程嬉しかったらしい。
本当のことを言うだけで俺への好感度が上がるのを感じて嬉しくなる。
これでもっと俺を見て、好きになってくれたらいいなとそれだけで満足している自分がいたのに、次いで言われた言葉に胸が早鐘のようにバクバクと弾んでしまった。
「メイビスのそういうところ本当に大好き!もう全身洗ってやろうか?」
(ちょっと待ってくれ!それは婚約してからだから!まだ早いから!)
フォルクナーの風習を知らないから喜んだ勢いで言ってるんだろうけど、もう本当に勘弁してほしくてどうしても頬が熱くなるのを止められなかった。
その後も湯に浸かっている時にヒースの方に凭れかかろうとしたりするので自分の方へ来させたり、湯あたりしたので慌てて抱き上げ涼しい場所へと運び、膝枕をしたりと美味しい思いは沢山出来た。
けれどルマンドが俺を意識しているかというと答えはNOだ。
本当にどうやって落とせばいいんだろう?
きっと妹に愚痴でも溢したら笑われてしまうことだろう。
お兄様に落とせない相手なんているんですか?なんて言われてしまいそうだ。
(ルマンドは男前な性格だから、最終的に自分から告白するようなシチュエーションにもっていったほうがいいのか…?)
それとなく意識させて且つ惚れさせて、向こうから俺に告白するようなシチュエーション…。そんなものは果たして存在するのだろうか?
ここまでの検証結果からは全く答えが見えてこない。さてどうしたものか……。
そんな風に悩みながら、スヤスヤと寝入ってしまったルマンドを見遣り深く深く息を吐いたのだった。
あくまでも俺を親友と位置付けているルマンドはどこまでがOKの範囲なのだろうか?
まずそれを知ることにしたのだ。
街で買い物は友人同士でも普通にあることだし全く警戒はされなかった。
これはどうだろうと俺の髪色をしたフード付きマントを似合うと言って勧めてみた。
けれどそれすら全く気にせず普通に受け入れていた。
意外と許容範囲が広いんだな。
いや、これは逆に全く俺を意識していない証拠だろうか?
傍から見たら隣にいる俺色に染まっているようにしか見えないだろうに…。
まあいいか。周囲への牽制にはなる事だし。
その後昼を食べるために屋台の並ぶ通りへと出掛けた。
その際にさり気なく手も繋いだがこれも全く気にする様子はなかった。
しかもルマンドが食べたホットサンドも普通に一口食べさせてくれたし、飲み物も一緒に飲み合った。
本人は友人同士だからという認識のようだけど、俺からしたら思い切り間接キスなんだが……。
これには流石に危機感を覚え、他の誰かとはしてないか気になって聞いてみたけど、俺とが初めてだとどこか嬉しそうに話していた。
どうやらこれまで王子という立場的にこんなに親しくできる相手が少なかったからだとか。
他意はないのか、そうか。
戦っている時はカッコいいのにどうしてたまに子供みたいに無邪気になるんだろう?心配になる。
何はともあれ親友というファクターの中では割と何でも許されるらしいことがよくわかった。
けれどその分こちらを意識させるのはなかなか難しそうだ。
フォルクナーに入るまでの二週間、ケインとルマンドの応酬を見ながら色々考える。
仲は良さそうだけど、ケインがちょっとでも恋愛方面の行動をとるとスルリと躱されている。
逆にヒースはルマンド狙いっぽいのにそういう面を上手く隠して冒険者の先輩としてフレンドリーさを前面に押し出して適度にイチャついているように見えた。
勿論それを黙って見ているわけにはいかないから、俺も混じってさり気なく牽制しつつスキンシップを図りながら仲良くはしてみたものの、ルマンドの態度はどこまでも友情の枠からは出なかった。
そんな感じで日々が過ぎ、何の進展もないままフォルクナーへ。
少しでも進展をと思いながら試しにフォルクナーには温泉があると話し、笑顔で一緒に行かないかと誘ってみればあっさり頷かれてしまったくらいの無警戒さで、本当にどうしたものかと悩んでしまった。
でも不特定多数の男達と温泉に入るのは嫌な様子。
知ってる相手ならいいらしいのでルマンドなりの線引きはあるようだ。
それでもこれは余程積極的に行かないと恋愛相手として見てもらえなさそうだと思った。
(……二人が苦戦するのが分かる気がする)
そう思いながら四人で温泉へと向かったのだが、ルマンドは一番乗りと元気よく服を脱いで温泉に突撃していった。
当然入り方を知らないので慌てて止めに行ったが、間近で見るルマンドの身体はしなやかで引き締まっていて目のやり場に困る。
しかも気を抜いたらそのまま抱き締めたくなるほど気持ちは高ぶってしまっていた。
とは言え後ろからケインの視線とヒースの視線が刺さってくるので何ができるわけでもない。
特にケインはルマンドの身体を直視できないくせに俺にはバシバシと敵意を向けてくるからやめて欲しい。
今日は何もする気はないぞと視線で返し、洗い場で体を洗ってから入浴するのだと皆に説明すると、ヒースは大体わかってるからケインに教えておくと言って連れて行ってくれた。
まあケインがかなり挙動不審になっていたから一度ルマンドから離して落ち着かせようとしてくれたんだろう。このあたりは大人だ。
相手がルマンドだから俺が何をしても何も進展なんてしないとわかっていてのことだとしても、俺としては邪魔が入らなくて万々歳だった。
けれどどうせお互いに自分で自分を洗いつつ世間話でもするくらいの時間になるんだろうなと全く何も期待なんてしていなかった。それなのに、ここでルマンドが思いもよらないことを口にしてきた。
「じゃあ俺がメイビスの背中を流してやるよ!」
あまりにもその発言があり得なくて、ものの見事に固まってしまう自分がいた。
フォルクナーでは背中を流しあうのは恋人同士と相場が決まっているからだ。
(え……?これはどう受け止めれば?)
まさかルマンドに限ってないとは思うけど、もしかしてもしかしたら少しだけ期待してもいいんだろうか?
そうやってグルグル考えながら固まっていたのが悪かったようで、ルマンドはあっさりと言葉を翻した。
「あ、ダメならヒースとやるから…」
その言葉に思わず手が伸び、ルマンドの肩をガシッと掴んでしまう。
(誰がさせるか…!)
まさかのここでヒース!
この行動からルマンドのさっきの言葉はただの思い付きだったのだと察した。
ここで迂闊な行動をとったら美味しいところが全て他の男のものになってしまう。
それは駄目だ。
「ダメじゃないから」
「え?でも…」
「王子のルマンドがするって言ったから驚いただけだ」
ここはそういうことにしておこう。
うっかり本当のことを口にしたらもう二度と背中を流すなんて言ってもらえなくなるかもしれないからそちらは口にしない。
「ふはっ!俺、国ではフレンドリーな王子なんだぞ?これくらい平気平気!」
ルマンドは軽く笑って流してしまうが、俺が一緒な限りは絶対に他の奴の背中は流させないぞと強く誓った。
「お礼にルマンドの身体は俺が洗ってやるからな」
「ああ。頼むよ」
そして約束を取り付け背中を洗ってもらったんだが、もう本当に幸せだった。
丁寧に石鹸を泡立て優しく洗ってくれる。
「メイビスの背中って俺より一回りは広いよな~」
「…………」
「胸板も厚いし。やっぱり女の子ってこれくらいがっしりしてる方が好きだったりするのかな?」
でもここで女を持ち出すのはやめて欲しい。どうでもいいじゃないか。
折角の時間が台無しだ。
「ヒースもムキムキだし…」
しかもまたヒースの名を出している。
やっぱりケインよりもヒースの方がルマンドは好きなのか?
そう言えばマナッツを買って口に入れてもらったりしてたし…。
剣の手入れ方法もやけに密着しながら教えてもらっていたな。
大物の魔物の弱点をこっそり聞いて笑い合ってたり……。
そんな些細なことにもついつい少し嫉妬してしまう。
でも多分ルマンドが今気にしているのは単純に体格の良し悪しなんだろう。
そんなこと、全く何も気にしなくてもいいのに……。
「ルマンドは誰よりもカッコいいから気にすることはない」
「え?」
「強くてカッコいい男の中の男だ。俺が言うんだから間違いない」
だから素直にそう言ったんだ。
女にモテるモテないは別として、そこだけは本当のことだからちゃんと言っておきたかった。
俺はルマンドのカッコいいところが好きなんだ。
ルマンドの良さがわからない女なんて放っておいて俺を見て欲しい。
「……ありがとう」
俺の言葉にルマンドは物凄く嬉しそうに破顔した。
どうやらカッコいいと言われたのが余程嬉しかったらしい。
本当のことを言うだけで俺への好感度が上がるのを感じて嬉しくなる。
これでもっと俺を見て、好きになってくれたらいいなとそれだけで満足している自分がいたのに、次いで言われた言葉に胸が早鐘のようにバクバクと弾んでしまった。
「メイビスのそういうところ本当に大好き!もう全身洗ってやろうか?」
(ちょっと待ってくれ!それは婚約してからだから!まだ早いから!)
フォルクナーの風習を知らないから喜んだ勢いで言ってるんだろうけど、もう本当に勘弁してほしくてどうしても頬が熱くなるのを止められなかった。
その後も湯に浸かっている時にヒースの方に凭れかかろうとしたりするので自分の方へ来させたり、湯あたりしたので慌てて抱き上げ涼しい場所へと運び、膝枕をしたりと美味しい思いは沢山出来た。
けれどルマンドが俺を意識しているかというと答えはNOだ。
本当にどうやって落とせばいいんだろう?
きっと妹に愚痴でも溢したら笑われてしまうことだろう。
お兄様に落とせない相手なんているんですか?なんて言われてしまいそうだ。
(ルマンドは男前な性格だから、最終的に自分から告白するようなシチュエーションにもっていったほうがいいのか…?)
それとなく意識させて且つ惚れさせて、向こうから俺に告白するようなシチュエーション…。そんなものは果たして存在するのだろうか?
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