【完結】お役御免?なら好きにしてやる!

オレンジペコ

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7.新居生活

シリウスとの新居生活はとっても快適だった。
まず、気心が知れてる相手だから一緒に居て凄く楽。
文句だって言われないし、食べ物は美味しいし、大好きな本だって読み放題。
俺の好みを熟知しているシリウスだからこその品揃えが素晴らしい。
ここは天国だろうか?

「あ~…本当、家を出てよかった」

そんなことを言いながらソファで膝枕をしてもらってる俺。
お互い本を手に取って読んでるから、寛いでるのは俺だけじゃないんだけど、シリウスは疲れないんだろうか?

「シリウス。膝、痺れたりしないか?」
「大丈夫。そんなにヤワじゃないし、これくらい平気だ」
「そうか?ならいいんだけど…」
「ふっ…。気になるなら後で交代したらいいだろう?」
「それもそうだな!じゃあ後で交代な」

ベストな答えが返ってきて俺も一安心。
そうだ。後で交代したらよかったんだ。

ふんふ~んとご機嫌で本の続きを読む俺。
そんな俺をとことん甘やかすシリウス。
昔から俺達はこんな感じ。

「そうそう。今日は街に出ないか?手持ちの服が少ないって言ってただろう?折角だし一緒に買いに行こう」
「え?いいのか?」
「もちろん。妻の服を用意するのは夫の役目だろう?」
「ぷっ。確かに。じゃあお言葉に甘えようかな」
「ああ。ランスロットに似合う服を沢山選びたい」
「シリウスは俺よりセンスもいいし、任せていいか?なんか俺が選ぶと微妙でさ」
「全部俺が選んでいいのか?」
「ああ。シリウス好みに染めてくれ。夫らしくな」

ふふっと冗談めかして言ったら何故か顔を覆って天井向いてたんだけど、どうした?

「シリウス?」
「すまん。のぼせた」
「え?!あ、鼻血出てるぞ?!ティッシュ、ティッシュ!」

今日はいい天気だし、ちょっと部屋の中が暑かったのかも。

「ランスロット。狙ってないよな?」
「何を?」
「いや。いいんだ」

謎の発言をサラッと流し、俺は鼻血が止まったシリウスと一緒にその後街へとくり出した。




「あ~…悩む。ランスロットはどんな色でも着こなすな」
「そうかな?」
「ああ。デザインはタイトな方がスラッと見えて俺好みなんだけど、色はどれも似合うから悩む」
「へぇ。じゃあどうせならシリウスが持ってる服とお揃いっぽくしたら選択肢も減るんじゃないか?デザインとか色で揃えたら選択肢は限られてくるだろ?」
「ぐっ…!ランスロット。俺を喜ばせるのが相変わらず上手いな?実はわかってて揶揄ってないか?」
「…?なんかおかしなこと言ったか?」
「いや。多分気のせいだ。うん。でも折角だしその意見は取り入れよう」

よくわからないけど服選びの参考になったなら嬉しい。

(そう言えばシリウスってお揃いとかそう言うのが好きだったよな…)

『誕生日プレゼント、何が欲しい?』って聞いたら最初は俺が選んだプレゼントなら何でも嬉しいって言ってたんだけど、何でもって言うのが一番困るからそれ以外でって言ったら『じゃあランスロットとお揃いのやつ!』て言ってきたんだ。
8才頃からそんな感じで、最初は押し花で作ったお揃いのしおりとかだったなぁ。懐かしい。

そうこうしているうちにシリウスは俺の服を選び終え、仕立てを頼んで店を出た。
できたら屋敷の方に持ってきてもらえるらしい。

「この後はどうする?」
「折角街に出たんだ。ランスロットが好きそうなジェラートの店に行かないか?美味しいだけじゃなく種類も豊富だって聞いたから期待できると思うんだ」
「行く行く!」

『やったー!』と思いながら俺は早速シリウスと一緒にその店へと向かった。

「うわぁ…本当に種類が多いな」

どれもとっても美味しそうだ。

「シリウスは何にする?」
「俺はアプリコット」
「あ~好きだよな、アプリコット。俺はそうだな…ミルクティジェラートにしようかな」
「いいな。一口欲しい」
「ふふっ。じゃあ俺にも一口くれよ」
「わかってる」

こうやってシェアするのもいつもの事だ。

「ん~!美味しい!」

舐めるんじゃなく一口目はパクッとてっぺんを頬張るのが好きな俺。
そんな俺にシリウスがクスリと笑い『またついてるぞ』と指で拭ってくれた。

「ん。美味しい」

でも勿体ないからってその指をペロッと舐めるのは恥ずかしいからやめてくれ。
妙に色っぽいんだよ。

「ランスロット?」
「…………一口、いる?」
「もらおうか」

そう言って俺が食べた辺りをペロッと舐めるように食べるシリウス。

(なんだか絵面がエロいんだけど?!)

ついつい目がいってしまうのはこれ如何に?

「ふっ。ランスロット。俺のもてっぺんに齧り付いていいからな」

どうやらジッと見つめていたのを勘違いされたらしく、アプリコットのジェラートの一口目を狙ってると思われた様子。

「ほら。あ~ん」

どこか悪戯っぽく勧められたら断れるはずがない。
パクっ。

「美味しい!」
「ふふっ。可愛いな」

なんだかこうしてじゃれ合ってるとまるで恋人同士みたいだ。

(ま、実際はただの仲の良い幼馴染なんだけど)

そんなことを思いながら、俺はまたそっと指で口の端を拭われて、楽し気に俺を見てくるシリウスに照れ笑いを向けたのだった。


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