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番外編
番外編Ⅱ ナナシェにて① Side.エヴァンジェリン
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ジャリッと地を踏みしめ船から降りる。
やってきたのは内乱が絶えないと噂のナナシェ国。
今日からこの地で私たち家族の生活が始まる。
「まずは住むところからだな」
兄がポツリと呟いた。
確かに宿代すらない現状、住むところは考えないといけない。
「住み込みで探すしかないわね」
幸い港町だからかそれほど荒れてはいないように見える。
これなら頑張ればすぐにでも働き先は見つかるかもしれない。
船の中で色々これからのことを考えて前を向くことにしたし、逞しく生きていかなければならない。
全員一緒に住めなくてもいいから、まずは生活基盤を整えようと皆で決めた。
「じゃあ俺は兵舎に入れないか聞き込みに行ってくる」
剣の腕はそこそこあるし、内乱が絶えないなら若い兵は需要があるだろうと兄はそう言って一足早く家族の輪から離れて行動を開始した。
「……仕方がない。私は誰かに聞いて領主の館に行ってみよう。これまでの経験が生かせるかもしれないしな」
どうやら父は経理等の仕事がないかを聞きに領主の館にダメ元で行ってみることにした様子。
そう簡単に職が余っているとは思えないけれど、運が良ければ潜り込めるかもしれない。
ただ、プライドの高い父が使用人として文句も言わず働いていけるかは心配だけれど…。
そうして父もまた家族の輪から抜けた。
残ったのは女二人だ。
さて自分も仕事を探しに行こうと思って踵を返そうとしたところで母に袖を掴まれた。
「エヴァンジェリン!わかっているわね?」
「何をですか?お母様」
「元はと言えばこんなところに来る羽目になったのは貴女のせいなのよ?家族皆を養えとは言わないけれど、私一人くらい勿論養ってくれるわよね?」
どうやら母は最初から働く気がなかったらしい。
まあ母はこれまで生粋の貴族令嬢、そして貴族夫人だったのだから働き方なんて知らないし、年も年だから不安しかないんだろう。
でもそんなことを言っていられる状況ではないことくらいわからないんだろうか?
平民の暮らしなんて家族内の誰もがわかってないし、そんな中で仕事を探すのは大変だ。
そしてどんな仕事であろうと一から覚えるのはどれも一緒だ。
あの父だって自分でできる仕事を考えて動いているのに、何を甘えたことを言っているのか。
「お母様?百歩譲ってここに追放されたのが私のせいだとして、どうして私に貴女を養う義務が?」
「あるでしょう?」
「それを言ったら貴女にだって親としての義務があるじゃありませんの。私に過ちを教えなかった上に便乗してランスロットを蔑ろにしてましたわよね?そんな貴女に何を言われても『養ってあげなくては』なんて私にはとても思えませんわ」
「なっ?!」
「頑張って住み込み先の職を探してくださいな」
私は突き放すようにそう言って踵を返したのだけど、母は本当にしつこくて服を鷲掴みにして離してもらえなかった。
このままだと私も今日は野宿になってしまうかもしれないという焦りが出て困ってしまう。
そこへ通りすがりの兵士が私が変な人に絡まれていると勘違いして助けに入ってくれたから、これ幸いと『住み込みで働ける場所を探しに行こうとしていたら母に邪魔されたのだ』と溢したら、それなら兵舎の食堂で募集があるから来てみないかと言ってもらうことができて心から感謝した。
どうやら兵の中でもそれなりに地位が上の人だった様子。
これは幸先が良いかもしれない。
結局事情を一通り話し、母も一緒に食堂で採用してもらえることに。
そして母は調理の補助、私は給仕へと回された。
食堂の仕事は賄いも食べられるし、四人部屋ではあるけど住む部屋も用意してもらえてとても助かった。
紹介してくれた兵士には感謝しかない。
後は精一杯頑張るだけだ。
慣れない環境ではあるけど、生活基盤を作るためにも頑張ろうと前を向いた。
***
【Side.母メリーナ】
(どうして私がこんな惨めな暮らしをしないといけないのよ!)
虚偽報告をしたと言うことで夫の爵位が落とされて、そこからは散々だ。
酒浸りになった夫を心配して声を掛けたら叩かれて、怒鳴られて、とても怖い思いをした。
これまでずっと仲良く暮らしてきて、いつだって優しかった夫がすっかり変わってしまった。
だからこんな生活は嫌だと実家に帰ったものの、そこは既に兄に代替わりがされていて、迷惑そうにされてしまった。
それでも実家なのだからとのんびり過ごそうとしたら、兄嫁に怒られ、甥や姪にも邪険にされて凄く嫌だった。
荷物も殆ど持って帰れなかったから、着替えが欲しくてちょっと服を三分の一ほど拝借しただけなのにどうして怒られないといけないのか。
こっちだって兄のお金を使ってドレスを仕立てるなんて厚顔無恥なことはしたくないから妥協したのに、そんな気遣いにも気づかず責め立てるなんて酷いと思う。
挙句兄が後からやってきて、着替えだけなら三着で足りるだろうと言って殆どを回収して行ってしまった。
あんまりだ。
女性の服がそれっぽっちで足りるはずがないのに。
仕方がないからアクセサリーで変化をつけようと姪っ子から装飾品を宝石箱ごと拝借したら泥棒扱いされてこれ見よがしに泣かれてしまった。
殆どが婚約者から贈られた物だと言っていたけれど、どう見ても安物ばかりよ?
だってどれもこれもささやかな宝石しか使われてないじゃないの。
昔ランスロットから貰った物と大差なかったわ。
酷い言い掛かりだと思う。
でも兄からはこれについても酷く叱られてしまった。
『お前は昔から物の価値がわからない癖に、何を尤もらしく上から目線で講釈を垂れているんだ!絶対に宝石の価値は大きさだけで決まると勘違いしてるだろう?!』とか『姪っ子の大事な宝物を奪っておいて謝りもせず嘲るなんて人として終わってる!』等々散々酷いことを言われた。
挙句『これ以上問題を起こしたら叩き出す!』とまで言われ、怖くなって部屋に閉じこもるしかできなかった。
こんな肩身の狭い生活を送るくらいならいっそ屋敷に戻ってしまおうかとさえ考えてしまう。
王都の屋敷じゃなく、領地の屋敷なら平穏に暮らせるかもしれない。
そんな風に考え始めた頃、家族が馬車で迎えに来た。
兄はどこかホッとしたように私を家族へと返し、もう戻ってくるなよと冷たく言ってきた。
実の兄なのになんて酷いのかしら?
やっぱり自分の居場所は家族のところにあるのだと確信した。
なのに何故か行き先は屋敷でも領地でもなく、不穏な国ナナシェで、事情を聞いて愕然となった。
国外追放なんて有り得ない。
どうしてこの私が娘の罪を一緒に引っ被らないといけないのか。
すぐにでも引き返したい。
そう思うものの帰っても戻る場所なんてどこにもないと言われて言葉をなくす。
兄のところはもう二度と受け入れてくれはしないだろう。
領地も新しい領主が来るはずだからもう屋敷には住めない。身を売って生きたいなら帰れと主人から言われて絶望してしまった。
それもこれも全部エヴァンジェリンのせいだ。
娘さえ馬鹿なことをやらかさなければこんな目に遭わなかったのに。
そう思いながら今日も食堂で教えられた仕事をこなす。
ここでは元貴族だろうとなんだろうと一切考慮はされない。
『嫌なら出て行け』と言われておしまいだ。
だから渋々仕事はするけれど、やりたくないからどうしても動きは遅くなる。
なのに洗い物が遅いせいで食堂が回らなくなるだの、綺麗に洗えてないから洗い直せだのと煩いことばかり言われる。
刃物を扱うのは芋の皮剥きの際に一度指を切ってしまい、痛かったからもう二度とやりたくなくて、代わりに洗い物を引き受けることにしたのだけど、こんなに文句を言われるならもっと別の仕事をやりたかった。
手だって荒れてきたし、水は冷たいしただただ辛い。
それに比べてエヴァンジェリンは生き生きと給仕の仕事に励んでいる。
時折尻を触られて『お触り厳禁よ!リオネス。また貴方なの?!いい加減にして頂戴!』と怒っているけど、そのリオネスという男はエヴァンジェリンを気に入っているらしく『エヴァへのセクハラは俺の特権だから他の奴は絶対触るなよ!』と周囲を牽制しつつ笑いをとってるし、とても楽しそうな雰囲気だ。
「勝手なこと言って!調子に乗らないでちょうだい!」
「そう言うなよ、エヴァ。今日も綺麗だ」
「当然でしょう?ほら、遊んでないでさっさと注文してちょうだい!私は忙しいのよ!」
「じゃあエヴァのお勧めで」
「肉野菜炒め一つ!大盛りで!」
「おっ、さっすが俺の嫁!わかってる!」
「誰が嫁よ?!馬鹿言ってないで大人しく座ってなさい!」
「ハハハッ!」
そんな声が嫌でも耳へと飛び込んでくる。
(悔しい!私だってまだまだ綺麗なのに…っ)
エヴァンジェリンに女として負けたようで正直気分が悪い。
自分だって男達からチヤホヤされたい。
女として認めてもらいたい。
そうしたらこんな惨めな気持ちも少しくらいは払拭できそうな気がするのに…。
そんな仄暗い気持ちが込み上げて、可愛かったはずの娘を密かに睨みつけた。
やってきたのは内乱が絶えないと噂のナナシェ国。
今日からこの地で私たち家族の生活が始まる。
「まずは住むところからだな」
兄がポツリと呟いた。
確かに宿代すらない現状、住むところは考えないといけない。
「住み込みで探すしかないわね」
幸い港町だからかそれほど荒れてはいないように見える。
これなら頑張ればすぐにでも働き先は見つかるかもしれない。
船の中で色々これからのことを考えて前を向くことにしたし、逞しく生きていかなければならない。
全員一緒に住めなくてもいいから、まずは生活基盤を整えようと皆で決めた。
「じゃあ俺は兵舎に入れないか聞き込みに行ってくる」
剣の腕はそこそこあるし、内乱が絶えないなら若い兵は需要があるだろうと兄はそう言って一足早く家族の輪から離れて行動を開始した。
「……仕方がない。私は誰かに聞いて領主の館に行ってみよう。これまでの経験が生かせるかもしれないしな」
どうやら父は経理等の仕事がないかを聞きに領主の館にダメ元で行ってみることにした様子。
そう簡単に職が余っているとは思えないけれど、運が良ければ潜り込めるかもしれない。
ただ、プライドの高い父が使用人として文句も言わず働いていけるかは心配だけれど…。
そうして父もまた家族の輪から抜けた。
残ったのは女二人だ。
さて自分も仕事を探しに行こうと思って踵を返そうとしたところで母に袖を掴まれた。
「エヴァンジェリン!わかっているわね?」
「何をですか?お母様」
「元はと言えばこんなところに来る羽目になったのは貴女のせいなのよ?家族皆を養えとは言わないけれど、私一人くらい勿論養ってくれるわよね?」
どうやら母は最初から働く気がなかったらしい。
まあ母はこれまで生粋の貴族令嬢、そして貴族夫人だったのだから働き方なんて知らないし、年も年だから不安しかないんだろう。
でもそんなことを言っていられる状況ではないことくらいわからないんだろうか?
平民の暮らしなんて家族内の誰もがわかってないし、そんな中で仕事を探すのは大変だ。
そしてどんな仕事であろうと一から覚えるのはどれも一緒だ。
あの父だって自分でできる仕事を考えて動いているのに、何を甘えたことを言っているのか。
「お母様?百歩譲ってここに追放されたのが私のせいだとして、どうして私に貴女を養う義務が?」
「あるでしょう?」
「それを言ったら貴女にだって親としての義務があるじゃありませんの。私に過ちを教えなかった上に便乗してランスロットを蔑ろにしてましたわよね?そんな貴女に何を言われても『養ってあげなくては』なんて私にはとても思えませんわ」
「なっ?!」
「頑張って住み込み先の職を探してくださいな」
私は突き放すようにそう言って踵を返したのだけど、母は本当にしつこくて服を鷲掴みにして離してもらえなかった。
このままだと私も今日は野宿になってしまうかもしれないという焦りが出て困ってしまう。
そこへ通りすがりの兵士が私が変な人に絡まれていると勘違いして助けに入ってくれたから、これ幸いと『住み込みで働ける場所を探しに行こうとしていたら母に邪魔されたのだ』と溢したら、それなら兵舎の食堂で募集があるから来てみないかと言ってもらうことができて心から感謝した。
どうやら兵の中でもそれなりに地位が上の人だった様子。
これは幸先が良いかもしれない。
結局事情を一通り話し、母も一緒に食堂で採用してもらえることに。
そして母は調理の補助、私は給仕へと回された。
食堂の仕事は賄いも食べられるし、四人部屋ではあるけど住む部屋も用意してもらえてとても助かった。
紹介してくれた兵士には感謝しかない。
後は精一杯頑張るだけだ。
慣れない環境ではあるけど、生活基盤を作るためにも頑張ろうと前を向いた。
***
【Side.母メリーナ】
(どうして私がこんな惨めな暮らしをしないといけないのよ!)
虚偽報告をしたと言うことで夫の爵位が落とされて、そこからは散々だ。
酒浸りになった夫を心配して声を掛けたら叩かれて、怒鳴られて、とても怖い思いをした。
これまでずっと仲良く暮らしてきて、いつだって優しかった夫がすっかり変わってしまった。
だからこんな生活は嫌だと実家に帰ったものの、そこは既に兄に代替わりがされていて、迷惑そうにされてしまった。
それでも実家なのだからとのんびり過ごそうとしたら、兄嫁に怒られ、甥や姪にも邪険にされて凄く嫌だった。
荷物も殆ど持って帰れなかったから、着替えが欲しくてちょっと服を三分の一ほど拝借しただけなのにどうして怒られないといけないのか。
こっちだって兄のお金を使ってドレスを仕立てるなんて厚顔無恥なことはしたくないから妥協したのに、そんな気遣いにも気づかず責め立てるなんて酷いと思う。
挙句兄が後からやってきて、着替えだけなら三着で足りるだろうと言って殆どを回収して行ってしまった。
あんまりだ。
女性の服がそれっぽっちで足りるはずがないのに。
仕方がないからアクセサリーで変化をつけようと姪っ子から装飾品を宝石箱ごと拝借したら泥棒扱いされてこれ見よがしに泣かれてしまった。
殆どが婚約者から贈られた物だと言っていたけれど、どう見ても安物ばかりよ?
だってどれもこれもささやかな宝石しか使われてないじゃないの。
昔ランスロットから貰った物と大差なかったわ。
酷い言い掛かりだと思う。
でも兄からはこれについても酷く叱られてしまった。
『お前は昔から物の価値がわからない癖に、何を尤もらしく上から目線で講釈を垂れているんだ!絶対に宝石の価値は大きさだけで決まると勘違いしてるだろう?!』とか『姪っ子の大事な宝物を奪っておいて謝りもせず嘲るなんて人として終わってる!』等々散々酷いことを言われた。
挙句『これ以上問題を起こしたら叩き出す!』とまで言われ、怖くなって部屋に閉じこもるしかできなかった。
こんな肩身の狭い生活を送るくらいならいっそ屋敷に戻ってしまおうかとさえ考えてしまう。
王都の屋敷じゃなく、領地の屋敷なら平穏に暮らせるかもしれない。
そんな風に考え始めた頃、家族が馬車で迎えに来た。
兄はどこかホッとしたように私を家族へと返し、もう戻ってくるなよと冷たく言ってきた。
実の兄なのになんて酷いのかしら?
やっぱり自分の居場所は家族のところにあるのだと確信した。
なのに何故か行き先は屋敷でも領地でもなく、不穏な国ナナシェで、事情を聞いて愕然となった。
国外追放なんて有り得ない。
どうしてこの私が娘の罪を一緒に引っ被らないといけないのか。
すぐにでも引き返したい。
そう思うものの帰っても戻る場所なんてどこにもないと言われて言葉をなくす。
兄のところはもう二度と受け入れてくれはしないだろう。
領地も新しい領主が来るはずだからもう屋敷には住めない。身を売って生きたいなら帰れと主人から言われて絶望してしまった。
それもこれも全部エヴァンジェリンのせいだ。
娘さえ馬鹿なことをやらかさなければこんな目に遭わなかったのに。
そう思いながら今日も食堂で教えられた仕事をこなす。
ここでは元貴族だろうとなんだろうと一切考慮はされない。
『嫌なら出て行け』と言われておしまいだ。
だから渋々仕事はするけれど、やりたくないからどうしても動きは遅くなる。
なのに洗い物が遅いせいで食堂が回らなくなるだの、綺麗に洗えてないから洗い直せだのと煩いことばかり言われる。
刃物を扱うのは芋の皮剥きの際に一度指を切ってしまい、痛かったからもう二度とやりたくなくて、代わりに洗い物を引き受けることにしたのだけど、こんなに文句を言われるならもっと別の仕事をやりたかった。
手だって荒れてきたし、水は冷たいしただただ辛い。
それに比べてエヴァンジェリンは生き生きと給仕の仕事に励んでいる。
時折尻を触られて『お触り厳禁よ!リオネス。また貴方なの?!いい加減にして頂戴!』と怒っているけど、そのリオネスという男はエヴァンジェリンを気に入っているらしく『エヴァへのセクハラは俺の特権だから他の奴は絶対触るなよ!』と周囲を牽制しつつ笑いをとってるし、とても楽しそうな雰囲気だ。
「勝手なこと言って!調子に乗らないでちょうだい!」
「そう言うなよ、エヴァ。今日も綺麗だ」
「当然でしょう?ほら、遊んでないでさっさと注文してちょうだい!私は忙しいのよ!」
「じゃあエヴァのお勧めで」
「肉野菜炒め一つ!大盛りで!」
「おっ、さっすが俺の嫁!わかってる!」
「誰が嫁よ?!馬鹿言ってないで大人しく座ってなさい!」
「ハハハッ!」
そんな声が嫌でも耳へと飛び込んでくる。
(悔しい!私だってまだまだ綺麗なのに…っ)
エヴァンジェリンに女として負けたようで正直気分が悪い。
自分だって男達からチヤホヤされたい。
女として認めてもらいたい。
そうしたらこんな惨めな気持ちも少しくらいは払拭できそうな気がするのに…。
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