【完結】逆召喚!~いつまでも黙って召喚されると思うなよ?~

オレンジペコ

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21.※バドの気持ち

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「ん…はぁ……」

頬を上気させて潤んだ瞳で俺を見つめてくるバドはどこか扇情的だった。
そんなバドを横抱きにして部屋へと連れて行く。

「ル、ルース!降ろせ!」
「嫌だ。そもそも腰が抜けてたくせによくそんなことが言えるな?」
「あれはお前がいつもよりしつこかったからだろう?!」
「キスだけで腰砕けになるお前が悪い」
「お前が魔力を沢山寄こすからだろう?!勝手に人のせいにするな!」

ああ言えばこう言う。
やっぱりバドは可愛くはない。
なのに…何故か嫌じゃなかった。
ポンポンと軽口を叩き合うのに慣れてしまったからだろうか?

「ほら。いいからジッとしてろ。落っことすだろう?」
「うぅぅ…」
「睨んでないでしっかり掴まってろ」

そう言ってやるとやっとおずおずと首へと腕を回して抱き着いてくる。

(本当に素直じゃないな)

そんなことを思いながら部屋へと到着し、まずは一緒にシャワーだとバサバサと堅苦しい服を脱ぎ去った。
そんな俺を見てバドが『ちょっとは恥じらえ!』と怒ってくるが、そんなの今更だと思う。

「俺とバドの仲だろう?」

だからそう言ってやったのに、真っ赤な顔で恥じらうからこっちまでつられそうになった。

「お、お前は平気かもしれないが、俺は恥ずかしいんだ!」
「そ、そうか…」

そしてなんだかソワソワしながらお互いにお互いを見ないようにしながら身体を洗って、湯船へと浸かる。
でも……いくらなんでもそんなに離れて浸からなくてもいいだろう?

「バド」
「なんだ?!」
「お前な。そんなに離れたらキスできないだろう?」
「は?!」
「あと、照れ隠しなのか何だか知らないけど、そんなに大きな声を出さなくてもいいから」

全く本当にしょうがない奴と思いながらそっとバドの側へと移動する。

「ルース」
「なんだ?」
「はっきり聞きたい」
「何を?」
「あいつを、どう思ってる?」
「あいつってリオか?リオは……お前好みのスパダリ?」
「……は?」
「だから、お前好みの────」
「ちょっと待て!さっきもそうだったが、どうしてそこで俺の好みが出てくるんだ?!あいつはお前の初恋相手だろう?!」
「そうだけど、成長したら色気駄々洩れのスパダリに成長してたから、俺の好みからは外れたんだ!」

そこまで言ったらどこかホッとしたような顔でバドが小さく『そうか』と呟いた。

「じゃ、じゃあ大丈夫だな」
「何が?」
「あいつから迫られても」
「…………多分?」
「なんだその間と『多分』って?!」

バドは『そこは即答で大丈夫と言え!』と怒ってきたけど、リオはグイグイ来るから大丈夫だって言い切れないんだ。
言っても俺、多分経験値でかなり負けてると思うし、普通に翻弄されそうで困る。

「もういい!」

そう言ってバドがグイッと俺を引き寄せて唇を塞いできた。

「んっ。忘れていたが、俺の方が年上だったな。ここはお前が余所見できないように、俺が頑張る」

ジッと熱のこもった目で見つめられて不覚にもドキッと胸が弾んだ。

(しかも一生懸命虚勢を張ってるところもなんか可愛いんだよな…)

そう考えて慌てて思考を振り払った。

「ま、まあお前にとったら魔力切れは死活問題だしな。うん」
「……ルース。お前は誤解しているかもしれないが、俺は魔力の補給の件だけでお前を好きになったわけじゃないぞ?」

バドはこのタイミングでここぞとばかりに俺へと熱い想いをぶつけてくる。

「普通だったらお前の姉のように俺に酷いことをしてきてもおかしくはないのに、お前は全然そんなことをしてこなかった。それどころかいっぱい気遣ってくれるし、怒ってても面倒見はいいし、なんだかんだと困ってる俺を見捨てられない優しさとか、そういうところを見てきて、いいなと思ったんだ」
「…………」
「見た目とか口の悪さとかそういう上辺なんてどうでもよくて、俺はお前の内面が凄く好きなんだ。だから…年下じゃないけど、少しくらいは俺を意識してもらいたい」

そこまで言われて俺は羞恥に真っ赤になってしまった。
やっぱりどこかで『どうせ魔力目当てなんだろう?』なんて思っていた自分がいたから、内面が好きだと言われたのはグッとくるものがあったんだ。

「そ、そうか。んんっ。じゃ、じゃあまあ、一応考慮には入れて見ようかな」

だから咳払いで誤魔化しつつそう言ったのだけど、それを聞いてバドの表情がパッと明るくなった。

「そうか!良かった…」

なんだか甘酸っぱい雰囲気になってしまったけど、取り敢えずいい雰囲気だし、このままいつも通り抱いてしまおう。

チュッチュッと軽くキスをして、段々深くなっていくキス。
それと同時にうっとりしながら俺に身を任せてくるバドはやっぱりどこか可愛くて、うっかり年上だというのを忘れそうになった。




バドを抱くのは実にひと月以上ぶりになる。
前回もそれくらいだったし、まだまだ完治までには程遠そうだ。

(それでも動けていた分だけまだマシな方か)

姉の件の際は動けないくらい衰弱してそうだったけど、今回はキスで補給した後はパーティーで普通に動けていたから改善はちゃんとしている様子。

「ん…んぁっ……」

初めての時から考えると随分慣れてきた気がするバドを見ながら、俺はバドの感じる場所をゆっくりと責め始めた。
トントンッと軽くノックするように奥を突き、徐々にスライドの幅を広げていく。
そうしてやったらバドが気持ちよさそうに表情を綻ばせるんだ。

「あ…んぅ…」
「バド。前も触ってやる」

胸の突起も舌で転がしつつ下をしごいてやったら、感じ過ぎたのかグイッと俺を両手で押し返しながら涙目で抗議された。

「や、そんなにされたら、無理…だっ!」

(いや、俺の方が無理だから!)

普通に可愛く見えて思わずイキそうになり、グッと耐える。

(やっば…)

「バド。頼むからそれ以上締めつけるな」
「ル、ルースが勝手に大きくなったんだろう?!俺のせいにするな!」

キッと睨んでくるけど、涙目のままだから全く迫力はない。
寧ろこの状況でそれは逆効果だと言ってやりたい。
煽ってどうする。
我慢する俺の身にもなってほしい。

「バド。お前、本当に残念な奴だよな」

恋とか愛とかはよくわからないけど、そこが可愛いと思う自分が確かにいて、今はそれでいいかなと思った。

「それ、俺を煽ってるだけだってわかってないよな?」
「…………は?」
「そんなお前を今日はいっぱい感じさせて啼かせてやろう」
「な、なっ?!」
「可愛い声でいっぱい啼けよ?」

俺はそう言うとニコッと笑ってバドの弱いところを突き上げた。



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