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26.リオとの時間
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朝食での一件があったその日から、早速俺とリオの時間が取られるようになった。
当然だが日中は殆ど研究室で魔法を開発しているからその時間は省かれるはずなんだけど、リオはバドと時間をずらして差し入れを持ってきたり、昼食を一緒にと言ってきたりするし、休憩のお茶を一緒に飲んだりとなんだかんだと一緒に居る時間は長くなった。
最初は緊張と警戒心でいっぱいだった俺だけど、何週間もここまで一緒に居ると流石に段々慣れてくる。
それにやっぱりリオはとってもスマートに事を運ぶから断りにくい。
「ルル。ルルが好きだと聞いた菓子を持って来たんだ。キリの良いところまで終わったら一緒に食べないか?」
どうも研究室の面々とも色々話して大体の休憩時間も把握しているようだし、好きな菓子のリサーチもしっかりしている様子。
こういうところ、マメだなぁと凄く思う。
(しかも嬉しそうにニコニコしながら言ってくるんだよな…)
色気を滲ませられると俺が引くのをわかっているからか、最近はどちらかというと爽やか笑顔に切り替えたようだ。
腹黒感はあるけど、その努力は買おう。
「リオ。俺の髪、そんなにしょっちゅう触って飽きないか?」
リオはどうやら俺の髪を触るのが好きらしく、ソファに座ってバックハグをしながら俺の髪を触るのが日課になっていた。
触らせないと頬や唇を狙って流れるようにキスを仕掛けてくるから、今のところ触らせる一択だ。
大体左手で髪をクルクルと触りながらお菓子やお茶を俺の口元に運んでくる。
甲斐甲斐しい恋人ってこんな感じなんだろうか?
別に嫌ではないから対応に困る。
言っても初恋相手だし、顔は好みなのだ。
だからと言って抱かれる気は一切ないけど、さてどうしたものか。
そんなことを考えていたら突然チュッと頬へとキスされて、にこやかに話を切り出された。
「ルル。明日なんだが、俺主催の茶会を開くことになったんだ。ルルが好きだと言っていたショタスキー伯爵家の兄弟やその友人達も呼んだから楽しみにしていてくれ」
「……え?」
キスでびっくりしていたらいきなりそんな話を振られて驚くなという方がどうかしていた。
しかもショタスキー伯爵家の兄弟?
何だそれ。何のご褒美?
俺は思わず嬉しくなってクルッと振り向いて至近距離でリオへと尋ねていた。
「え?本当に?!」
「ああ」
「何人くらい?!」
「友人か?そちらは五、六人は来るはずだ」
「五、六人…」
ということは年下ばかりのはず。
これはかなり期待できる!
「嬉しい!リオ!ありがとう!」
嬉しすぎて思わず自分からリオに抱き着いてしまった。
そんな俺をリオがしょうがないなという顔で抱きとめて『御礼はキスで』なんて言ってきたから、渋々そっと唇を寄せたら物凄く濃厚なキスを返された。
てっきり軽いキスだと思っていたのにと焦りに焦る。
(なんだこれ?!ちょっ…マズいから…っ)
「んっ…んんんっ……」
上手過ぎて下半身が反応しそうになるからやめてほしい。
しかもリオは色気マシマシで俺の腰を引き寄せて逃がさないと言わんばかりに嬉しそうに長々とディープキスを堪能してきて、好きが前面に出ている目で熱く俺を見つめてくるからたまらない。
俺。これまでこんなに好き好きアピールされたことがないから、本当にドキドキしてヤバいんだ。
元々の好みの可愛い系男子でも見て自分を取り戻したいのが正直なところだった。
「ルル」
「リオ…」
やっと唇が離れたからちょっと呼吸を整えていたものの、リオが熱っぽい目で嬉しそうに俺を見つめてくるからなんだか目を離せなくなった。
そんな俺達のところへバドがやってくる。
「ルース!お前は何をやってるんだ?!」
「……へ?」
「そんな色情魔の膝の上にノコノコ乗ったら危険だということくらいわかるだろう?!」
そう言って怒りながら入ってきて俺を勢いよくリオから引き剥がしにかかった。
「いくら年下だからって油断し過ぎだ!」
「別に油断したわけじゃない!」
「じゃあなんだ?!自分から乗ったとでも?!」
「し、仕方がないだろう?!ここ最近はこれが普通だったんだからっ!」
「これが普通なわけないだろう?!どれだけ隙だらけなんだ!」
「煩いな!大体俺とリオのことなんだからお前には関係ないだろう?!」
「関係大有りだ!俺のライバルなんだぞ、そいつは!」
ギャアギャアと噛みついてくるバドに正直辟易する。
本当に、抱いてる時は可愛いんだけど、こういう時は疲れるんだよな。
もうちょっと可愛げがあればいいのに。
「まあまあルル。そうだ、バド…だったか。明日俺主催の茶会を開くんだが、よかったら参加しないか?」
「……は?」
「ルルと違って暇だろう?気分転換にもなると思う」
「結構だ!」
にこやかに提案するリオにバドが噛みつくように拒絶を示す。
でも折角だし参加すればいいのに。
「あ、そうか。バドの好みは俺と真逆だもんな。色気過多な大人の女性が来ないと来る気になれないか」
俺好みの可愛い系男子ばかりの茶会は確かに来ても面白くないのかもしれない。
「そうか。バドの好みはそう言った者達なのか。それなら後でルルの姉君に相談してみよう」
「なっ?!」
驚いたようにバドが声を上げるけど、どうせならバドも本来の好みのタイプを目にして俺への気持ちが気の迷いだって自覚してくれたらいいんだけどな。
そんな気持ちでいたらリオが俺の気持ちを察したかのようにスッと立ち上がって、『じゃあまた明日』と笑顔で言った。
本当にこういうところがスマートだなって思う。
「ちょ、ちょっと待て!俺は行くなんて一言も言ってないぞ?!」
「気楽な茶会になる予定だから来れたら来てくれ。それじゃあ」
そして鮮やかにその場から立ち去っていく。
実にカッコいい去り方だ。
年下なんてとても思えない。
俺も見習わないと。
いずれにせよ明日のお茶会はとっても楽しみだ。
俺はリオに感謝しながらバドに茶を振舞って、ウキウキした気持ちでその後すぐに研究へと戻ったのだった。
当然だが日中は殆ど研究室で魔法を開発しているからその時間は省かれるはずなんだけど、リオはバドと時間をずらして差し入れを持ってきたり、昼食を一緒にと言ってきたりするし、休憩のお茶を一緒に飲んだりとなんだかんだと一緒に居る時間は長くなった。
最初は緊張と警戒心でいっぱいだった俺だけど、何週間もここまで一緒に居ると流石に段々慣れてくる。
それにやっぱりリオはとってもスマートに事を運ぶから断りにくい。
「ルル。ルルが好きだと聞いた菓子を持って来たんだ。キリの良いところまで終わったら一緒に食べないか?」
どうも研究室の面々とも色々話して大体の休憩時間も把握しているようだし、好きな菓子のリサーチもしっかりしている様子。
こういうところ、マメだなぁと凄く思う。
(しかも嬉しそうにニコニコしながら言ってくるんだよな…)
色気を滲ませられると俺が引くのをわかっているからか、最近はどちらかというと爽やか笑顔に切り替えたようだ。
腹黒感はあるけど、その努力は買おう。
「リオ。俺の髪、そんなにしょっちゅう触って飽きないか?」
リオはどうやら俺の髪を触るのが好きらしく、ソファに座ってバックハグをしながら俺の髪を触るのが日課になっていた。
触らせないと頬や唇を狙って流れるようにキスを仕掛けてくるから、今のところ触らせる一択だ。
大体左手で髪をクルクルと触りながらお菓子やお茶を俺の口元に運んでくる。
甲斐甲斐しい恋人ってこんな感じなんだろうか?
別に嫌ではないから対応に困る。
言っても初恋相手だし、顔は好みなのだ。
だからと言って抱かれる気は一切ないけど、さてどうしたものか。
そんなことを考えていたら突然チュッと頬へとキスされて、にこやかに話を切り出された。
「ルル。明日なんだが、俺主催の茶会を開くことになったんだ。ルルが好きだと言っていたショタスキー伯爵家の兄弟やその友人達も呼んだから楽しみにしていてくれ」
「……え?」
キスでびっくりしていたらいきなりそんな話を振られて驚くなという方がどうかしていた。
しかもショタスキー伯爵家の兄弟?
何だそれ。何のご褒美?
俺は思わず嬉しくなってクルッと振り向いて至近距離でリオへと尋ねていた。
「え?本当に?!」
「ああ」
「何人くらい?!」
「友人か?そちらは五、六人は来るはずだ」
「五、六人…」
ということは年下ばかりのはず。
これはかなり期待できる!
「嬉しい!リオ!ありがとう!」
嬉しすぎて思わず自分からリオに抱き着いてしまった。
そんな俺をリオがしょうがないなという顔で抱きとめて『御礼はキスで』なんて言ってきたから、渋々そっと唇を寄せたら物凄く濃厚なキスを返された。
てっきり軽いキスだと思っていたのにと焦りに焦る。
(なんだこれ?!ちょっ…マズいから…っ)
「んっ…んんんっ……」
上手過ぎて下半身が反応しそうになるからやめてほしい。
しかもリオは色気マシマシで俺の腰を引き寄せて逃がさないと言わんばかりに嬉しそうに長々とディープキスを堪能してきて、好きが前面に出ている目で熱く俺を見つめてくるからたまらない。
俺。これまでこんなに好き好きアピールされたことがないから、本当にドキドキしてヤバいんだ。
元々の好みの可愛い系男子でも見て自分を取り戻したいのが正直なところだった。
「ルル」
「リオ…」
やっと唇が離れたからちょっと呼吸を整えていたものの、リオが熱っぽい目で嬉しそうに俺を見つめてくるからなんだか目を離せなくなった。
そんな俺達のところへバドがやってくる。
「ルース!お前は何をやってるんだ?!」
「……へ?」
「そんな色情魔の膝の上にノコノコ乗ったら危険だということくらいわかるだろう?!」
そう言って怒りながら入ってきて俺を勢いよくリオから引き剥がしにかかった。
「いくら年下だからって油断し過ぎだ!」
「別に油断したわけじゃない!」
「じゃあなんだ?!自分から乗ったとでも?!」
「し、仕方がないだろう?!ここ最近はこれが普通だったんだからっ!」
「これが普通なわけないだろう?!どれだけ隙だらけなんだ!」
「煩いな!大体俺とリオのことなんだからお前には関係ないだろう?!」
「関係大有りだ!俺のライバルなんだぞ、そいつは!」
ギャアギャアと噛みついてくるバドに正直辟易する。
本当に、抱いてる時は可愛いんだけど、こういう時は疲れるんだよな。
もうちょっと可愛げがあればいいのに。
「まあまあルル。そうだ、バド…だったか。明日俺主催の茶会を開くんだが、よかったら参加しないか?」
「……は?」
「ルルと違って暇だろう?気分転換にもなると思う」
「結構だ!」
にこやかに提案するリオにバドが噛みつくように拒絶を示す。
でも折角だし参加すればいいのに。
「あ、そうか。バドの好みは俺と真逆だもんな。色気過多な大人の女性が来ないと来る気になれないか」
俺好みの可愛い系男子ばかりの茶会は確かに来ても面白くないのかもしれない。
「そうか。バドの好みはそう言った者達なのか。それなら後でルルの姉君に相談してみよう」
「なっ?!」
驚いたようにバドが声を上げるけど、どうせならバドも本来の好みのタイプを目にして俺への気持ちが気の迷いだって自覚してくれたらいいんだけどな。
そんな気持ちでいたらリオが俺の気持ちを察したかのようにスッと立ち上がって、『じゃあまた明日』と笑顔で言った。
本当にこういうところがスマートだなって思う。
「ちょ、ちょっと待て!俺は行くなんて一言も言ってないぞ?!」
「気楽な茶会になる予定だから来れたら来てくれ。それじゃあ」
そして鮮やかにその場から立ち去っていく。
実にカッコいい去り方だ。
年下なんてとても思えない。
俺も見習わないと。
いずれにせよ明日のお茶会はとっても楽しみだ。
俺はリオに感謝しながらバドに茶を振舞って、ウキウキした気持ちでその後すぐに研究へと戻ったのだった。
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