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23.俺の好きな人 Side.リオ
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※更新が遅くなり申し訳ありませんm(_ _)m
ご心配くださった皆様、ありがとうございました。
体調も良くなりましたのでまたボチボチ更新していこうと思います。
宜しくお願いします。
****************
俺には昔から好きな人がいる。
サレーヌ王国のルルナス王子だ。
幼い日にサレーヌ王国に遊びに行った際に偶然会った一つ年上の可愛い人。
慣れない他国の城で『ちょっと遊んでなさい』と言われドキドキしながら庭へと出た際に年が近いルルナス王子をたまたま目に止めた。
何をしているんだろうと足を止め様子を窺っていると、どうやら魔法を教わっているようだと雰囲気から感じられた。
その頃の自分はまだ魔法に一度も触れたことがなかったから、凄くドキドキして、本当に発動するんだろうかとジッとそちらを見ていた。
同じようにドキドキしながら期待に目を輝かせたルルナス王子が、教わった通りに魔法を発動させる。
当然だが、一般的に初めての魔法というのは失敗して普通であり、発動しない可能性の方が高かった。
なのにルルナス王子は一発でその魔法を成功させたのだ。
成功した証拠に指先にふわりと温かくて優しい光が集まっていく。
その時の感動をどう言い表せばいいのだろう?
胸がいっぱいになって、居ても立ってもいられなくなった俺はすぐさまルルナス王子の方へと駆け寄った。
「凄い!お兄ちゃん、これ魔法?魔法だよね?凄く暖かい色!僕これ大好き!」
そう言いながらまだ幼かった俺は無邪気にルルナス王子の顔を見上げたのだが、その時のルルナス王子はちょっとびっくりしたように目を丸くしながらこちらを見ていて、これが凄いことなのだとはこれっぽっちも思っていなさそうだったから驚いてしまった。
それがなんだかじれったくて、俺は必死になってこれは凄いことなんだと身振り手振りで一生懸命訴えた。
そしたらちょっと照れ臭そうに笑って『そ、そうか。じゃあ次はもっと凄い魔法を見せられるように頑張って練習しておくよ』って言ってくれたんだ。
その時の顔があまりにも可愛くて、俺はその時完全に恋に落ちてしまった。
好き。
大好き。
国に帰ってからも彼のことがずっと忘れられなくて、何度も『またサレーヌ国へ行きたい!』とねだった。
なのに『子供だからそんなに頻繁に他国へは行けない。ダメだ』って言われてしまった。
だから情報だけ集めてもらって、大きくなったら絶対に迎えに行こうと心に誓ったんだ。
報告ではルルナス王子はとても優秀な王子だと書かれてあったから、正直婚約者ができたらどうしようと気を揉む日々。
けれど予想に反して何故かルルナス王子にはいつまで経っても婚約者はできなかった。
「第三王子だから?」
王位継承権が低いからかと最初は思った。
もしかしたらその立場的に自由恋愛を認められているのかもしれない。
だったら自分にもチャンスはあるはず。
胸に灯る微かな期待。
自分は男だけど、女以上に気配りできるようになればルルナス王子も俺を見てくれるかもしれない。
(そうだ!女なんて目じゃないくらい魅力的な男になろう!)
年下の男だからって見向きもされなかったら…そう考えるだけで嫌だった。
だからルルナス王子が成長した俺を見て恋に落ちてくれるように、勉学から剣術、魔法にダンス、社交術とできることはなんでも頑張った。
次に会った時にルルナス王子の隣に立っても恥ずかしくない自分になっておきたい。そんな一心だった。
自信を持ってルルナス王子の前に立ち、堂々と告白したい。
そう思っていたのに────。
「マリオン。ルルナス王子のことは諦めなさい」
もう子供じゃないからサレーヌ国へ留学したいと相談したところ、父から痛まし気な目で首を横に振られてしまった。
「どうしてです?!父上だってご存じでしょう?俺がルルナス王子をどれだけ想っているのか!」
「もちろんだ。だが、だからこそ言っているんだ」
その時初めて俺はサレーヌ国の内情を教えてもらった。
サレーヌ国では18才以上の優秀な者達が毎年必ず一人異世界へと召喚され、二度と帰ってくることはないのだと。
「ルルナス王子に婚約者がいないのもそれが理由だ」
「…………つまり、ルルナス王子は18才を迎えたら二度と帰ってこれない異世界に召喚されてしまうと?」
「そうだ。彼が優秀なのは周知の事実。いついなくなるともわからない相手と恋仲になったらお前が辛いだけだ。諦めなさい。お前ならどんな令嬢もより取り見取りだ。初恋相手のことなどすぐに忘れられる」
その時の心境をどう言い表せばいいだろう?
ある種絶望を味わわされたと言っても過言ではない。
ルルナス王子に会いたい。
でも会ったら辛くなるだけだと彼の国へ行かせてもらえない。
これまでの自分の積み重なった想いが胸を締め付けて、苦しくて辛くてたまらなくなった。
いっそルルナス王子をこの国へと連れ去ってしまおうか?
そうすればルルナス王子は召喚されることなくずっと自分の傍に居てくれるかもしれない。
そう思って父へと訴えてもみたけれど、返ってきた答えは諦めなさいの一言だけ。
俺が自暴自棄になるのも仕方がなかった。
そこからの俺は昔会ったルルナス王子の幻影を求めるように遊び回った。
ルルナス王子が絶対に手に入らないのなら身代わりをと言わんばかりに似た相手を抱いて、抱いて、空しくなって捨てる日々。
やっていることは最低の一言だ。
でも何もしなければ苦しくて、気持ちの持って行き場を見つけられなくて、ただただ荒れた気持ちで日々を送った。
そんなある日の事。
父王から呼び出されて一通の書状を渡された。
「マリオン。今のお前に渡していいものか正直悩んだが……気持ちの整理をつけたいのなら行ってきなさい」
その言葉にそっと手元の書状を開いてみる。
「…………え」
それはサレーヌ国からのパーティーの招待状だった。
「ルルナス王子が異世界召喚を阻止すべく逆召喚魔法というのを完成させたらしい。これでルルナス王子が向こうに召喚される事態は回避できたとサレーヌ王は言っている。向こうは初恋相手であるお前に一度会いたいと言ってくれたそうだ」
「初…恋……?」
その言葉に熱い気持ちが込み上げてくる。
(ルルナス王子が…俺を?)
自分だけじゃなかったのだという歓喜の気持ち。
そして異世界にルルナス王子を奪われる危機がなくなったという安堵。
「行きます!」
俺は即答でサレーヌ国へ行くと口にしていた。
ルルナス王子を迎えに行きたい。
そう思ってすぐさま父へと『婚約の許可を下さい』と告げた。
けれど父は困った顔でこんなことを言ってくる。
「マリオン。お前の気持ちはわかっているつもりだが…初恋はあくまでも初恋。あまり期待し過ぎぬことだ」
「ご心配なく。必ずルルナス王子を連れて帰ってまいります」
お互いに初恋同士だったのだ。
それなら難しくはないはず。
そんな気持ちで俺は嬉々としてサレーヌ国へと旅立った。
ご心配くださった皆様、ありがとうございました。
体調も良くなりましたのでまたボチボチ更新していこうと思います。
宜しくお願いします。
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俺には昔から好きな人がいる。
サレーヌ王国のルルナス王子だ。
幼い日にサレーヌ王国に遊びに行った際に偶然会った一つ年上の可愛い人。
慣れない他国の城で『ちょっと遊んでなさい』と言われドキドキしながら庭へと出た際に年が近いルルナス王子をたまたま目に止めた。
何をしているんだろうと足を止め様子を窺っていると、どうやら魔法を教わっているようだと雰囲気から感じられた。
その頃の自分はまだ魔法に一度も触れたことがなかったから、凄くドキドキして、本当に発動するんだろうかとジッとそちらを見ていた。
同じようにドキドキしながら期待に目を輝かせたルルナス王子が、教わった通りに魔法を発動させる。
当然だが、一般的に初めての魔法というのは失敗して普通であり、発動しない可能性の方が高かった。
なのにルルナス王子は一発でその魔法を成功させたのだ。
成功した証拠に指先にふわりと温かくて優しい光が集まっていく。
その時の感動をどう言い表せばいいのだろう?
胸がいっぱいになって、居ても立ってもいられなくなった俺はすぐさまルルナス王子の方へと駆け寄った。
「凄い!お兄ちゃん、これ魔法?魔法だよね?凄く暖かい色!僕これ大好き!」
そう言いながらまだ幼かった俺は無邪気にルルナス王子の顔を見上げたのだが、その時のルルナス王子はちょっとびっくりしたように目を丸くしながらこちらを見ていて、これが凄いことなのだとはこれっぽっちも思っていなさそうだったから驚いてしまった。
それがなんだかじれったくて、俺は必死になってこれは凄いことなんだと身振り手振りで一生懸命訴えた。
そしたらちょっと照れ臭そうに笑って『そ、そうか。じゃあ次はもっと凄い魔法を見せられるように頑張って練習しておくよ』って言ってくれたんだ。
その時の顔があまりにも可愛くて、俺はその時完全に恋に落ちてしまった。
好き。
大好き。
国に帰ってからも彼のことがずっと忘れられなくて、何度も『またサレーヌ国へ行きたい!』とねだった。
なのに『子供だからそんなに頻繁に他国へは行けない。ダメだ』って言われてしまった。
だから情報だけ集めてもらって、大きくなったら絶対に迎えに行こうと心に誓ったんだ。
報告ではルルナス王子はとても優秀な王子だと書かれてあったから、正直婚約者ができたらどうしようと気を揉む日々。
けれど予想に反して何故かルルナス王子にはいつまで経っても婚約者はできなかった。
「第三王子だから?」
王位継承権が低いからかと最初は思った。
もしかしたらその立場的に自由恋愛を認められているのかもしれない。
だったら自分にもチャンスはあるはず。
胸に灯る微かな期待。
自分は男だけど、女以上に気配りできるようになればルルナス王子も俺を見てくれるかもしれない。
(そうだ!女なんて目じゃないくらい魅力的な男になろう!)
年下の男だからって見向きもされなかったら…そう考えるだけで嫌だった。
だからルルナス王子が成長した俺を見て恋に落ちてくれるように、勉学から剣術、魔法にダンス、社交術とできることはなんでも頑張った。
次に会った時にルルナス王子の隣に立っても恥ずかしくない自分になっておきたい。そんな一心だった。
自信を持ってルルナス王子の前に立ち、堂々と告白したい。
そう思っていたのに────。
「マリオン。ルルナス王子のことは諦めなさい」
もう子供じゃないからサレーヌ国へ留学したいと相談したところ、父から痛まし気な目で首を横に振られてしまった。
「どうしてです?!父上だってご存じでしょう?俺がルルナス王子をどれだけ想っているのか!」
「もちろんだ。だが、だからこそ言っているんだ」
その時初めて俺はサレーヌ国の内情を教えてもらった。
サレーヌ国では18才以上の優秀な者達が毎年必ず一人異世界へと召喚され、二度と帰ってくることはないのだと。
「ルルナス王子に婚約者がいないのもそれが理由だ」
「…………つまり、ルルナス王子は18才を迎えたら二度と帰ってこれない異世界に召喚されてしまうと?」
「そうだ。彼が優秀なのは周知の事実。いついなくなるともわからない相手と恋仲になったらお前が辛いだけだ。諦めなさい。お前ならどんな令嬢もより取り見取りだ。初恋相手のことなどすぐに忘れられる」
その時の心境をどう言い表せばいいだろう?
ある種絶望を味わわされたと言っても過言ではない。
ルルナス王子に会いたい。
でも会ったら辛くなるだけだと彼の国へ行かせてもらえない。
これまでの自分の積み重なった想いが胸を締め付けて、苦しくて辛くてたまらなくなった。
いっそルルナス王子をこの国へと連れ去ってしまおうか?
そうすればルルナス王子は召喚されることなくずっと自分の傍に居てくれるかもしれない。
そう思って父へと訴えてもみたけれど、返ってきた答えは諦めなさいの一言だけ。
俺が自暴自棄になるのも仕方がなかった。
そこからの俺は昔会ったルルナス王子の幻影を求めるように遊び回った。
ルルナス王子が絶対に手に入らないのなら身代わりをと言わんばかりに似た相手を抱いて、抱いて、空しくなって捨てる日々。
やっていることは最低の一言だ。
でも何もしなければ苦しくて、気持ちの持って行き場を見つけられなくて、ただただ荒れた気持ちで日々を送った。
そんなある日の事。
父王から呼び出されて一通の書状を渡された。
「マリオン。今のお前に渡していいものか正直悩んだが……気持ちの整理をつけたいのなら行ってきなさい」
その言葉にそっと手元の書状を開いてみる。
「…………え」
それはサレーヌ国からのパーティーの招待状だった。
「ルルナス王子が異世界召喚を阻止すべく逆召喚魔法というのを完成させたらしい。これでルルナス王子が向こうに召喚される事態は回避できたとサレーヌ王は言っている。向こうは初恋相手であるお前に一度会いたいと言ってくれたそうだ」
「初…恋……?」
その言葉に熱い気持ちが込み上げてくる。
(ルルナス王子が…俺を?)
自分だけじゃなかったのだという歓喜の気持ち。
そして異世界にルルナス王子を奪われる危機がなくなったという安堵。
「行きます!」
俺は即答でサレーヌ国へ行くと口にしていた。
ルルナス王子を迎えに行きたい。
そう思ってすぐさま父へと『婚約の許可を下さい』と告げた。
けれど父は困った顔でこんなことを言ってくる。
「マリオン。お前の気持ちはわかっているつもりだが…初恋はあくまでも初恋。あまり期待し過ぎぬことだ」
「ご心配なく。必ずルルナス王子を連れて帰ってまいります」
お互いに初恋同士だったのだ。
それなら難しくはないはず。
そんな気持ちで俺は嬉々としてサレーヌ国へと旅立った。
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