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50.リセル嬢との再会
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「…………ルース」
黙り込んでいたバドがやっと声を出し、俺を呼ぶ。
それにそっと顔を上げ、不安げにそちらを見遣ると何故か物凄く変な顔で『確認したいんだが』と言われた。
「今のは告白か?」
「……へ?」
どこかにそんな要素はあっただろうか?
そう思って首を傾げると、『ああ、うん。わかった』と返される。
「ただの俺の聞き間違いだな」
「多分?」
俺は好きとも何とも言った覚えはないし、単にテンパって早口で言った言葉のどこかを聞き間違えたに違いない。
「俺、お前が可愛いしか言ってないし」
「~~~~っ!」
なのに本当のことをいったのにも関わらず、そう口にした途端何故かバドが真っ赤になりながら撃沈した。
何が悪かったんだ?!
「バド?」
「…………いや。うん。わかった」
さっきと似たような言葉を口にして、何故かちょっと嬉しそうに頬を緩ませるバド。
なんで急にご機嫌になったのかさっぱりわからない。
「ルース。愛してる」
しかも何を思ったのか真っ直ぐに俺の目を見て柔らかく笑いながらそんなことを言ってくるから、心臓が口から飛び出るかと思った。
「なっ…なんで急にそんなこと言い出したんだ?!」
「ただ、お前が愛しくなって言いたくなっただけだ」
気にするなと言われたけど、余計に挙動不審になりそうだからやめてほしい。
これ以上はおかしな空気になってしまいそうだし、なんだかマズい気がする。
ここは話題を変えてしまうに限るだろう。
「そ、そんなことより、手紙の方は誰か渡せたか?」
「それが…」
バドもこれに関しては特に茶化すことなく居住まいを正し、真面目にこちらに戻ってからのことも交えて話してくれた。
「俺はこちらに戻ってからルースの世界から持ち帰った情報を父へと見せたんだが、それを受けて元の地位は保証されたんだが、今度は行動を制限されてな」
「は?制限?どうして?」
「お前がこちらに来る可能性があると言ったからだな。お前が来た際に俺がここにいないとあっさりどこかへ行ってしまうと思ったんだろう。引き留め作戦のために俺の行動は城の敷地内だけと決められたんだ」
「でもお前、さっき俺を迎えに来てくれただろう?」
「ああ。それはお前が来たから迎えに行くと言ったから護衛付きで許可が下りたんだ」
どうやら色々バドも苦労していたらしい。
俺を引き留める気満々なバドの父親に、その考えが透けて見える気がした。
流石人攫いの元締め。
ある意味わかりやすい。
「ということは、誰にも手紙を渡せてないってことか?」
「いや。最後の召喚でこちらにきた聖女は城に滞在しているから、そちらには渡しに行ったんだが…」
どうやら姉の友人であるリセル嬢には手紙を渡しに行ってくれたらしいが、まさかの『騙されるものですか!』の一言で追い返されたとのこと。
「彼女は週に三度教会で治癒活動をしてくれているが、それをしないと生活の保障はされないんだろうと、半ばやけくそのように仕事に従事していてな」
「なるほど」
思い切り『この人攫い!』と嫌悪感を滲ませている感じのようだ。
気持ちはわからなくもない。
「わかった。それなら俺が一緒に行けば問題解決だな。一応顔見知りだし、今からでも行こう」
「そうか。助かる」
そして早速とばかりに腰を上げたのだけど、扉を出る前に何故かバドに抱き寄せられて、キスしてもいいかと尋ねられた。
「……え?もしかしてやっぱりまだ治ってないとか?」
「いや。魔素摂取障害自体はこちらに戻ってから完治はしたし、特に魔法を使っても問題は起こってない」
それを聞きホッとはしたものの、じゃあどうしてと首を傾げてしまう。
「ルース。その…お前が嫌でなければ、俺はお前とまたキスだってしたいし、抱いて欲しいんだ」
「~~~~っ!」
「ダメか?」
つまり病気の件がなくても俺と寝たいと。
「…………ダメ、じゃない」
こんな可愛く言われたらダメなんて言えるはずがない。
勝手に頬が熱くなるし、ここでそんな風に言わないで欲しかった。
「そうか」
そして心底嬉しそうに笑うバドに謎のドキドキを感じながら、俺は気恥ずかしさを誤魔化すように『行くぞ!』とドアを開いたのだった。
***
バドが部屋を出るとすぐさま護衛達が周囲を囲んだ。
凄い監視の数だなとある種感嘆してしまう。
裏を返せばそんなに俺を逃がしたくないってことなんだろうけど、それにしても凄い。
もしかしてリセル嬢の周辺もこんな感じなんだろうかと思っていたら案の定だった。
バドがノックと共に名を名乗ると侍女らしき女性がドアを開けてくれたから部屋に入ったのだけど、そこには懐かしい顔はあったものの、監視されるように沢山の侍女達に囲まれてすっかりやさぐれたように険しい顔になったリセル嬢の姿があった。
その姿はとてもじゃないが姉の横で朗らかに笑っていた姿からは程遠い。
「何の用よ!」
「今日は客人を連れてきた?」
「客人?」
そう言って訝し気にした後、やっと俺へと目を向けた。
「リセル嬢。お久しぶりです」
「……っ!ルルナス王子?!」
驚きに目を見開き、次いでこちらへと慌てて走ってきたかと思うと、リセル嬢は俺を庇うようにバドとの間に身を割り込ませた。
「この人攫い!どうやってルルナス王子をここに連れてきたの?!」
激しくバドを睨みつけ威嚇しにかかるリセル嬢。
そんなリセル嬢の気持ちもわからなくはないけど、ここは落ち着かせる一択だろう。
「バド。人払いを」
そう口にするとバドは部屋の中にいた者達を全員外へと出してくれる。
そして静かになった部屋で俺はリセル嬢の手を引きソファへと座らせると、大きく息を吐いた。
「リセル嬢。バドは味方なので睨まないで上げてください」
未だにバドを睨みつけているリセル嬢にそう言って、さっきバドから預かったリセル嬢宛の手紙をひらりと胸元から取り出す。
「ここにリセル嬢に向けて書かれた手紙があります。姉からの分と家族からの分。どちらからでもいいので読んでください」
「……っ!」
俺がそう促すと困惑しつつも恐る恐るそれを手にし、ゆっくりと中身を読み始めた。
「…………うぅっ。ヴァーリア…」
そして涙を流しながら大泣きし始めたので、俺は落ち着くまで待ち、ある程度落ち着いたところで部屋に結界を張る。
「さてと。状況はわかってもらえたと思うので、そろそろいいですか?」
「ぐすっ。ええ。いいわ」
「そこに書かれてあるのは誰にでも読める内容になっているので、もし読まれてマズい内容があるなら管理には十分気を付けてください。それから、その手紙に魔力を込めてもらって構いませんか?」
「魔力を?」
リセル嬢は訝し気にそう言ったものの、すぐにその通りにしてくれる。
「…っ!これは……」
「ええ。帰還するための日時連絡です。その日のその時間、集まってくれた者達を一度に俺の魔法で向こうへ戻します」
「……本当にそんなことが?」
「そのために魔法を作りましたし、俺はここに来ました」
「……ルルナス王子っ!」
信じられないとまた泣き出すリセル嬢。
「私達を見捨てず、助けに来てくださるなんて…」
「当然です。でもそれが大っぴらになれば俺も牢に入れられてしまうかもしれませんし、最悪殺されてしまうでしょう」
「そうね」
俺の言葉にグッと唇を引き結び、リセル嬢がバドを睨みつける。
「この世界の者達は誰一人信じられないわ」
「そんなに睨まなくても大丈夫です。バドは俺に恩だってありますし」
「俺はルースが好きだから、絶対に殺させたりしない」
ここまで黙っていたバドが突然俺の話に割り込んできてそんなことを言い出したから凄く驚いた。
それは当然リセル嬢も同じだ。
「貴方…本気で言ってるのかしら?」
「ああ」
そして暫し二人で真剣に見つめ合っていたと思ったら、あっさりとリセル嬢が折れた。
「わかったわ。信じてあげる。それで…ルルナス王子。私はこの後どうすれば?」
協力は辞さないとばかりにそう言ってくれるリセル嬢に、他の召喚者達に会う機会はあるのかを尋ねると何人か居場所を知っているから会えると思うと言われたので、その者達の分の手紙は預かってもらうことにした。
「できるだけこれまで通り過ごし、くれぐれも周囲にバレないようにとだけお伝えください」
「もちろんよ」
無事に内密な話は終わった。
そろそろ部屋の外にいる者達もヤキモキしていることだろうし、結界の魔法を解除しないと。
「ではまた何かあればバドを通して連絡をください」
「わかったわ」
すっかり柔和な顔に戻ったリセル嬢に安堵しつつ、俺達はその部屋を後にしたのだった。
黙り込んでいたバドがやっと声を出し、俺を呼ぶ。
それにそっと顔を上げ、不安げにそちらを見遣ると何故か物凄く変な顔で『確認したいんだが』と言われた。
「今のは告白か?」
「……へ?」
どこかにそんな要素はあっただろうか?
そう思って首を傾げると、『ああ、うん。わかった』と返される。
「ただの俺の聞き間違いだな」
「多分?」
俺は好きとも何とも言った覚えはないし、単にテンパって早口で言った言葉のどこかを聞き間違えたに違いない。
「俺、お前が可愛いしか言ってないし」
「~~~~っ!」
なのに本当のことをいったのにも関わらず、そう口にした途端何故かバドが真っ赤になりながら撃沈した。
何が悪かったんだ?!
「バド?」
「…………いや。うん。わかった」
さっきと似たような言葉を口にして、何故かちょっと嬉しそうに頬を緩ませるバド。
なんで急にご機嫌になったのかさっぱりわからない。
「ルース。愛してる」
しかも何を思ったのか真っ直ぐに俺の目を見て柔らかく笑いながらそんなことを言ってくるから、心臓が口から飛び出るかと思った。
「なっ…なんで急にそんなこと言い出したんだ?!」
「ただ、お前が愛しくなって言いたくなっただけだ」
気にするなと言われたけど、余計に挙動不審になりそうだからやめてほしい。
これ以上はおかしな空気になってしまいそうだし、なんだかマズい気がする。
ここは話題を変えてしまうに限るだろう。
「そ、そんなことより、手紙の方は誰か渡せたか?」
「それが…」
バドもこれに関しては特に茶化すことなく居住まいを正し、真面目にこちらに戻ってからのことも交えて話してくれた。
「俺はこちらに戻ってからルースの世界から持ち帰った情報を父へと見せたんだが、それを受けて元の地位は保証されたんだが、今度は行動を制限されてな」
「は?制限?どうして?」
「お前がこちらに来る可能性があると言ったからだな。お前が来た際に俺がここにいないとあっさりどこかへ行ってしまうと思ったんだろう。引き留め作戦のために俺の行動は城の敷地内だけと決められたんだ」
「でもお前、さっき俺を迎えに来てくれただろう?」
「ああ。それはお前が来たから迎えに行くと言ったから護衛付きで許可が下りたんだ」
どうやら色々バドも苦労していたらしい。
俺を引き留める気満々なバドの父親に、その考えが透けて見える気がした。
流石人攫いの元締め。
ある意味わかりやすい。
「ということは、誰にも手紙を渡せてないってことか?」
「いや。最後の召喚でこちらにきた聖女は城に滞在しているから、そちらには渡しに行ったんだが…」
どうやら姉の友人であるリセル嬢には手紙を渡しに行ってくれたらしいが、まさかの『騙されるものですか!』の一言で追い返されたとのこと。
「彼女は週に三度教会で治癒活動をしてくれているが、それをしないと生活の保障はされないんだろうと、半ばやけくそのように仕事に従事していてな」
「なるほど」
思い切り『この人攫い!』と嫌悪感を滲ませている感じのようだ。
気持ちはわからなくもない。
「わかった。それなら俺が一緒に行けば問題解決だな。一応顔見知りだし、今からでも行こう」
「そうか。助かる」
そして早速とばかりに腰を上げたのだけど、扉を出る前に何故かバドに抱き寄せられて、キスしてもいいかと尋ねられた。
「……え?もしかしてやっぱりまだ治ってないとか?」
「いや。魔素摂取障害自体はこちらに戻ってから完治はしたし、特に魔法を使っても問題は起こってない」
それを聞きホッとはしたものの、じゃあどうしてと首を傾げてしまう。
「ルース。その…お前が嫌でなければ、俺はお前とまたキスだってしたいし、抱いて欲しいんだ」
「~~~~っ!」
「ダメか?」
つまり病気の件がなくても俺と寝たいと。
「…………ダメ、じゃない」
こんな可愛く言われたらダメなんて言えるはずがない。
勝手に頬が熱くなるし、ここでそんな風に言わないで欲しかった。
「そうか」
そして心底嬉しそうに笑うバドに謎のドキドキを感じながら、俺は気恥ずかしさを誤魔化すように『行くぞ!』とドアを開いたのだった。
***
バドが部屋を出るとすぐさま護衛達が周囲を囲んだ。
凄い監視の数だなとある種感嘆してしまう。
裏を返せばそんなに俺を逃がしたくないってことなんだろうけど、それにしても凄い。
もしかしてリセル嬢の周辺もこんな感じなんだろうかと思っていたら案の定だった。
バドがノックと共に名を名乗ると侍女らしき女性がドアを開けてくれたから部屋に入ったのだけど、そこには懐かしい顔はあったものの、監視されるように沢山の侍女達に囲まれてすっかりやさぐれたように険しい顔になったリセル嬢の姿があった。
その姿はとてもじゃないが姉の横で朗らかに笑っていた姿からは程遠い。
「何の用よ!」
「今日は客人を連れてきた?」
「客人?」
そう言って訝し気にした後、やっと俺へと目を向けた。
「リセル嬢。お久しぶりです」
「……っ!ルルナス王子?!」
驚きに目を見開き、次いでこちらへと慌てて走ってきたかと思うと、リセル嬢は俺を庇うようにバドとの間に身を割り込ませた。
「この人攫い!どうやってルルナス王子をここに連れてきたの?!」
激しくバドを睨みつけ威嚇しにかかるリセル嬢。
そんなリセル嬢の気持ちもわからなくはないけど、ここは落ち着かせる一択だろう。
「バド。人払いを」
そう口にするとバドは部屋の中にいた者達を全員外へと出してくれる。
そして静かになった部屋で俺はリセル嬢の手を引きソファへと座らせると、大きく息を吐いた。
「リセル嬢。バドは味方なので睨まないで上げてください」
未だにバドを睨みつけているリセル嬢にそう言って、さっきバドから預かったリセル嬢宛の手紙をひらりと胸元から取り出す。
「ここにリセル嬢に向けて書かれた手紙があります。姉からの分と家族からの分。どちらからでもいいので読んでください」
「……っ!」
俺がそう促すと困惑しつつも恐る恐るそれを手にし、ゆっくりと中身を読み始めた。
「…………うぅっ。ヴァーリア…」
そして涙を流しながら大泣きし始めたので、俺は落ち着くまで待ち、ある程度落ち着いたところで部屋に結界を張る。
「さてと。状況はわかってもらえたと思うので、そろそろいいですか?」
「ぐすっ。ええ。いいわ」
「そこに書かれてあるのは誰にでも読める内容になっているので、もし読まれてマズい内容があるなら管理には十分気を付けてください。それから、その手紙に魔力を込めてもらって構いませんか?」
「魔力を?」
リセル嬢は訝し気にそう言ったものの、すぐにその通りにしてくれる。
「…っ!これは……」
「ええ。帰還するための日時連絡です。その日のその時間、集まってくれた者達を一度に俺の魔法で向こうへ戻します」
「……本当にそんなことが?」
「そのために魔法を作りましたし、俺はここに来ました」
「……ルルナス王子っ!」
信じられないとまた泣き出すリセル嬢。
「私達を見捨てず、助けに来てくださるなんて…」
「当然です。でもそれが大っぴらになれば俺も牢に入れられてしまうかもしれませんし、最悪殺されてしまうでしょう」
「そうね」
俺の言葉にグッと唇を引き結び、リセル嬢がバドを睨みつける。
「この世界の者達は誰一人信じられないわ」
「そんなに睨まなくても大丈夫です。バドは俺に恩だってありますし」
「俺はルースが好きだから、絶対に殺させたりしない」
ここまで黙っていたバドが突然俺の話に割り込んできてそんなことを言い出したから凄く驚いた。
それは当然リセル嬢も同じだ。
「貴方…本気で言ってるのかしら?」
「ああ」
そして暫し二人で真剣に見つめ合っていたと思ったら、あっさりとリセル嬢が折れた。
「わかったわ。信じてあげる。それで…ルルナス王子。私はこの後どうすれば?」
協力は辞さないとばかりにそう言ってくれるリセル嬢に、他の召喚者達に会う機会はあるのかを尋ねると何人か居場所を知っているから会えると思うと言われたので、その者達の分の手紙は預かってもらうことにした。
「できるだけこれまで通り過ごし、くれぐれも周囲にバレないようにとだけお伝えください」
「もちろんよ」
無事に内密な話は終わった。
そろそろ部屋の外にいる者達もヤキモキしていることだろうし、結界の魔法を解除しないと。
「ではまた何かあればバドを通して連絡をください」
「わかったわ」
すっかり柔和な顔に戻ったリセル嬢に安堵しつつ、俺達はその部屋を後にしたのだった。
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