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第一部 アストラス編~王の落胤~
58.※甘く愛して
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この状態でクレイを抱くのはこれが初めてだった。
綺麗な綺麗なアメジスト・アイ……。
けれどその瞳は今、熱っぽく自分を求めて揺らめいている。
「はぁ…ロックウェル…」
そっと腕を回してくるクレイが愛しくてそのまままた口づけを交わす。
「んっ…んんっ…」
うっとりと自分を見つめてくるクレイがその濃厚な魔力を自分へと与えてくれて、更に溺れそうになった。
(これは確かに…わかる気がするな)
いつも以上に気持ちが良くてたまらない。
「んっ…はっ…」
久しぶりだからかやや緊張したクレイをゆっくりと蕩けさせる。
「あっあっ…!うぅ…ん…」
そのままクレイの雄を可愛がり一度イかせると、白濁を掬い取り後孔へとそのまま塗りこんだ。
そしてゆっくりとそこへ指を差し込むと気持ちよさそうに自分を見つめてくる。
「あっ…ロックウェル…気持ちいい…」
そのまま優しくほぐしていくと自分に縋るようにクレイは抱きついてきた。
「はぁっ…。早く一つになりたい…」
そうやって強請りながらまた口づけてくるからたまらない。
「お前は…!」
「ロックウェル…早くきて…」
そうやって潤む瞳で言われては断ることなど無理に決まっている。
久しぶりにもかかわらず本当にクレイは閨で甘えてくるのが上手い。
望むままにしてやりたい思いで心満たされすぐにでも愛してやりたい気持ちになるが、そう言えばお仕置きも兼ねていたのだったと考え直し、敢えてその言葉を口にした。
「…わかった。それならゆっくり挿れてやる」
その言葉と同時に膝裏を抱えて、焦らすように身を鎮めていく。
けれどそんな自分にクレイが身を震わせながら幸せそうに笑った。
「んあっ…はぁ…んん…」
全て入れ終えると身を寄せるようにギュッと背中へと腕を回し大きく息を吐いてくる。
「はっ…ロックウェル…」
ぴったりと肌を重ねあわせて暫し二人で幸せに浸る。
これまで何度も肌を合わせてきたが、互いにただ繋がっただけでここまで幸せに浸ったことなどなかった。
思わず見つめ合いながらクスリと笑いあう。
「ずっとこうしてロックウェルにまた抱いてほしかった…」
そうやってクレイが何度も口づけてくる姿がどこまでも愛しい。
「私も…お前の事ばかり考えていた」
ロイドにとられるのではと心配していたと素直に気持ちを吐露し、クレイへと口づけを返す。
「もう離さないから…浮気はしないでくれ」
「ん…はぁっ…。俺はお前以外に抱かれる気はないから…大丈夫だ」
そんな言葉にやっぱり後で再確認すべきだなと思いながらもそのまま優しくクレイを突きあげる。
すると久方ぶりに可愛い声を聞くことができた。
「あっあっあっ…!」
素直に溺れていくクレイをゆっくりゆっくりと揺らしていく。
今はクレイの魔力の方が高いから自分はそれでも十分気持ち良かった。
これならこのお仕置きも可能そうだとニッと笑う。
「あっ…ロックウェル…もっとして…」
「優しく虐めてやる…」
それから自分を求めてくるクレイを焦らして焦らして焦らしまくった。
緩々と腰を揺らし、微妙なところでいいところを外して突き上げる。
いいところを突く時は物足りなさを煽るようにゆっくりとしか突かない。
「あっ…どうして?!」
「今日は甘いお仕置きだと言っただろう?」
そうやって決して期待に応えてやらない自分にクレイが次第に焦れてくる。
「もっ…やだぁ…!激しくして!足りない…!ひどい…ロックウェル…!」
緩やかに追い詰め、ギリギリのところで絶対にイかせない事を幾度となく繰り返していると、クレイが段々涙目になって泣き始めた。
「お仕置きなんだからそのままずっと私を堪能してればいい」
「嫌っ!嫌だ!もっと気持ち良くなりたい…!ロックウェルが欲しい…!いっぱい奥まで犯して…!」
一生懸命腰を揺らしながら甘えるように必死に訴え、強請ってくるのが可愛いすぎてたまらなかった。
「まだダメだ」
「うっ…ロックウェル…なんでも言うこと聞くから…お願い…ッ」
「いっぱい私を感じたかったんだろう?」
「あぁっ…!はぁ…ッ!やぁ…ッ!もっといっぱい感じたい…っ。も、そんな風に虐めないで…!」
激しく蹂躙していいからとまで言ってくるクレイにたまらない気持ちばかりが募る。
「…お前は本当に困った奴だな」
本音を言えばこのまま望むままに犯し尽くしてやりたかったが、今日はまだそれをする気はなかった。
自分が欲しいと何度も泣きながら訴えてくるクレイにただただ満足し、そのまま騎乗位の体位へと変えてやる。
「ほら、これでどうだ?好きに自分で気持ち良くなるといい」
そう言って口づけを与えてやると、クレイがやっと泣きやんで、嬉しそうに腰を動かし始めた。
「はっ…はぁ…んんっ…!あっあっ…気持ちいい…ッ!」
クレイが自分だけを感じて乱れ狂うさまは壮観で、どこまでも自分の心を満たしていく。
「はぁ…ッ!ロックウェル…気持ちいいのに足りない…!もっともっと溺れたい…」
そう言いながら熱い眼差しで何度も何度も口づけ、行為に耽るクレイは淫らで綺麗だった。
気持ちよさそうにはしているがもっと突き上げてほしいと物欲しそうにしてくるのがまたそそられる。
「わかった。そろそろ許してやる。私以外では満足できなくなるほど溺れるといい」
それと同時に下からパンパンと激しく奥まで突き上げてやった。
「はッ…あっあっあっ!やっ!激しッ…!イクッ…!あッ…あぁあああぁん…ッ!!」
何度かいいところを激しく突き上げてやると嬌声を上げながらクレイが満足げに一気に飛ぶ。
ビクビクと体を震わせ絶頂へと達したクレイを支えて更に奥の奥まで蹂躙すると、絶対に離さないとばかりに後孔がきゅうきゅうと締め付けてきた。
「はぁ…ッ。本当に…お前の中は気持ち良すぎてたまらないな」
そしてそのまま促されるようにドクドクと中へと思い切り流し込んだ。
「お前が女ならこのまま孕むまで犯してやるのに…」
それができないのがひどく残念で仕方がなかった。
自分から離れていかないようにするには本当にどうすればいいのか────。
「取りあえず、お仕置きのバリエーションだけは豊富に揃えてやるから、お前が何かしたらその都度身体でわからせてやる」
こうしてロックウェルはそっと眠るクレイの身体を抱きしめながら、あと少しだけとその体を堪能し続けた。
***
「うぅ…ロックウェル…酷い」
またいつかのように寝台で枕に突っ伏しながら呻くクレイに、シャワーを浴び身支度を整えたロックウェルが笑顔で声を掛ける。
「お仕置きは酷くないとお仕置きにならないだろう?」
そう言いながらゆっくりと口移しで水を飲ませてやるとクレイはそっとその言葉を口にした。
「ん…はぁ…。今日も…回復魔法は使ってくれないのか?」
涙目で訴えるクレイにさてと、にこやかにその言葉を告げる。
「別に使ってやっても構わないが…条件がある」
「条件?」
クレイが訝しげに尋ねてくるが、ロックウェルは甘く言い含めるようにその言葉を紡いだ。
「私を妬かせるようなことをしないでほしい。ただそれだけだ」
嫉妬深いのはもうわかっているだろうと妖艶に笑う自分に、クレイはフイッと顔を背けながら頬を染める。
「……わかった」
その言葉に満足すると同時にふわりと回復魔法を使ってやると、クレイがホッと安堵したように息を吐いた。
「そう言えばさっきはどうして自分で回復魔法を使わなかったんだ?」
朝食を摂りつつ既に碧眼に戻してしまったクレイに、ふと前回の事を思い出し尋ねてみる。
確かにお仕置きで体は辛かっただろうが、今朝の封印を解いている状態なら自分で回復魔法を唱えられたのではないかと不思議に思ったからだ。
けれど何故かクレイは答えようとはしなかった。
そんなクレイに首を傾げていると、不意にヒュースの声が足元から響く。
【はぁ…。クレイ様はですね、ロックウェル様の魔力を感じるのが大好きなだけなんですよ】
「こらっ!ヒュース!」
【なんです?本当の事でしょうに…】
「うるさい!余計なことを言うな!」
必死に止めに入るその言葉になんだか面映ゆい気持ちになる。
これは甘えてくれたと思ってもいいのだろうか?
「クレイ…」
そっと傍に寄り、逃げられないように頬に手を添えるとクレイはバツが悪そうに視線を逸らした。
【クレイ様はロックウェル様と肌を重ねるのも、魔力を感じるのも、心地良くて仕方がないんですよね?】
ヒュースが追い打ちを掛けるようにそんな言葉を告げてくる。
「…クレイ。そんな風に思ってくれていたのか?」
「お、思ってない!ヒュースの勘違いだ!」
そうやって否定の言葉を口にはしているが、頰を染めているところを見るに信用性は低い。
「本当にお前は可愛いな」
そう言って軽く口付けると恥ずかしそうに俯いてしまった。
「……好きな物は好きなんだから仕方がない」
ポツリと溢されるそんな言葉がたまらなく嬉しくて思わず頬も緩んでしまう。
「クレイ…今夜はいっぱい可愛がってやる」
そう言いながら甘く口づけるとそのまま素直にギュッと抱きついてきた。
「ん…」
そんなクレイを万感の思いで抱きしめる。
正直やっとここまで来たという思いでいっぱいだ。
ここまで素直にするには本当に時間がかかった。
手が掛かる子ほど可愛いと言う言葉があるが、恋人でもそれは通ずるものがある気がする。
「クレイ。お前は今日はどうする?ここで私を待つか?」
抱きたくなった気持ちを一旦抑え、そうやって尋ねてみると、クレイは暫し考えて街に行くつもりだと答えた。
「ファルに会って仕事がないか聞いてこようと思ってる」
このままここに居てほしい気持ちはあるが、クレイにだって仕事がある。
そこは認めるべきだろう。
「そうか。それなら夜はお前の家に行った方がいいな」
夕食も一緒に食べようと誘うと、クレイは嬉しそうに笑った。
「ああ」
王宮にいるよりも断然そちらの方がいいと言うクレイに「クレイらしいな」と微笑みを返し、そのまま一緒に部屋を出る。
「そう言えばフェルネスは呪を解いてくれそうなのか?」
「それが…」
そうやって回廊を行きながら並んで歩いていると、部下の一人が小走りにやってきて声を掛けてきた。
「ロックウェル様!」
「どうした?」
「大変なのです!フェルネス元魔道士長が捕まったと聞き、一部の魔道士達が…!」
その言葉に慌ててそちらへと向かうと、そこにはフェルネスの息の掛かっていたであろう者達が騒いでいる姿があった。
「フェルネス様は騙されたんだ!」
「フェルネス様は悪くない!」
そんな言葉を口々に言う輩を他の魔道士達がふざけるなと取り押さえている。
「王族に呪を掛けて騙されたもなにもあるものか!」
「そうだ!元魔道士長と言う立場から言って、罪を承知で行ったことは明白!」
「庇うとお前達もただでは済まさんぞ!」
確かにその言い分は正しかった。
けれどこのままでは収拾がつかないだろうと、ロックウェルは声を張り上げる。
「お前達!何をしている」
ロックウェルが場を治める為に声を掛けると、一気に騒いでいた者達が動きを止めこちらへと視線を向けてきた。
「罪人の処罰は陛下の裁量によるものだ!みっともなく騒ぐな!」
「ですが…!」
「フェルネスがハインツ王子に呪を掛けたのは明白。それを大人しく解けば罪が軽くなることもあろう。ここで騒いでも何の意味もない。皆、持ち場に戻れ!」
その言葉に騒いでいた者達もグッと言葉を飲みこみ礼を執ると大人しく引き下がる。
それを見遣るとクスクスと笑いながら一人の女性がロックウェルへと近づき書類を差し出した。
「やはりロックウェル様のお言葉が一番ですわ」
「…リーネ」
「あら。褒め言葉ですわ。それよりもこちらは陛下がお探しだったクレイではないでしょうか?」
そう言いながら思わせぶりにクレイの方へと視線を向ける。
「いくらご友人でも、匿っていては陛下のお怒りに触れてしまいますわ」
「陛下には昨日既に謁見済みだ」
「まぁ…そうでしたか。シリィがまだ帰っていないのでてっきり…」
「話がそれだけならお前も下がれ」
「ふふっ…では失礼します」
そうやって楽しげに下がっていくリーネにロックウェルはため息を吐いた。
「はぁ…やはりシリィには早く帰ってきてもらいたいものだな」
「…随分やり難そうな相手だったな」
「ああ。いつもはシリィがいるからあまり寄ってこないが、どうも含むものがあるようでな」
それは好意でも悪意でもないのだが、リーネはどこかまとわりつくように気持ちの悪いものを感じさせるから苦手だった。
「魔道士長もなかなか大変そうだな」
「…全くだ。お前が癒してくれるならいくらでも頑張れそうだが」
そうやってクレイの方へと甘い視線を向けると照れ隠しに「甘えるな!」と逃げられてしまう。
「…今晩いつもの店で待ってるから」
「ああ。わかった」
それだけを言うとクレイはそのまま身を翻して行ってしまう。
朝の甘い雰囲気などもうなかったかのように、なんともあっさりしたものだ。
そんなつれない恋人の後ろ姿にため息を吐きながらも、ロックウェルはそっと仕事へと戻った。
***
「…ヒュース」
ロックウェルから離れたところでクレイはそっと自分の眷属の名を呼んだ。
【…はい】
「先程の女は王宮魔道士とは言え、黒魔道士だな」
【そうですね~。随分腹に一物抱えた怪しい人物で…。見張っておきますか?】
「いや。いい。ただお前はロックウェルに暫くついておけ。何かあったら独断で動くことを許す」
【宜しいのですか?】
「構わない。お前は子飼いも多いしな」
【……ではそのように】
「頼んだ」
その言葉と同時にヒュースがそっとロックウェルの元へと移動する。
「はぁ…やはりここは好きになれないな」
魔窟としか思えないこの王宮に好き好んで自分からいたいと思うなど正気の沙汰ではない。
「でもまあ…好きだから仕方がない…か」
陰ながらで構わない。
ロックウェルをこっそり守っておこうと思いながらクレイはそっと王宮を後にしたのだった。
綺麗な綺麗なアメジスト・アイ……。
けれどその瞳は今、熱っぽく自分を求めて揺らめいている。
「はぁ…ロックウェル…」
そっと腕を回してくるクレイが愛しくてそのまままた口づけを交わす。
「んっ…んんっ…」
うっとりと自分を見つめてくるクレイがその濃厚な魔力を自分へと与えてくれて、更に溺れそうになった。
(これは確かに…わかる気がするな)
いつも以上に気持ちが良くてたまらない。
「んっ…はっ…」
久しぶりだからかやや緊張したクレイをゆっくりと蕩けさせる。
「あっあっ…!うぅ…ん…」
そのままクレイの雄を可愛がり一度イかせると、白濁を掬い取り後孔へとそのまま塗りこんだ。
そしてゆっくりとそこへ指を差し込むと気持ちよさそうに自分を見つめてくる。
「あっ…ロックウェル…気持ちいい…」
そのまま優しくほぐしていくと自分に縋るようにクレイは抱きついてきた。
「はぁっ…。早く一つになりたい…」
そうやって強請りながらまた口づけてくるからたまらない。
「お前は…!」
「ロックウェル…早くきて…」
そうやって潤む瞳で言われては断ることなど無理に決まっている。
久しぶりにもかかわらず本当にクレイは閨で甘えてくるのが上手い。
望むままにしてやりたい思いで心満たされすぐにでも愛してやりたい気持ちになるが、そう言えばお仕置きも兼ねていたのだったと考え直し、敢えてその言葉を口にした。
「…わかった。それならゆっくり挿れてやる」
その言葉と同時に膝裏を抱えて、焦らすように身を鎮めていく。
けれどそんな自分にクレイが身を震わせながら幸せそうに笑った。
「んあっ…はぁ…んん…」
全て入れ終えると身を寄せるようにギュッと背中へと腕を回し大きく息を吐いてくる。
「はっ…ロックウェル…」
ぴったりと肌を重ねあわせて暫し二人で幸せに浸る。
これまで何度も肌を合わせてきたが、互いにただ繋がっただけでここまで幸せに浸ったことなどなかった。
思わず見つめ合いながらクスリと笑いあう。
「ずっとこうしてロックウェルにまた抱いてほしかった…」
そうやってクレイが何度も口づけてくる姿がどこまでも愛しい。
「私も…お前の事ばかり考えていた」
ロイドにとられるのではと心配していたと素直に気持ちを吐露し、クレイへと口づけを返す。
「もう離さないから…浮気はしないでくれ」
「ん…はぁっ…。俺はお前以外に抱かれる気はないから…大丈夫だ」
そんな言葉にやっぱり後で再確認すべきだなと思いながらもそのまま優しくクレイを突きあげる。
すると久方ぶりに可愛い声を聞くことができた。
「あっあっあっ…!」
素直に溺れていくクレイをゆっくりゆっくりと揺らしていく。
今はクレイの魔力の方が高いから自分はそれでも十分気持ち良かった。
これならこのお仕置きも可能そうだとニッと笑う。
「あっ…ロックウェル…もっとして…」
「優しく虐めてやる…」
それから自分を求めてくるクレイを焦らして焦らして焦らしまくった。
緩々と腰を揺らし、微妙なところでいいところを外して突き上げる。
いいところを突く時は物足りなさを煽るようにゆっくりとしか突かない。
「あっ…どうして?!」
「今日は甘いお仕置きだと言っただろう?」
そうやって決して期待に応えてやらない自分にクレイが次第に焦れてくる。
「もっ…やだぁ…!激しくして!足りない…!ひどい…ロックウェル…!」
緩やかに追い詰め、ギリギリのところで絶対にイかせない事を幾度となく繰り返していると、クレイが段々涙目になって泣き始めた。
「お仕置きなんだからそのままずっと私を堪能してればいい」
「嫌っ!嫌だ!もっと気持ち良くなりたい…!ロックウェルが欲しい…!いっぱい奥まで犯して…!」
一生懸命腰を揺らしながら甘えるように必死に訴え、強請ってくるのが可愛いすぎてたまらなかった。
「まだダメだ」
「うっ…ロックウェル…なんでも言うこと聞くから…お願い…ッ」
「いっぱい私を感じたかったんだろう?」
「あぁっ…!はぁ…ッ!やぁ…ッ!もっといっぱい感じたい…っ。も、そんな風に虐めないで…!」
激しく蹂躙していいからとまで言ってくるクレイにたまらない気持ちばかりが募る。
「…お前は本当に困った奴だな」
本音を言えばこのまま望むままに犯し尽くしてやりたかったが、今日はまだそれをする気はなかった。
自分が欲しいと何度も泣きながら訴えてくるクレイにただただ満足し、そのまま騎乗位の体位へと変えてやる。
「ほら、これでどうだ?好きに自分で気持ち良くなるといい」
そう言って口づけを与えてやると、クレイがやっと泣きやんで、嬉しそうに腰を動かし始めた。
「はっ…はぁ…んんっ…!あっあっ…気持ちいい…ッ!」
クレイが自分だけを感じて乱れ狂うさまは壮観で、どこまでも自分の心を満たしていく。
「はぁ…ッ!ロックウェル…気持ちいいのに足りない…!もっともっと溺れたい…」
そう言いながら熱い眼差しで何度も何度も口づけ、行為に耽るクレイは淫らで綺麗だった。
気持ちよさそうにはしているがもっと突き上げてほしいと物欲しそうにしてくるのがまたそそられる。
「わかった。そろそろ許してやる。私以外では満足できなくなるほど溺れるといい」
それと同時に下からパンパンと激しく奥まで突き上げてやった。
「はッ…あっあっあっ!やっ!激しッ…!イクッ…!あッ…あぁあああぁん…ッ!!」
何度かいいところを激しく突き上げてやると嬌声を上げながらクレイが満足げに一気に飛ぶ。
ビクビクと体を震わせ絶頂へと達したクレイを支えて更に奥の奥まで蹂躙すると、絶対に離さないとばかりに後孔がきゅうきゅうと締め付けてきた。
「はぁ…ッ。本当に…お前の中は気持ち良すぎてたまらないな」
そしてそのまま促されるようにドクドクと中へと思い切り流し込んだ。
「お前が女ならこのまま孕むまで犯してやるのに…」
それができないのがひどく残念で仕方がなかった。
自分から離れていかないようにするには本当にどうすればいいのか────。
「取りあえず、お仕置きのバリエーションだけは豊富に揃えてやるから、お前が何かしたらその都度身体でわからせてやる」
こうしてロックウェルはそっと眠るクレイの身体を抱きしめながら、あと少しだけとその体を堪能し続けた。
***
「うぅ…ロックウェル…酷い」
またいつかのように寝台で枕に突っ伏しながら呻くクレイに、シャワーを浴び身支度を整えたロックウェルが笑顔で声を掛ける。
「お仕置きは酷くないとお仕置きにならないだろう?」
そう言いながらゆっくりと口移しで水を飲ませてやるとクレイはそっとその言葉を口にした。
「ん…はぁ…。今日も…回復魔法は使ってくれないのか?」
涙目で訴えるクレイにさてと、にこやかにその言葉を告げる。
「別に使ってやっても構わないが…条件がある」
「条件?」
クレイが訝しげに尋ねてくるが、ロックウェルは甘く言い含めるようにその言葉を紡いだ。
「私を妬かせるようなことをしないでほしい。ただそれだけだ」
嫉妬深いのはもうわかっているだろうと妖艶に笑う自分に、クレイはフイッと顔を背けながら頬を染める。
「……わかった」
その言葉に満足すると同時にふわりと回復魔法を使ってやると、クレイがホッと安堵したように息を吐いた。
「そう言えばさっきはどうして自分で回復魔法を使わなかったんだ?」
朝食を摂りつつ既に碧眼に戻してしまったクレイに、ふと前回の事を思い出し尋ねてみる。
確かにお仕置きで体は辛かっただろうが、今朝の封印を解いている状態なら自分で回復魔法を唱えられたのではないかと不思議に思ったからだ。
けれど何故かクレイは答えようとはしなかった。
そんなクレイに首を傾げていると、不意にヒュースの声が足元から響く。
【はぁ…。クレイ様はですね、ロックウェル様の魔力を感じるのが大好きなだけなんですよ】
「こらっ!ヒュース!」
【なんです?本当の事でしょうに…】
「うるさい!余計なことを言うな!」
必死に止めに入るその言葉になんだか面映ゆい気持ちになる。
これは甘えてくれたと思ってもいいのだろうか?
「クレイ…」
そっと傍に寄り、逃げられないように頬に手を添えるとクレイはバツが悪そうに視線を逸らした。
【クレイ様はロックウェル様と肌を重ねるのも、魔力を感じるのも、心地良くて仕方がないんですよね?】
ヒュースが追い打ちを掛けるようにそんな言葉を告げてくる。
「…クレイ。そんな風に思ってくれていたのか?」
「お、思ってない!ヒュースの勘違いだ!」
そうやって否定の言葉を口にはしているが、頰を染めているところを見るに信用性は低い。
「本当にお前は可愛いな」
そう言って軽く口付けると恥ずかしそうに俯いてしまった。
「……好きな物は好きなんだから仕方がない」
ポツリと溢されるそんな言葉がたまらなく嬉しくて思わず頬も緩んでしまう。
「クレイ…今夜はいっぱい可愛がってやる」
そう言いながら甘く口づけるとそのまま素直にギュッと抱きついてきた。
「ん…」
そんなクレイを万感の思いで抱きしめる。
正直やっとここまで来たという思いでいっぱいだ。
ここまで素直にするには本当に時間がかかった。
手が掛かる子ほど可愛いと言う言葉があるが、恋人でもそれは通ずるものがある気がする。
「クレイ。お前は今日はどうする?ここで私を待つか?」
抱きたくなった気持ちを一旦抑え、そうやって尋ねてみると、クレイは暫し考えて街に行くつもりだと答えた。
「ファルに会って仕事がないか聞いてこようと思ってる」
このままここに居てほしい気持ちはあるが、クレイにだって仕事がある。
そこは認めるべきだろう。
「そうか。それなら夜はお前の家に行った方がいいな」
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「ああ」
王宮にいるよりも断然そちらの方がいいと言うクレイに「クレイらしいな」と微笑みを返し、そのまま一緒に部屋を出る。
「そう言えばフェルネスは呪を解いてくれそうなのか?」
「それが…」
そうやって回廊を行きながら並んで歩いていると、部下の一人が小走りにやってきて声を掛けてきた。
「ロックウェル様!」
「どうした?」
「大変なのです!フェルネス元魔道士長が捕まったと聞き、一部の魔道士達が…!」
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「フェルネス様は騙されたんだ!」
「フェルネス様は悪くない!」
そんな言葉を口々に言う輩を他の魔道士達がふざけるなと取り押さえている。
「王族に呪を掛けて騙されたもなにもあるものか!」
「そうだ!元魔道士長と言う立場から言って、罪を承知で行ったことは明白!」
「庇うとお前達もただでは済まさんぞ!」
確かにその言い分は正しかった。
けれどこのままでは収拾がつかないだろうと、ロックウェルは声を張り上げる。
「お前達!何をしている」
ロックウェルが場を治める為に声を掛けると、一気に騒いでいた者達が動きを止めこちらへと視線を向けてきた。
「罪人の処罰は陛下の裁量によるものだ!みっともなく騒ぐな!」
「ですが…!」
「フェルネスがハインツ王子に呪を掛けたのは明白。それを大人しく解けば罪が軽くなることもあろう。ここで騒いでも何の意味もない。皆、持ち場に戻れ!」
その言葉に騒いでいた者達もグッと言葉を飲みこみ礼を執ると大人しく引き下がる。
それを見遣るとクスクスと笑いながら一人の女性がロックウェルへと近づき書類を差し出した。
「やはりロックウェル様のお言葉が一番ですわ」
「…リーネ」
「あら。褒め言葉ですわ。それよりもこちらは陛下がお探しだったクレイではないでしょうか?」
そう言いながら思わせぶりにクレイの方へと視線を向ける。
「いくらご友人でも、匿っていては陛下のお怒りに触れてしまいますわ」
「陛下には昨日既に謁見済みだ」
「まぁ…そうでしたか。シリィがまだ帰っていないのでてっきり…」
「話がそれだけならお前も下がれ」
「ふふっ…では失礼します」
そうやって楽しげに下がっていくリーネにロックウェルはため息を吐いた。
「はぁ…やはりシリィには早く帰ってきてもらいたいものだな」
「…随分やり難そうな相手だったな」
「ああ。いつもはシリィがいるからあまり寄ってこないが、どうも含むものがあるようでな」
それは好意でも悪意でもないのだが、リーネはどこかまとわりつくように気持ちの悪いものを感じさせるから苦手だった。
「魔道士長もなかなか大変そうだな」
「…全くだ。お前が癒してくれるならいくらでも頑張れそうだが」
そうやってクレイの方へと甘い視線を向けると照れ隠しに「甘えるな!」と逃げられてしまう。
「…今晩いつもの店で待ってるから」
「ああ。わかった」
それだけを言うとクレイはそのまま身を翻して行ってしまう。
朝の甘い雰囲気などもうなかったかのように、なんともあっさりしたものだ。
そんなつれない恋人の後ろ姿にため息を吐きながらも、ロックウェルはそっと仕事へと戻った。
***
「…ヒュース」
ロックウェルから離れたところでクレイはそっと自分の眷属の名を呼んだ。
【…はい】
「先程の女は王宮魔道士とは言え、黒魔道士だな」
【そうですね~。随分腹に一物抱えた怪しい人物で…。見張っておきますか?】
「いや。いい。ただお前はロックウェルに暫くついておけ。何かあったら独断で動くことを許す」
【宜しいのですか?】
「構わない。お前は子飼いも多いしな」
【……ではそのように】
「頼んだ」
その言葉と同時にヒュースがそっとロックウェルの元へと移動する。
「はぁ…やはりここは好きになれないな」
魔窟としか思えないこの王宮に好き好んで自分からいたいと思うなど正気の沙汰ではない。
「でもまあ…好きだから仕方がない…か」
陰ながらで構わない。
ロックウェルをこっそり守っておこうと思いながらクレイはそっと王宮を後にしたのだった。
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休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
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