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29 通信と収納と運搬
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――リリリ……リリリ……。
少し耳障りなベルの音が、バーカウンターのほうから聞こえてきた。
「おっと、たぶんガエタノかフィルだね」
ライザはそう言うと、残ったワインを一気に飲み干し、グラスをテーブルに置いた。
そして次の瞬間、どこから取り出したのか彼女手には1枚の紙があった。
「フィルからだね。ねぇクロード、肉か魚だとどっちがいい?」
「肉……っていうかその前に、その紙どこから出てきた?」
「ん?」
蔵人の問いかけに軽く首を傾げたあと、ライザはフッと笑みを漏らす。
「クロードにはこういうこともちょっとずつ教えていかないといけないね。これは通信箱で送られてきた手紙なんだ」
「通信箱というのは、魔道具か?」
「そうだね。通信箱自体は魔道具だけど、こうやって手紙を取り出したりするのに魔術を併用するんだ」
手に持った紙をひらひらさせながら、ライザは答えた。
「通信箱には元になる【収納】っていう魔術があってね」
「そりゃもしかして異空間に物を収納するスキル的なあれか?」
蔵人が思い浮かべたのは、『アイテムボックス』や『インベントリ』と呼ばれる、異世界もののファンタジー作品によくでる能力だった。
イメージしやすいのはロールプレイングゲームのアイテム欄だろうか。
主人公たちは手ぶらに見えるのに、アイテム欄には膨大な数のアイテムが収納され、それをいつでも気軽に使える、そんなゲームでは当たり前の仕様を物語に反映させた能力である。
「異空間? スキル? よくわかんないけど、【収納】ってのは契約した収納庫に、物質転移を利用して物を出し入れする魔術だよ」
「収納庫?」
この世界では、物質を転移させる魔術は開発されているが、それを異空間に収めるという技術はない。
そこで収納庫という、その名の通り物を収納できる倉庫を借り、その収納庫へ魔術で物を出し入れできるようにしたのが【収納】だった。
物質を転移させるというのはかなり高度な魔術だが、収納庫側にそれを補助する魔術効果を施しているため、収納庫と契約できる金さえあれば、大抵の人は利用可能だ。
ただ、転移する物質の体積や質量、収納庫との距離によって消費魔力が増減するため、【収納】を使って物を運べる量や距離には個人差が出る。
また、言うまでもないことだが、【収納】先にどれだけ物を収められるかは契約した収納庫の大きさに依存するので、そこは魔力量ではなく経済力がものをいう世界だ。
収納庫の中には、冷凍や冷蔵、あるいは保温効果のあるものから、時間経過をある程度制御できるものもあるようだが、そういったオプションにはもちろん追加料金がかかる。
「それって物に対する振動や衝撃はどうなるんだ?」
「そりゃ術者の腕と収納庫の性能次第だね。ウチは酒瓶なんかの割れ物を扱うから、ちょっとお高めの業者と契約してるよ」
「そうか。そこの問題をクリアできるなら、ピアノを運ぶのに便利そうだな」
グランドピアノを運ぶ、というのはなかなか大変な作業である。
ピアノの脚には一応キャスターはついているが、あれは移動用ではなくちょっとした位置調整のためにある物だ。
もしあのキャスターでピアノを運ぼうとすると、小さな金属のコマでは数ミリの段差を越えることもできないし、衝撃吸収機構がまったくないので、ちょっとした床の歪みやゴミを踏むだけで本体に振動や衝撃が伝わってしまう。
それによって調律が大きく狂うばかりか、繊細なピアノの機構に少なからぬ不具合をもたらし、さらに移動を前提としていない脚にかかる負荷も大きく、場合によっては本体を支えきれずに歪むか、最悪の場合折れてしまうことが考えられる。
ちょっとした距離を運ぶのであれば、本体の底の部分である棚板を支えて持ち上げて運ぶ、専用のキャスターを使うのだが、それにしたところであの巨大なグランドピアノを運ぶのだから、広い動線が必要となる。
幅の広い通路に大きな出入り口、場合によっては広いエレベーターなども必要だろうが、そういったもの完備している施設は少ない。
なので多くの場合、グランドピアノは脚を外し、本体を立てて運ばれる。
脚を外し、本体を梱包し、台車に載せるか人の手で担ぎ上げて運び、目的の場所にたどり着いたら梱包を外して脚を取り付ける。
本体を90度起こされたピアノはもちろん大きく調律が狂っているし、他にも細かな変化がたくさん出るので、そこから調整や調律が行なわれる。
もし物質転移が可能であれば、こういった大がかりな作業のほとんどを省略できるだろう。
ピアノを保管できる場所と置けるだけのスペースを確保し、そこにポンと取り出すだけでいいのだから、こんなに便利なことはない。
「ふふ、クロードはなんでもピアノなんだね」
「……まぁ仕事柄な。あーだから酒屋はいつも手ぶらだったのか」
ライザに指摘された蔵人は、少し照れながら、話題を強引に変えた。
「そういうこと。あたしが早く起きれたときは酒屋に行きゃいいんだけど、寝坊したときは来てもらったほうが早いからね」
一番簡単な方法は、酒屋の収納庫から直接ライザの収納庫に酒を移してもらう方法だ。
そうすればライザは店にいながら、仕入れた酒を取り出すことができる。
折を見て全部取りだし、裏の倉庫に置いておけば、フィルやバイトでも取り扱えるようになる。
「ただ、収納庫同士で物を移動させるには、ちょっと時間がかかるんだよね」
収納庫間での物の移動は、どうしても業者の手を借りなくてはいけないので、楽ではあるが余分な時間とコストがかかる。
「だからあたしは、普段酒屋に出向いてるのさ」
彼女の言うとおり、通常はライザが酒屋に出向き、そこで仕入れた酒類を自分の収納庫へ【収納】したあと、店に戻って裏の倉庫へ取り出すのだ。
しかし寝坊して酒屋へ行く時間がない場合には、酒屋に直接来てもらって、裏の倉庫に直接納品してもらうことになる。
寝坊している時点で収納庫同士での物の移動は間に合わないので、酒屋の主人に手間賃を払って運んでもらうわけだ。
つまり、酒屋の主人がたまにしか来ないのも、いつも手ぶらなのもそういう理由からだった。
「じゃあその通信箱ってのは、【収納】の転移機能を手紙に特化したもの?」
「そういうこと。つまり通信箱ってのは小さな収納庫ってわけ」
収納庫同士で物を移動させるには時間がかかるといったが、手紙のように体積と質量を抑えた物に限定し、それを専門に扱う通信業者があいだに入ることで、通信箱同士での手紙のやりとりはほぼリアルタイムで行なわれる。
「通信箱は【収納】と同じ原理だから、離れた場所にいてもこうやて手紙を取り出せたわけ。えっと、肉がいい……と」
通信箱のやりとりには通信紙という専用の用紙が使われる。
ライザが届いた通信紙に返事を書くと、間もなくそれは彼女の手から消えた。
「通信箱に入った通信紙は自動的に業者へ送られるんだ。で、通信紙には宛先となる通信箱の情報が入ってるから、たぶんいまごろはフィルの所に届いてるかな」
「なるほど……メールに近いのかな」
自分の手元で手紙のやりとりができるという通信箱の原理は、携帯電話やスマートフォンを使った電子メールやSMSに近いサービスだろうという感想を、蔵人は抱いた。
そしてほどなく、リリリ……とベルが鳴り、ライザの手に通信紙が現われた。
「ヴォルフガングのステーキハウスね」
「おお、ステーキか……いいね」
「ふふ、問題ないみたいね。じゃあ……了解、と」
通信紙を再び通信箱へ送ったあと、ライザは空になったグラスとボトルを持って一度バーカウンターへ行き、ほどなくそれらを置いて戻ってきた。
「じゃ、行こうか」
「おう」
すでに立ち上がっていた蔵人は、ライザに促されて歩き始める。
またひとつ常識を知った蔵人だったが、彼の頭の中はまだ見ぬこちらのステーキに支配されるのだった。
――――――――――
なろうで連載しております『アラフォーおっさん異世界へ!! でも時々実家に帰ります』も外部登録しておりますので、本作と合わせてお読みいただけると幸いです。
少し耳障りなベルの音が、バーカウンターのほうから聞こえてきた。
「おっと、たぶんガエタノかフィルだね」
ライザはそう言うと、残ったワインを一気に飲み干し、グラスをテーブルに置いた。
そして次の瞬間、どこから取り出したのか彼女手には1枚の紙があった。
「フィルからだね。ねぇクロード、肉か魚だとどっちがいい?」
「肉……っていうかその前に、その紙どこから出てきた?」
「ん?」
蔵人の問いかけに軽く首を傾げたあと、ライザはフッと笑みを漏らす。
「クロードにはこういうこともちょっとずつ教えていかないといけないね。これは通信箱で送られてきた手紙なんだ」
「通信箱というのは、魔道具か?」
「そうだね。通信箱自体は魔道具だけど、こうやって手紙を取り出したりするのに魔術を併用するんだ」
手に持った紙をひらひらさせながら、ライザは答えた。
「通信箱には元になる【収納】っていう魔術があってね」
「そりゃもしかして異空間に物を収納するスキル的なあれか?」
蔵人が思い浮かべたのは、『アイテムボックス』や『インベントリ』と呼ばれる、異世界もののファンタジー作品によくでる能力だった。
イメージしやすいのはロールプレイングゲームのアイテム欄だろうか。
主人公たちは手ぶらに見えるのに、アイテム欄には膨大な数のアイテムが収納され、それをいつでも気軽に使える、そんなゲームでは当たり前の仕様を物語に反映させた能力である。
「異空間? スキル? よくわかんないけど、【収納】ってのは契約した収納庫に、物質転移を利用して物を出し入れする魔術だよ」
「収納庫?」
この世界では、物質を転移させる魔術は開発されているが、それを異空間に収めるという技術はない。
そこで収納庫という、その名の通り物を収納できる倉庫を借り、その収納庫へ魔術で物を出し入れできるようにしたのが【収納】だった。
物質を転移させるというのはかなり高度な魔術だが、収納庫側にそれを補助する魔術効果を施しているため、収納庫と契約できる金さえあれば、大抵の人は利用可能だ。
ただ、転移する物質の体積や質量、収納庫との距離によって消費魔力が増減するため、【収納】を使って物を運べる量や距離には個人差が出る。
また、言うまでもないことだが、【収納】先にどれだけ物を収められるかは契約した収納庫の大きさに依存するので、そこは魔力量ではなく経済力がものをいう世界だ。
収納庫の中には、冷凍や冷蔵、あるいは保温効果のあるものから、時間経過をある程度制御できるものもあるようだが、そういったオプションにはもちろん追加料金がかかる。
「それって物に対する振動や衝撃はどうなるんだ?」
「そりゃ術者の腕と収納庫の性能次第だね。ウチは酒瓶なんかの割れ物を扱うから、ちょっとお高めの業者と契約してるよ」
「そうか。そこの問題をクリアできるなら、ピアノを運ぶのに便利そうだな」
グランドピアノを運ぶ、というのはなかなか大変な作業である。
ピアノの脚には一応キャスターはついているが、あれは移動用ではなくちょっとした位置調整のためにある物だ。
もしあのキャスターでピアノを運ぼうとすると、小さな金属のコマでは数ミリの段差を越えることもできないし、衝撃吸収機構がまったくないので、ちょっとした床の歪みやゴミを踏むだけで本体に振動や衝撃が伝わってしまう。
それによって調律が大きく狂うばかりか、繊細なピアノの機構に少なからぬ不具合をもたらし、さらに移動を前提としていない脚にかかる負荷も大きく、場合によっては本体を支えきれずに歪むか、最悪の場合折れてしまうことが考えられる。
ちょっとした距離を運ぶのであれば、本体の底の部分である棚板を支えて持ち上げて運ぶ、専用のキャスターを使うのだが、それにしたところであの巨大なグランドピアノを運ぶのだから、広い動線が必要となる。
幅の広い通路に大きな出入り口、場合によっては広いエレベーターなども必要だろうが、そういったもの完備している施設は少ない。
なので多くの場合、グランドピアノは脚を外し、本体を立てて運ばれる。
脚を外し、本体を梱包し、台車に載せるか人の手で担ぎ上げて運び、目的の場所にたどり着いたら梱包を外して脚を取り付ける。
本体を90度起こされたピアノはもちろん大きく調律が狂っているし、他にも細かな変化がたくさん出るので、そこから調整や調律が行なわれる。
もし物質転移が可能であれば、こういった大がかりな作業のほとんどを省略できるだろう。
ピアノを保管できる場所と置けるだけのスペースを確保し、そこにポンと取り出すだけでいいのだから、こんなに便利なことはない。
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「……まぁ仕事柄な。あーだから酒屋はいつも手ぶらだったのか」
ライザに指摘された蔵人は、少し照れながら、話題を強引に変えた。
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収納庫間での物の移動は、どうしても業者の手を借りなくてはいけないので、楽ではあるが余分な時間とコストがかかる。
「だからあたしは、普段酒屋に出向いてるのさ」
彼女の言うとおり、通常はライザが酒屋に出向き、そこで仕入れた酒類を自分の収納庫へ【収納】したあと、店に戻って裏の倉庫へ取り出すのだ。
しかし寝坊して酒屋へ行く時間がない場合には、酒屋に直接来てもらって、裏の倉庫に直接納品してもらうことになる。
寝坊している時点で収納庫同士での物の移動は間に合わないので、酒屋の主人に手間賃を払って運んでもらうわけだ。
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「じゃあその通信箱ってのは、【収納】の転移機能を手紙に特化したもの?」
「そういうこと。つまり通信箱ってのは小さな収納庫ってわけ」
収納庫同士で物を移動させるには時間がかかるといったが、手紙のように体積と質量を抑えた物に限定し、それを専門に扱う通信業者があいだに入ることで、通信箱同士での手紙のやりとりはほぼリアルタイムで行なわれる。
「通信箱は【収納】と同じ原理だから、離れた場所にいてもこうやて手紙を取り出せたわけ。えっと、肉がいい……と」
通信箱のやりとりには通信紙という専用の用紙が使われる。
ライザが届いた通信紙に返事を書くと、間もなくそれは彼女の手から消えた。
「通信箱に入った通信紙は自動的に業者へ送られるんだ。で、通信紙には宛先となる通信箱の情報が入ってるから、たぶんいまごろはフィルの所に届いてるかな」
「なるほど……メールに近いのかな」
自分の手元で手紙のやりとりができるという通信箱の原理は、携帯電話やスマートフォンを使った電子メールやSMSに近いサービスだろうという感想を、蔵人は抱いた。
そしてほどなく、リリリ……とベルが鳴り、ライザの手に通信紙が現われた。
「ヴォルフガングのステーキハウスね」
「おお、ステーキか……いいね」
「ふふ、問題ないみたいね。じゃあ……了解、と」
通信紙を再び通信箱へ送ったあと、ライザは空になったグラスとボトルを持って一度バーカウンターへ行き、ほどなくそれらを置いて戻ってきた。
「じゃ、行こうか」
「おう」
すでに立ち上がっていた蔵人は、ライザに促されて歩き始める。
またひとつ常識を知った蔵人だったが、彼の頭の中はまだ見ぬこちらのステーキに支配されるのだった。
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