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第二章 船上の証明
第三十六話 本番と――さようなら。
しおりを挟む濡れそぼった秘所にアルの視線が集中している。
視線というのは刺激を伴う物だったのだろうかと疑問に思ってしまうほどに、夜の冷たさも相まって『感じて』しまう。
不思議な物で、私はアルの事を本気には鳴るまいと思っていたのに、今では本気で好きになれている事が嬉しく思う。
アルは私に、馬鹿だと言ってくれた。アルが私の事を好きで居続ける事を疑うなと怒ってくれた。
弟とアルは、別の人だ。
だから私はアルを『本当に』好きになれた。
「あ…う…」
アルのおちんちんが少しだけ跳ねて、私のおまんこに触れた。ちょうど、亀頭部分が入口にあてがわれる形でそれ以上は進んでいない。
何度も口を開けるみたいに鈴口がひくつき、私のおまんこの中に入りたいとおちんちんが訴える。別に直接おちんちんから声が出ている訳じゃない。
「アル…先に言っておくわ」
『本当』に好きになったから、私は貴方を支えたい。
だけど、ギルバートが傍にいれば私は安心、だから私は―――。
「ごめんなさい」
――――貴方の中にある私への恋心を、消す。
膣内へ招待したアルのおちんちんが、快楽以前の段階で大きく跳ねた。
それはただ私の膣内へ入れたという嬉しさからの物だと分かり、目尻涙が浮かんだ。
腰を落としこみながら、アルの元気なおちんちんを感じる。大きくは無いけれど固く反り返っていて、意外と良い所に刺激が来る。
歯を食いしばりながら快楽に耐えているアルを見ると、自分だけが先に気持ち良くなってしまうのを拒んでいる様に見えた。
「っ…んんんっ…」
本当に、何処までも優しい子…。
水音が私の興奮をアルに伝える。アルの興奮がおちんちんに現れて私の内を刺激する。それによって再び私の内から蜜が溢れ水音は大きさを増す。
こんなに気持ちが良くて、心に充足感が訪れるエッチがあるとは思っていなかった。
アルのおちんちんが出入りする度に、私の中の『女』が刺激されて頭に電流が走ったかのような快楽に襲われる。
「んっ…ぅ…」
思わず漏れそうになる声が、アルに聞かれてしまうのが恥ずかしかった。
だけどその羞恥を我慢して、腰を動かすと、逆にアルが声を漏らすのが面白い。
あぁ、そうか、エッチって互いに快楽を求め合うだけの物じゃないんだ…私はこれまで、本当にただの交尾をしてきたんだ。互いに相手を気持ち良くさせようとするから、その中で交わる視線があるから、快楽はより高みに昇華する…。
これは私だけの考えなのかな、アルもそう思ってくれていると…嬉しいな。
思わず笑みを零した私の顔を見て、アルが少しだけムッとした。もしかして、私に余裕があると思ったのだろうか、そんな事は無いのに…アルと繋がっているという事実だけで、私は膣の奥からでは無く。胸の、きっと心とかそういう部分から快楽が溢れて来ている。
胸の内側から何かが熱を帯びて走りだして、お腹を熱く火照らせて、子宮に当たる部分が震える様な快感を訴える。その証拠に、私はもう限界が近い。
挿れたばかりなのに、もう…イきそうだ。
何度も何度も、腰を上下する。頑張ってアルも腰を動かそうとしているけれど、まだまだ未熟で、私に気持ち良さはおとずれ―――ッ?
何、今の…一瞬、おかしな違和感が。
私、こんな場所感じたかしら…?
もしかして、アルを犯しているという状況が、私に新しい快感を与えている?
ギルバートに見せて貰った事があるアルのステータス。その中に、確か犯される者という物があったわね…アレって確か、モンスター娘なんかが良く持っている『犯す者』と同じ意味を持っているとしたら、犯されている事で互いの性感を上げるっていう…。
私が上位だと、今の私は認識していて、アル自身も私が上位で…今、自分が犯されていると認識しなければ効果は発動し無いハズよね…。
つまりアルは、今私に犯されていると、私に気持ち良くさせられていると思いながらも…それを、受け入れている?気持ち良く…させてもらっていると、想ってる?
―――――ッあ、あっ…ふぁ…。
「ぁは…」
アルってば、犯されて喜んでるんだ…私に、犯されて。
「っんやぁ!」
頑張って腰を突き出すアルが、とても可愛い…可愛すぎて…もう堪えるのも無理―――!
「―――あぁッ…くっ…ふぅううう!」
軽い絶頂を味わい、膣内が痙攣するけれどそのままピストンを続ける。
頭の奥に走る電流が途切れなく。快楽の波を容赦なく届けてくるけれど今の私にはそんな事はどうでもいい!ただ。ただ快楽の中に感じる愛しさを貪る様に腰を動かす。
「っぁあ、あぁ―――――!!」
アルが達した。
だから?
まだ出来る。まだ感じられる。もっと気持ち良くなれる。
「ま、まってアリスねえしゃ…ぼくもうぅでちゃっ…んにゃぁ!!」
中の痙攣は強まるばかり、それだけ気持ちが良い、私の絶頂は何度かなんて数える事も出来ない、ただアルが喋るだけで、アルが感じるだけで、アルが犯されているだけで私は絶頂に等しい快楽を感じていた。
犯してあげる。
いっぱい、いっぱい犯してあげる。
「だめ、アリスねえさ―――んんんんんん!!っか…ぅ…はぅ…」
またイっちゃったね、だけど…アルはこの二週間近く溜めこんでいるんだから、まだまだ出来るよね。
「ひぅ…なに…こ…れぇ―――はぅぁぁあ―――!?」
アルも同じ様に、『犯される者』の効果で姓感が高まっているのだろう。
可愛い目を大きく開いて、その後ですぐに口から息を漏らして絶頂をしてしまった。
「まだ…出来るよね?」
現に私の膣内で大きくなっているアルのおちんちんは、もう下りて来ている私の子宮口をコリコリと刺激してきている。
「もう…もう疲れ―――ッんやぁぁあ…だめぇ…」
壊れた蛇口の様に幾らでも噴き出すアルの子種が、私の中を満たしていく。
―――その快楽の中で確かに思った。もう、充分に貰う物は貰った。
アルの子種を受けながら、小さな声で詠唱を重ねていく。
それが、お別れの言葉を意味している事をアルは知らない、アルに流し込むイメージと一緒に、アルは私という女性に対する好意を失う。その時だけ失うから、またアルが好きになってくれれば―――なんて、在り得ない様な事を考える。
もしも次に出会えたら、アルは私を、好きになってくれるかな。
こんな、ギルバートからは年増って言われる女を、アルはまた好きに…。
「っ…アリス…ねぇさん…」
ふふっ…最後に、名前を呼んでもらえた。
これで、もう充分。
「アル…私も…私もずっとイってるから―――これで、最後―――だからッ」
アルには、イメージと…私の魔力の一部を…。
きっとこれがいつか、アルの助けになってくれるから…。
「あぁ…また―――んッ…ああぁあ――――!!」
さようなら。アル。
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