勇者として生きる道の上で(R-18)

ちゃめしごと

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第三章 商会を束ねる者

第四十九話 選択肢A IFルート 覚醒

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「そ、それじゃあ、叩きますよ」
「う…うん…」

 僕は、僕は頭を軽くポンってするつもりだったのに、カエラさんはベッドに四つん這いになってお尻を突き出して僕に向けた。
 お尻ペンペンという物で叱って欲しいのだろう。

 だけど、その…カエラさんは凄くスタイルが良いから、お尻を突き出されると魅力的な部分が強調されて…変な気持になって来ちゃうよぉ…。

 お尻に手を添えると、布の上からなのにその柔らかさが手に伝わって来た。思わず、少しだけ布に指が埋まる形で力を込めてしまう。

「んっ…」

 何故…だろう。

 僕はこんな状況なのに、興奮を覚えていた。

「そ、それじゃあ、叱りますよ」
「うん…ウチの事…叱って…くだ、さい…」

 金色の髪を少し乱して、こちらを振り返りながら懇願するように告げられてますます僕は…。

 腕を振り上げて、指を揃えないで少し空間を開けた状態で、彼女のお尻に振り下ろす。

「ひゃんっ!!」

 小気味の良い音が鳴って、彼女のお尻を打ったという実感が腕を通して伝わってくる。

 彼女の上げた声が耳に響いて、それが何かを刺激した。

「反省…出来ましたか?」

 何かが僕の中で、芽吹き掛けている。きっと、芽吹いてはいけない何かが。

 彼女を見下ろす形で、自分でも驚く程にその言葉は冷えた声が出た。

「…っふぅぁあ、ま、まだ…まだ反省したりんわ…だから…」
「――――うん、それじゃあ、もう一回っ!」

 先程よりも強い音が鳴る。手に走る衝撃も先程以上で、相手に痛みを与えているのだと分かる。

 背を仰け反らせて衝撃を逃がし、再び突っ伏したカエラさんを見て、僕は―――もう一度、叩いた。

「ひゃぁっ!?あ、アルく…」

 もう一度。

「んやぁあっ!?」

 まるで僕の手に操られているみたいに、彼女の身体は跳ね、その声は痛みを訴える物にしては何処か、艶を得ていた。


――――第四十九話 Aルート 覚醒(IF)


「どうしたんですかカエラさん、反省…してるんですよね?」

 それまで感じた事が無い感覚を僕は得ていた。僕は常に、受け身の姿勢だった。

 クレア姉さんとの事でもそう。神様との一件もそう。

 だけど今は、反対に僕の手の内に誰かがいる。そんな感覚。

「反省…はんせぃ、しとるから…だから」
「反省してるから?」

 彼女のお尻が揺らされた。まるで何かをねだるみたいに。

 僕はそっと、自分の手を彼女のお尻に這わせた。女性がどうすれば気持ちが良くなるのか、僕はそれを知らない、だけど彼女の身体からは…匂いがする。

 何処を触って欲しいのか、どうして欲しいのか、そんな事を望んでいると分かる匂いがする。

「反省…してないですよね?」

 きっと僕は今、満面の笑みを浮かべている。銀色の髪に僅かに隠れた紅い瞳で、彼女の顔を見る。

 耳まで赤くして、自分の願いを口にする事を躊躇っている顔だ。

 何処までも…欲に満ちた顔だ。

 這わせる指に、力を加える。

「ひぁ…あ…?」

 力を加えるだけでそれ以上の事はしていないのに、彼女の身体は一度跳ねて、その後も痙攣をするかの様に何度か跳ねる機会を窺っている。

 そう。待ち焦がれるかのように。

「ねぇ、反省してないですよね?反省してないから…声を、出しちゃうんですよね?」

「あ…え…アル…くっあああぁ!?」

 強く叩いた。僕は叩いたのに、どうして彼女は目を瞑り、まるで快楽に耐える時の僕の様な反応を取るのだろうか?

 腿を滴る液体が、その答えを物語っているけれど、僕はそれを指摘したりはしない。

 ベッドの上、四つん這いになっている彼女の耳の傍に僕は口元を持って行く。彼女がまだ、先程の衝撃に震えている内に、そうしなければならない気がした。

「はぁ…っはぁ…も、もう反省…はんせいしたか…ら」

 気が付けば僕の顔が隣にある。驚いちゃったのかな?

「反省しているのなら、痛かったですよね」

 再び這わせる指で優しく…彼女を労わる様にお尻を撫でまわす。

「っ…あぁ…あぁあ…あぅう…やめて…やめ、アルくん…ウチ、ウチ変になるから…」

 その言葉に、指を止める。

 彼女の長い、エルフ特有の耳を甘く口に含む。歯は使わずに、唇で挟むようにして刺激する。

「みゃ…み、耳は…耳は、だめやぁ…」

 口の中で湿らせた耳に、舌を這わせる。

 本当に駄目なら、四つん這いの姿勢をやめればいいのに…どうして彼女は止めないんだろう。

「反省、してくれたんですよね?」

 細く…笑みが浮かぶ。彼女に見えているのは、僕の眼もと、紅く…少し目を細めて優しげな色を浮かべた僕の目元。

「反省…したから…もうぁあっ!?」

「どうしたんですか?反省してくれたから…僕は痛い部分をさすってるだけですよ?」

 指先で感じる柔肌が、汗に湿って僕の指を受け入れるみたいに形を変える。

 段々と強く。段々と痛みを、痛みの後に風に晒され、撫でられた事で感覚が鋭敏になっているお尻に、少しずつ針を突き刺すみたいに段々と強くしていく。

 だけど、彼女が感じているのは痛みだけじゃ無い。今の僕にはそれが、手に取るように分かる。

「痛かった…ですよね、今は…どうですか?」

「あ…え…うぁうううぅ…い、言える訳、無いやろ…んん!」

 口を一文字にして、必死に耐えているけれど…可笑しな答えだった。

「痛みは引いたか聞いたのに…どうして、言える訳が無いんですか?」

 指を這わせ、お尻から段々と下に、手を移動させていく。

 彼女の蜜が滴る太股へ、指をまるで歩かせるみたいに移動させる。

「っ…っあ…っそ、それ…はぁ…」

 小さな刺激に怯える彼女は、それでも姿勢を変えようとしない。

 僕の指が、彼女から漏れ出た液体に触れたけれど、指摘はしない。

 指摘せず、液体で濡れた指先一本、人差し指を立てて下りてきた道を逆に登る。ゆっくりと、その動きが彼女の体に刻みつけられる様に…。液体によって温度の変わった指先は、彼女に自覚をもたらす。

 抗いようの無い、自分が―――快楽を得ていたという自覚を。

 魔力を口元に、風魔法で言葉が鼓膜を震わせ出来る限り耳の中を震動で揺さぶる様にして…

「気持ち…良いんですよね?」

 囁く。

 僕は、どうしてしまったのだろうか。

 こんなにも、誰かを…カエラさんを苛めたいと思っちゃうなんて…。

 大きく跳ねたカエラさんが、口元を開けて涎を垂らしながら、僕を虚ろな目で見てきた。

 不安、困惑、色々な感情が入り乱れた瞳は、その時、僕だけを映していた。

 求めるかのように、縋るかのように、そして僕の行動全てに自分が影響されているのだと自覚したのだろうか、怯える様に…僕を見ていた。

 彼女に見えるように、一度指を眼前に持って行き頬を撫でる。

 自身の蜜が付着した指先で撫でられているというのに、彼女はそれでも悦を感じている様だった。

「気持ち良いんですよね…年下の、僕みたいな男の子に苛められて」

 こんなに言葉が武器に変わるなんて、知らなかった。

「年下の僕の…指の動き一つでこんなに反応してしまう」

 こんなに誰かに快楽を与える事が楽しいなんて、知らなかった。

「そんな状況に…興奮しているんですよね?」

 頬に触れながら、覆いかぶさる様にして彼女に囁く。

「ほら、どうして欲しいか言ってみて下さい―――」

 彼女の口の中に、その指先を入れて囁く。

「―――その口で、ね」



 あぁ、どうにも僕は、もうこの快楽から逃れる事は出来そうにも無い。



―――IF END 覚醒
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