幽霊だらけの古代都市!発達した呪術国家で、破滅的な未来なんて蹴り飛ばせっ! 幽霊たちと一緒に、ワクワクしながら元気に走り回るっっ!!!

折紙いろは

文字の大きさ
86 / 100
第八章 混ざっていく世界、『時のはざま』

第86話 解決編ー2っ!

しおりを挟む
 ことの発端ほったんは、新たな人たちがたくさん降霊された、例の混乱の時だったらしい。

 降霊されたハナは、気がつくと山の中にいた。 直前には夜に海に落ちて死んだわけだが、なぜかそれを思い出せなかったらしい。 海でおぼれたショックで、忘れでもしたんだろう。

 何が起こったか分からずに歩き回っていると、自分の時代とは違う200年前の人たちの集団……ナツミやヒノキたちが歩いているのを目にする。
 降霊されて山の中で歩き回っていたナツミは、混乱の収拾しゅうしゅうをするために現代人を手伝いながら、同時に自分の友達のソラを探していた。 どんな姿かたちなのかを事細ことこまかに話して、他の人に聞いて回っていたのだ。

 それを見たハナは、状況を大まかに理解した。 今は数百年後の未来であること、幽霊を中心とする街が作られていること、そして今は混乱におちいっていることなどは、割と素早く把握はあくできたようだ。
 そして同時に、犯罪者を街に入れないという街の方針も理解した。
 だとすれば、睡眠薬を盗み出して村人たちに飲ませただけではなく、殺人まで実行してしまった自分が街に迎えられることはない……。
 そう判断したハナは、そこで耳にしたソラの未来的な服装というのを真似まねすることにしたのだ。

 混乱の最中に、山で未来人が降霊されたといううわさが流れていた。 あれは、ソラの格好かっこうを真似たハナのことだったのだ。

 ハナは一人で街へ行くと、歴史所に行って住民登録をする。
 不思議なことに、元々ソラは、街の住民には登録されていなかったという。 何ということだ、ソラは自分の存在すら曖昧にできるとでもいうのだろうか?
 ともかくハナは、ソラとして街に入り込むことになった。


 街では、何事も無かったかのように日常を再開した。 大変なことはあったものの、やっと日常が帰ってきた! ……まさか姿をいつわって街に入ってきた人がいるなど、誰が想像するだろうか。

 街は活気を取り戻し、次の日にはもう祭りの会議をすることになる。 降霊洞穴に集まって、大量に明かりをつけてワイワイと騒がしく会議が始まった!
 ユメが発言する度胸どきょうがなくて一人で勝手にイライラしていたり、マツリが不機嫌そうに発言して爆死したりするわけだが、ここでカギを握るのが、この目つきの悪い髪ボサボサのマツリである。

 マツリは会議の途中で、自分の意見が通らなかったからとねて、憶え屋にびたっていた。 憶え屋の仕組みを細かく聞いたりして、ちゃっかり裏サイトを作れるかなどを確認したりもしていた。
 そしてそんな中、すでに作られていた裏サイトを見ていると、『東の洞穴』について質問していたスズネの裏サイトに、200年前の話を日記形式で情報提供していたソラらしき人物を見つけることとなった。 ソラ!! お前、この時代にもいたのかよ、おいっ!!ww テンション上がったマツリは、連絡を取りたいと思って個室を作ることになる。

 ところで、この街には『顔づくり』と呼ばれる人たちがいる。 街の人々の名前と顔をセットで憶えていて、名前を聞いたら顔を目の前で再現してくれる人たちだ。
 彼らは、ソラの姿の人をハナだと間違って憶えていたらしい。 公式の街の住民登録ではそうなっているから、仕方がないのだが。
 マツリは最初は不慣れということもあるからか、自分でソラの姿を直接街中で探すことはせず、憶え屋のシステムを利用して連絡を取ろうとしたらしい。 そんなわけで、マツリはハナと連絡を取ることになってしまったのだ。

 姿をいつわって街に入ってきたハナは、罪悪感を感じていたらしい。 薬を盗んでみんなに飲ませただけでは飽き足らず、殺人を犯し、さらにはうそをついて他の人に成りすまして街に入ってしまった……。
 思い悩んでいたハナは、勘違いして連絡を取ってきたマツリに、思わず自分のことを相談することになる。
 自分は300年前の出身で、降霊能力を持った一族の人間であること。 祭りの日に酒に睡眠薬を混ぜて、自分の父親たちを殺そうとしたこと。 そして確かな記憶があるわけではないが、2人を殺した後の光景も何度も夢に見るから、自分が殺したんだろうと考えていること。
 そういったことを、憶え屋に作った個室の中で、マツリにつらつらと語って相談したのだ。

 話を聞いたマツリは、特に何もしなかったようだ。 街の偉い人たちに報告することも無ければ、他の人に話すこともしなかったらしい。 自分がどうするかは自分で決めろと、ハナに言った。
 ハナもその言葉に納得して、相談するのをやめたようだ。 しばらく一人で考えながら、フラフラと街をさまよっていたらしい。
 そうしてこの話は、2人だけの間にとどまるものと思われた。


 状況が変わるのは、スズネたちが憶え屋への侵入をした夜である。
 『何でも食らい、人の血を求めてさまよう鬼』……そんな噂を追って、歌子やスズネ、ユメたちが憶え屋にこっそり入ったあの夜。
 歌子グループは、小春が変な気を起こしたりして夜半やはん警備隊に追いかけられたりしたものの、目的の憶え屋に入ることは出来た。
 そして憶え屋の中で『鬼』を探している途中に、隠されていたハナとマツリの個室の会話……300年前の罪の告白の記録を、見つけてしまったのだ。

 歌子たちは、とんでもない事実に出会ってしまった。
 夜の憶え屋の中で、歌子や小春たちは話し合い、意見はぶつかってめたようだ。
 小春はどうやら、殺人を犯そうとした人が街に入ってきたことが、恐ろしくてたまらなかったらしい。 いか心頭しんとうで、今すぐにでもハナのところにいって、街を出ていくように言うなどと暴れたようだ。
 歌子やことば所に勤めるツムギちゃんは、そんな小春をおさえて、まずは冷静に事実を確認すべきだと主張したらしい。 小春はしぶしぶその提案を受け入れて、その夜は一旦落ち着くこととなる。
 鬼退治から帰って来てから小春がぼうっとしていたのは、それを頭の中で考えていたからだろう。

 歌子は翌日になると、街を歩き回ってハナの姿を探した。 関係者を集めて、きちんとした事件の解決を目指すためである。
 おさへ連絡を取り、街の偉い人たちへも事態を知らせようとした。
 休憩していたユメが街の階段を下りていた時、急いでいる歌子がすれ違っていった時があった。 このとき歌子は、ハナの姿を探すと同時に、長へ知らせようと連絡を入れようとしていたのである。 直後に昼の議会が行われようかという中で、急いで長に連絡を取ろうとしたのは、こういう事情があったのだ。
 ちなみに議会が夜にズレたのは、偉い人たちがその対応に追われていたからである。

 そうして街の偉い人たちも事態を知ることとなり、ついに公的な調査が開始される。
 現代の街の長……ハルは300年前を実際に経験した1人だから、ハナが事件の日に一人で死んだことは知っていた。 診療所で睡眠薬がごっそり消えたのも気づいたから、ハナのやったことは全て分かっていたらしい。
 現代で歌子が連れて来たハナと再会して、本人の口から『2人を殺した後の夢』の話を聞いても、もちろん全て妄想だと分かった。
 しかし、やけに話がこんがらがっているし、自分が把握していないことがある可能性もあるため、改めて300年前に起きたことを詳しく調査することになる。

 ハルは、まずは事情を詳しく知ってそうなコガネを呼んだ。
 ところでコガネは、マイペースな性格だ。 大量に幽霊が降ろされた例の混乱の時には、混乱の最中だというのに300年前の話をし始めるし、降霊洞穴の骨が『時のはざま』の殺人の被害者だとか言って、掲示板でみんなが大騒ぎしていても訂正ていせいしなかった。
 おまけにイトが連絡を取ろうとしても無視し続けるなど、あまりに勝手すぎるので、誰かが憶え屋内で悪戯いたずらで作り出したまぼろしの存在では、などという噂もあったぐらいだ。
 しかし実際には違っていて、元々この街に住んでいた普通の住人だった。 呼び出されるとひょこっと出てきて、調査に協力することとなる。

 コガネをまじえて、ついに300年前の調査は本格化した!
 病院から解放されたアキラが面白がって興味を示し、ついでに200年前出身の全然関係ない千代も野次馬やじうま根性で乗っかり、そしてイトを含めて、3人は300年前へと実際に行って、村の様子を見て回ることになる。

 つまりあの時3人は、すでに事件の概要がいようは知っていたのだ。
 殺人は起きなかったこと、ハナが一人で死んだこと、被害者だと思っていた2人はその後も生きていたことなどは分かっていたのだ。
 村の様子を見て回りながら、情報にれがないかなど、細かく当時の状況を確認するのが目的だったのだ。
 状況を知らずに『時のはざま』にいたのは、実は読者だったって? フゥゥッッゥ!! 決まったぁぁっっ!!!!wwwwwwwww

 その後、さらに調査は進んでいく。
 コガネの母とハナの父も現代の街に降霊して、当時何があったのかを直接聞いていった。 『洞穴ほらあなに隠れて何やってたんだ!』『いえ……私たち、イチャイチャしてただけで……』そんな感じだったらしい。

 降霊洞穴で埋もれた骨の本人たち2人も、実際に降霊して、事故だったのが間違いないことを本人たちの口から直接聞いた。 『あなたたち、土に埋もたんですか?』『はいそうです! ところで私たちもこの街で生活していいですか!』『OK!!』知らんけどそんな感じだろう。

 300年前の散歩を終えて、イトが診療所から向かった現代の街では、この当事者とうじしゃたちから話を聞くというのをやっていたのだ。 イトはその傍聴ぼうちょうをするために、ハルと一緒に帰ったのである。

 ちなみに300年前、時のはざまのうわさを最初に流したのは、コガネらしい。
 事件の日から時間がたち、自分が子供をもうけた後に、面白おかしく脚色きゃくしょくを交えて話したそうだ。
 それが時を超えて、現代で変な噂になったということらしい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜

美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊  ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め… ※カクヨム様にも投稿しています ※イラストはAIイラストを使用しています

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

処理中です...