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一章
8、契約
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レイリアが何とはなしに机の上に出した紙とペンに、アルベルトは密かに驚愕していた。
まず、紙というもの自体が余り見られない。紙は高価で、農村に住む平民であれば一生見る機会がなくても別におかしく無い程だ。そしてレイリアが出したそれは市井で流れる事などありえないであろう高級品。
そして、次はペン。よく使われる安価な羽根ペンではなく、しっかりとした造りの金属のペン先がついたもの。使った事は無いが、羽根ペンよりも長時間使っていても疲れないらしい。
何度か父が使っていたのを見たが、触らせてくれなかった。どうやら使い手の癖が顕著に現れるようだ。そして、高級品でもある。
ボロが出たのだろうか? どちらも平民の少年が、ただの薬屋の子供が持てる物では無かった。
(こりゃー、今までの事の中に色々嘘が含まれてたと見た方がいいな)
今後も会話の中に嘘がある事を念頭に置いておいた方がいいだろう。信用しすぎは毒となる。
…信用すると言った口で何を言うか、と思うかもしれないが、やはり予防線は張っておきたいものなのだ。裏切られる可能性が高い者には特に。
そんな事はおくびにも出さず、アルベルトはレイリアと契約内容を詰めていく。
最後にレイリアが紙に書き出していき、アルベルトに手渡した。
「確認してくれ。」
「おう。」
どこかに落とし穴はないか、目を皿にして見ていく。
『第1項:レイ(以下、甲とする)及び、アルベルト(以下、乙とする)は互いの秘密を契約解除の時まで守る。』
『第2項:甲は、乙に知識及び経験を元にして手助けをし、乙は甲に正当な報酬を払う。』
「レイ、正当なっていうのはどのくらいだ?」
「アルが僕に払ってもいいと思える金額だけど? あ、明記しておかなくちゃだめか。」
アルベルトはレイリアの台詞に耳を疑った。
「え、俺が決めるのか?」
「? そうだけど?」
何かおかしいか?、とでも言いたげな目を見て、アルベルトは警戒心を10から3くらいにまで下げた。
アルベルトは『正当な報酬』とはレイリアが決めるものであると思ったのだ。一回多額の対価を求められ、姿を消してしまうのではないかという思いさえ頭をよぎった。
それなのに、レイリアはアルベルトが報酬を決めていいと言うのだ。
耳を疑うのも、警戒レベルを下げるのも仕方のない事だと思う。
アルベルトはレイリアが追記するのを待った後、続きを読み始めた。
ーー30分後
アルベルトは完全に飽きていた。
「え~、なになに?次は?」
『第26項:甲の犯した犯罪など、乙と出会う前の出来事によって乙が不利益を被る可能性のある場合、乙は無条件に契約の解除の権限を持つ。』
「ハイハイ、オッケー、次で最後…って、ん?」
軽~く流そうとしたが、ふと引っかかるものを感じてもう一度読み直す。
『第26項:甲の犯した犯罪など、乙と出会う前の出来事によって乙が不利益を被る可能性のある場合、乙は無条件に契約の解除の権限を持つ。』
「あの~、レイ?」
「なに?」
「ここ、無条件でって書いてあるんだけど… しかも『不利益を被った場合』じゃなくて、『被る可能性のある場合』なんだけど……」
「うん。それが何か?」
「え?」
被る可能性のある場合なんて、いくらでも言いがかりがつけられるから、と改定しようと声をかけたのだが、「それが何か?」ときた。
一体アルベルトは何回レイリアの言動に悩まされるのだろうか。
「レイさんや、契約書はしっかり書かないと、俺が悪人だった時に困っちゃうよ?」
「大丈夫、悪人は君というより僕だから。」
「茶化さないの! いや、合ってるけども‼」
ハァー、と大きなため息をつき、アルベルトはレイリアに釘を刺しにかかる。
「第2項からそうだけど、権利が俺に傾き過ぎだ。マジで後で後悔するはめになるぞ? いいから書き直ししておけ。」
「それは『経験者は語る』ってやつかな~?」とまた茶化してくるレイリアを黙らせるよう、アルベルトは瞳を覗き込んでやる。
綺麗で珍しい赤い瞳はそこに灯す光をスッと細くしてアルベルトを見返した。
「変えるつもりは、ないよ。」
わざと区切られて言われたその言葉には、強固な意志が確かに宿っていた。
「何故だ?」
「僕はね、これでも君に、アルベルトという男に感謝しているんだ。だけど君は前の僕に関しては部外者だろう? 迷惑はかけたくないんだ。」
部外者という言葉になぜかカチンと来て、アルベルトは意地悪な言葉を吐く。
「部外者っても、一度関わった以上そうはいかないだろう。お前が相当ヤバイ事をしてたんなら尋問されたっておかしくねぇ。」
「そう。だからこその26項なんだよ。あと、2項。」
「え?」
意地悪で言った言葉に、よく出来ましたとでも言いたげな顔をするレイリアにアルベルトは呆気にとられる。
「そう、尋問なんてされたら君もイヤだろう?
だからそういう時は喋っていいよって言いたいのが2項と26項。2項で『契約解除の時まで』って書いたのはその為。
これからの契約期間中、身の危険が迫ったら何時でも契約解除して僕の事をバラしていいって事だよ。」
「え、イヤ、だって…」
戸惑うアルベルトを見てレイリアは笑を浮かべながら言う。
「僕の事は気にしなくていいからさ。自分のせいで~ってなるのが嫌なだけだし。」
「わかったよ。わかったけどさ………何? マジで俺まで尋問されるような事しちゃった訳? 本当に何したんだよ… もしかして俺決断誤った?」
「アハハハ…やっぱり無しっていうのは駄目だからな?」
笑いの後に続いた声は氷のように冷たくて、アルベルトの目を見つめる瞳は刃物のように鋭かった。
「だ、大丈夫、そんなつもりは無いから。」
「ならいいけど。まあ、契約中は僕は君の事を信頼するし、絶対に守るから安心してくれていい。
でも君は何時でも僕を切り捨てて構わないからね? 信頼も別にしてくれなくても構わない。むしろ常に疑っていて欲しい。
僕が何か不正をしていないか、嘘を言っていないか。考えて、自分で調べた方が身につくしね。」
本当にこいつは何をしでかしたんだろうか。そして、本当はどんな奴なんだろうか。
少し探ってみようか、と思ったその時、レイリアがにっこりと笑って言った。
「僕に深入りするなよ? 痛い目に会いたくなければ、ね?」
レイリアの目はペンと紙に向いていた。
「わかるだろ?」というかのように。
ボロが出たのではなく、わざとだった訳だ。
計算し尽くされた行動に冷や汗が出る。
背にダラダラと冷や汗をかいているアルベルトをよそにレイリアは親指を少し切ってそれを契約書に押し付ける。
ほれ、と差し出されるそれにアルベルトはレイリアと同じように血判をする。
それを受け取ってレイリアが何かをつぶやいた、その時、紙が光ったと思ったら青白い焔が紙を一瞬で燃やし尽くした。
精霊が契約を認識した証だ。
破れば精霊から罰が与えられる重い契約。血の契約。近年忘れ去られて久しいそれが、今結ばれた。
「これからよろしくな。」
「あ、ああ。よろしく。」
立ち上がり、レイリアが差し出した手をアルベルトはちょっとビクビクしつつもしっかりと握る。
………雇う側と雇われる側の力関係が逆なのは気のせいだと思いたい。
そして、アルベルトは最後まで1番最後の項、第27項を見る事は無かった。
まず、紙というもの自体が余り見られない。紙は高価で、農村に住む平民であれば一生見る機会がなくても別におかしく無い程だ。そしてレイリアが出したそれは市井で流れる事などありえないであろう高級品。
そして、次はペン。よく使われる安価な羽根ペンではなく、しっかりとした造りの金属のペン先がついたもの。使った事は無いが、羽根ペンよりも長時間使っていても疲れないらしい。
何度か父が使っていたのを見たが、触らせてくれなかった。どうやら使い手の癖が顕著に現れるようだ。そして、高級品でもある。
ボロが出たのだろうか? どちらも平民の少年が、ただの薬屋の子供が持てる物では無かった。
(こりゃー、今までの事の中に色々嘘が含まれてたと見た方がいいな)
今後も会話の中に嘘がある事を念頭に置いておいた方がいいだろう。信用しすぎは毒となる。
…信用すると言った口で何を言うか、と思うかもしれないが、やはり予防線は張っておきたいものなのだ。裏切られる可能性が高い者には特に。
そんな事はおくびにも出さず、アルベルトはレイリアと契約内容を詰めていく。
最後にレイリアが紙に書き出していき、アルベルトに手渡した。
「確認してくれ。」
「おう。」
どこかに落とし穴はないか、目を皿にして見ていく。
『第1項:レイ(以下、甲とする)及び、アルベルト(以下、乙とする)は互いの秘密を契約解除の時まで守る。』
『第2項:甲は、乙に知識及び経験を元にして手助けをし、乙は甲に正当な報酬を払う。』
「レイ、正当なっていうのはどのくらいだ?」
「アルが僕に払ってもいいと思える金額だけど? あ、明記しておかなくちゃだめか。」
アルベルトはレイリアの台詞に耳を疑った。
「え、俺が決めるのか?」
「? そうだけど?」
何かおかしいか?、とでも言いたげな目を見て、アルベルトは警戒心を10から3くらいにまで下げた。
アルベルトは『正当な報酬』とはレイリアが決めるものであると思ったのだ。一回多額の対価を求められ、姿を消してしまうのではないかという思いさえ頭をよぎった。
それなのに、レイリアはアルベルトが報酬を決めていいと言うのだ。
耳を疑うのも、警戒レベルを下げるのも仕方のない事だと思う。
アルベルトはレイリアが追記するのを待った後、続きを読み始めた。
ーー30分後
アルベルトは完全に飽きていた。
「え~、なになに?次は?」
『第26項:甲の犯した犯罪など、乙と出会う前の出来事によって乙が不利益を被る可能性のある場合、乙は無条件に契約の解除の権限を持つ。』
「ハイハイ、オッケー、次で最後…って、ん?」
軽~く流そうとしたが、ふと引っかかるものを感じてもう一度読み直す。
『第26項:甲の犯した犯罪など、乙と出会う前の出来事によって乙が不利益を被る可能性のある場合、乙は無条件に契約の解除の権限を持つ。』
「あの~、レイ?」
「なに?」
「ここ、無条件でって書いてあるんだけど… しかも『不利益を被った場合』じゃなくて、『被る可能性のある場合』なんだけど……」
「うん。それが何か?」
「え?」
被る可能性のある場合なんて、いくらでも言いがかりがつけられるから、と改定しようと声をかけたのだが、「それが何か?」ときた。
一体アルベルトは何回レイリアの言動に悩まされるのだろうか。
「レイさんや、契約書はしっかり書かないと、俺が悪人だった時に困っちゃうよ?」
「大丈夫、悪人は君というより僕だから。」
「茶化さないの! いや、合ってるけども‼」
ハァー、と大きなため息をつき、アルベルトはレイリアに釘を刺しにかかる。
「第2項からそうだけど、権利が俺に傾き過ぎだ。マジで後で後悔するはめになるぞ? いいから書き直ししておけ。」
「それは『経験者は語る』ってやつかな~?」とまた茶化してくるレイリアを黙らせるよう、アルベルトは瞳を覗き込んでやる。
綺麗で珍しい赤い瞳はそこに灯す光をスッと細くしてアルベルトを見返した。
「変えるつもりは、ないよ。」
わざと区切られて言われたその言葉には、強固な意志が確かに宿っていた。
「何故だ?」
「僕はね、これでも君に、アルベルトという男に感謝しているんだ。だけど君は前の僕に関しては部外者だろう? 迷惑はかけたくないんだ。」
部外者という言葉になぜかカチンと来て、アルベルトは意地悪な言葉を吐く。
「部外者っても、一度関わった以上そうはいかないだろう。お前が相当ヤバイ事をしてたんなら尋問されたっておかしくねぇ。」
「そう。だからこその26項なんだよ。あと、2項。」
「え?」
意地悪で言った言葉に、よく出来ましたとでも言いたげな顔をするレイリアにアルベルトは呆気にとられる。
「そう、尋問なんてされたら君もイヤだろう?
だからそういう時は喋っていいよって言いたいのが2項と26項。2項で『契約解除の時まで』って書いたのはその為。
これからの契約期間中、身の危険が迫ったら何時でも契約解除して僕の事をバラしていいって事だよ。」
「え、イヤ、だって…」
戸惑うアルベルトを見てレイリアは笑を浮かべながら言う。
「僕の事は気にしなくていいからさ。自分のせいで~ってなるのが嫌なだけだし。」
「わかったよ。わかったけどさ………何? マジで俺まで尋問されるような事しちゃった訳? 本当に何したんだよ… もしかして俺決断誤った?」
「アハハハ…やっぱり無しっていうのは駄目だからな?」
笑いの後に続いた声は氷のように冷たくて、アルベルトの目を見つめる瞳は刃物のように鋭かった。
「だ、大丈夫、そんなつもりは無いから。」
「ならいいけど。まあ、契約中は僕は君の事を信頼するし、絶対に守るから安心してくれていい。
でも君は何時でも僕を切り捨てて構わないからね? 信頼も別にしてくれなくても構わない。むしろ常に疑っていて欲しい。
僕が何か不正をしていないか、嘘を言っていないか。考えて、自分で調べた方が身につくしね。」
本当にこいつは何をしでかしたんだろうか。そして、本当はどんな奴なんだろうか。
少し探ってみようか、と思ったその時、レイリアがにっこりと笑って言った。
「僕に深入りするなよ? 痛い目に会いたくなければ、ね?」
レイリアの目はペンと紙に向いていた。
「わかるだろ?」というかのように。
ボロが出たのではなく、わざとだった訳だ。
計算し尽くされた行動に冷や汗が出る。
背にダラダラと冷や汗をかいているアルベルトをよそにレイリアは親指を少し切ってそれを契約書に押し付ける。
ほれ、と差し出されるそれにアルベルトはレイリアと同じように血判をする。
それを受け取ってレイリアが何かをつぶやいた、その時、紙が光ったと思ったら青白い焔が紙を一瞬で燃やし尽くした。
精霊が契約を認識した証だ。
破れば精霊から罰が与えられる重い契約。血の契約。近年忘れ去られて久しいそれが、今結ばれた。
「これからよろしくな。」
「あ、ああ。よろしく。」
立ち上がり、レイリアが差し出した手をアルベルトはちょっとビクビクしつつもしっかりと握る。
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