引きこもりが乙女ゲームに転生したら

ピグ

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2章

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教会にやってきました!
教会の中にはたくさんの子どもたちがいる。
身分が高い順で測定するので今は貴族の子ばっかりいる。そして子供たちは親と別室で順番が来るまで待機している。
私とアレクがこの場で1番身分が上なので
はじめに測定する。
ここにはもう一人の攻略対象の侯爵家の子と双子の妹がいるから気をつけないと!
ちなみに双子の妹はもう一人の悪役令嬢である。二人とも赤い髪に琥珀色の瞳。
攻略対象の兄はレイモンド、女性のような見た目でいつも気だるげなのが印象だ。
妹はルチル、きつい性格で毒舌なのが特徴。あまり関わり合いたくはない‥
そう考えていたとき
「お前たち!返事しろよ!」
「はぁ?なんであんたみたいなやつに私達が返事する必要があんの!」
という少年と少女の怒鳴り声が聞こえた。
私達とは離れた場所をみると茶色の髪と瞳のぽっちゃりとした生意気そうな少年と赤い瞳と琥珀色の瞳をもつ少女がいいあっていた。
少女の隣には少女と同じ髪と瞳をもつ一見女の子のような男の子がつまらなそうにいた。気づきたくはないが赤い髪と琥珀色の瞳の少女と少年はルチルとレイモンドだろう。
確か二人はゲーム通りなら侯爵家で
この場にいる中では私とアレクの次に身分が上のはずだ。そう考えると言い合っているもう一人の少年は彼女達より身分が下のはず‥測定後から社交デビューなので
身分についてまだわからず、自分がこの中で1番偉いと思っているのだろう。
どういう教育をしてるのか‥
下手したらその子供の家潰れるな
今親が別室なので止める親もいなければ神官も測定の準備中で不在だ。
待ち時間は親同士が交流する(子供の婚約者によさそうな同年代の子供がいる家をみつけたりとする)理由で子供達と部屋が別になっている。
なので誰も止めるものがいない。
周りの子供達は巻き込まれまいと隅にいる。身分がわかっている子と恐くて巻き込まれたくない子達という感じだろうか。
しかし止めなければとてもめんどいことになるだろう。唯一止められるのは一番この場で偉いアレクか私だろう。
アレクもそれがわかってか
「義姉さん、どうします?」
あの二人に関わりたくないがアレクにあんなところに首を突っ込んでほしくない。
「私が行くわ」
「僕もついていきます」
この場にいて欲しかったけど有無を言わせぬ笑みに私は頷くしかなかった。
その間にも二人の言い合いはヒートアップしているようだ。ぽっちゃりな少年
「俺が一番偉いんだぞ」とか言ってる。
いや、お前の方が身分下なってツッコミたくなる。そして怒りのままにルチルを殴ろうとする。そうはさせるか!
「義姉さん!?」
「なんだお前」
間一髪そいつの手を掴んで食い止める。
「あなた何様のつもりですか!」
女の子に手をあげるなんて信じられない!
ぽっちゃりな少年いやクソガキは
突然現れた私に驚いているようだ。
次に心なしかその顔は惚けたような顔になる、そして
「俺はここで一番偉いんだ!お前可愛いな、生意気だが俺の嫁にしてやろう」
なんてバカなことを口にする。
後ろにいるアレクの顔がもう人でも殺しそうな顔になっている。
「じゃあ、あなたは王太子なんですか?
王子は一人で1つ上だったはずですけど」
この場にいる私にそんな口きけるのは、私より上の身分の王族である王太子と同等の立場である他の公爵家だけだ。
「はぁ?俺は伯爵家だ。」
やはり私達より身分が下だ。
「無礼者‼︎私はクォーツ公爵家の長女だ。伯爵家より遥か身分の上、そんなことも親に習わなかったのか。ちなみにお前がなんの理由で突っかかったが知らないがそこの二人は侯爵家の人間でお前より身分が上だ。この中で身分が低いのはお前の方だ。
これが大人に知られれば家の取り潰しもあるだろうな」
お母さんのマネして言ってみたけど
結構かっこよく言えたんじゃない‼︎
クソガキはやっと事態の深刻さに気付いたのか顔を真っ青にして腰を抜かしている。
ようやく事態を聞きつけた大人がやってきて、はじめクソガキの親がグチグチ言ってきたが、相手が私達だとしると、引くほど謝ってきた。あとは親達に任せるとしよう。
すぐに私の名前が呼ばれて私は全部大人に丸投げして測定部屋まで向かった。
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