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8、魔物対峙
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そうして、特訓開始からかれこれ2時間が経っていた。特訓の成果はというと…………。
「…………はあ、はあ……!」
ただの一度も標的に当たらず、ただの一度も戻ってきたチャクラムを掴むことはできていなかった。…………辺りの地面には、チャクラムが刺さった後が何か所も刻み込まれていた。
「ぜ、全っ然上達しない……!」
なんなら、疲れてきた分最初よりひどくなってる…………。
「リミア……どうやら俺は、この鍛錬を経て新たな発見をしてしまったかもしれない」
真面目な顔でキリヤはこちらを向く。
「な、なに……?」
こちらも真面目な顔で返す。
「チャクラムは投擲武器じゃなくて、実は持って戦うタイプの武器なんじゃないか?」
「いや違うから。それはあんたが一番よく知ってるでしょ」
ついに現実逃避を始めたか…………。
「それにしても、まさかここまで上達しないとはねー。このままだと、武器を変えることも考えなきゃ、かも……」
「それは、それだけは、俺の中のチャクラムが許さない。俺は、何としてでもチャクラムを使いこなせるようにならなければならない!」
「…………キリヤ」
「キャーーーーーーーー!!!」
「「!」」
「俺の中のチャクラム」ってなんだよ、とツッコもうとした瞬間、森の奥の方から悲鳴が聞こえてきた。
「今の悲鳴……!」
「まさか、魔物か!?」
すぐに、キリヤは悲鳴が聞こえた方角へ走りだそうとする。
「待って! 行ってどうする気!? 今のあなたじゃ助けるどころか、返り討ちに遭うわよ!」
「だが、今のは子どもの声だった! いや、例え子どもじゃなくても、襲われている人がいる! 俺ならそれを助けられる可能性がある! だったら行かなくてはならない!」
「で、でも……。きっとこの村にだって憲兵はいるはず! その人たちに連絡をして……!」
「それでは間に合わない! 今、こうしている間にも殺されてしまうかもしれない! そうだろう!? 俺は行く! リミアはその間に憲兵に連絡を頼む!」
そう言うとすぐに、キリヤは走り出す。
「ちょっと! ああ、もう……!」
私は村の方へは行かず、キリヤを追いかける。
「……放ってけるわけないじゃない……!」
***
「!」
悲鳴の出所にたどり着いた私たちは、魔物と、そして、大事そうに何かを抱えて、泣きそうになりながら魔物を見つめる女の子の姿を目に捉える。
「あれはオオカミ……いや、あれが魔物か!」
「うん! しかも、弱い魔物じゃない! 今の私たちじゃ……!」
「そんなこと関係あるか! 今助けなければ……って、リミア、お前なぜここに!?」
「放っておけるわけないでしょ!? 私はあんたのサポート役なんだから!」
「リミア……。そうか……最悪憲兵が来るまで注意を引いて逃げ回ればいいと思っていたが…………どうやらここであの魔物を倒さなくてはならなくなったらしいな」
冷や汗をかきながら口角をあげるキリヤ。
「…………そう。そう! だから、何が何でも倒してよね!」
そうだ。魔物が強くても、もう私たちは勝つしかないんだ。
「グルルルル…………」
魔物は、今にも女の子に飛びかかろうとしている。
「キリヤ!」
「ああ! 絶対に命中させる…………おおおおおおおおっ!」
キリヤはチャクラムを構えて、魔物めがけて思い切り投げつける。
「お願い、当たって…………!」
キリヤの投げたチャクラムは、魔物に向かって曲線に軌道を描く。そして……。
「ギャアッ!」
魔物に見事命中し、魔物はその勢いで吹っ飛ばされる。
「やった! 当たった! ……あ!」
魔物に当たったチャクラムは勢いを殺してこちら側に戻ってくる。が、その軌道上に女の子がいた。
「危ない!」
思わず声が出る。やばい、このままじゃ当たって……。
女の子に直撃するかと思われたチャクラムは…………ギリギリでその横を通り抜ける。
「ほっ……」
としたのも束の間、ハッとなって、もうひとつ大きな問題があったことを思い出す。
「キリヤ、キャッ……」
キリヤは、戻ってきたチャクラムをバシィ! っという音とともにその手に収める。
「チ……」
私は、一連のあまりにきれいな攻撃に、一瞬思わず言葉を失う。
「……す、すごいじゃない! あんなに練習してできなかったのに、土壇場で成功させるなんて!」
私がそう言いながらキリヤに駆け寄ろうとした瞬間。
「まだだリミア! お前は女の子を頼む!」
キリヤに言われて見てみると、魔物は体勢を立て直し、今度はキリヤの方に注目している。
「わ、わかった! 気をつけてね!」
私はすぐに、緊張の糸が切れて呆然としている女の子の元に駆け寄る。
「よし、もう一回だ! はあっ!」
キリヤはもう一度魔物に向かってチャクラムを投げる。
しかし、今度は外れてしまう。というより、魔物がチャクラムを避けることに成功したのだ。
「ぐっ! がはっ!」
魔物はすぐにキリヤと距離を詰め、キリヤの肩に噛みつく。
「キリヤ!」
「ぐ……来い!」
キリヤの呼びかけとともにチャクラムは舞い戻り、今度は命中して魔物をキリヤの肩から引き剥がす。
「くっ……引き剥がせたが、今のはかなり痛……くない!?」
キリヤは驚く。それもそのはず……。
「防御バフに回復スキル。どう? 私の力は? ガンガン尊敬しなさい!」
「リミア!」
私だって伊達に4年も冒険者していたわけじゃない。ことサポートに関してはその辺の僧侶より優れているつもりだ。
「ほら! ラスト、ぶちかましなさい!」
私はキリヤに攻撃バフを付与する。
「まかせろ、せいっ!」
投げられたチャクラムに反応し、魔物はまたも避けようとする。しかし。
「ギャアアッッ!!」
今度はチャクラムの軌道が曲がり、魔物にクリーンヒットする。
「た、倒した……!」
魔物は動かなくなり、それと同時にキリヤと私に経験値が入る。
「い、いきなりレベルアップしたぞ!」
「いや、そんなことより……その子は大丈夫か?」
「そうだ……! あなた、大丈夫!?」
私は女の子に向かって話しかける。
「……あ、うん、大丈夫。助けてくれてありがとう!」
「良かった……あなた、名前は? どうして森の中に一人で……」
「ライナ! ……私ね、お母さんが喜ぶと思って、森で栗を拾ってたの。そしたら急に、あの魔物が出てきて……」
「そうか。ライナ、君は村の子ども、でいいんだよな?」
「うん!」
「そうか。リミア、家まで送って行こう。他に魔物がいないとは限らない」
「そうね。……ああ。でも、日が暮れかけてる。一度村に戻ったらもう今日は森には戻れなさそうね。……結局、さっきの魔物が落とした分じゃ一人分の宿代にもならない……野宿は嫌ー!」
悲嘆にくれる私。そんな私を見て、ライナちゃんは「!」というアイコンが浮かんだような顔で私の袖をくいっと引っ張る。
「お姉ちゃんたち、泊まるお金が無くて困ってるの?」
「そうなのよ。どこかのバカのせいで」
キリヤの方をちら、と見る。
「おい! 店主の幸せを願え! ライナを助けられたのもチャクラムがあったおかげだろ!」
「あーはいはい。店主が今頃どこで豪遊してるかもわからないけどねー」
「えへへ、そっかそっか……!」
「ん? どうしたのライナちゃん?」
クスクスと笑い始めるライナちゃんに首を傾げる。
「そういうことなら私にまかせてよ! 実は私のおうち、宿屋なんだ。二人を今晩泊めてくれるよう、お母さんに頼んでみる!」
「宿屋って、まさかあの!」
きれいな女将さんの顔を思い出す。あの女将さんはライナちゃんのお母さんだったんだ! 言われてみれば面影があるような気がする。
「待て。それはさすがに悪い。俺たちはそこまでのことをしたつもりは……痛っ!」
私はキリヤの耳を引っ張り、顔を近づけて小声で話す。
「そもそも宿に泊まれなくなったのは誰のせいかなあ? それに、ライナちゃんの方から言ってくれたんだから、その気持ちを無碍にするのも野暮ってもんじゃないの?」
「う……。ああ、わかった、わかったよ。ここはライナの厚意に甘えよう」
私はくるっとライナちゃんの方に向き直す。
「ありがとう! それじゃあ、お願いしてもいいかな、ライナちゃん?」
「うん!」
こうして私たちは、なんとか今晩の宿にありつけ、夕食に美味しい栗ごはんをいただくのであった。
「…………はあ、はあ……!」
ただの一度も標的に当たらず、ただの一度も戻ってきたチャクラムを掴むことはできていなかった。…………辺りの地面には、チャクラムが刺さった後が何か所も刻み込まれていた。
「ぜ、全っ然上達しない……!」
なんなら、疲れてきた分最初よりひどくなってる…………。
「リミア……どうやら俺は、この鍛錬を経て新たな発見をしてしまったかもしれない」
真面目な顔でキリヤはこちらを向く。
「な、なに……?」
こちらも真面目な顔で返す。
「チャクラムは投擲武器じゃなくて、実は持って戦うタイプの武器なんじゃないか?」
「いや違うから。それはあんたが一番よく知ってるでしょ」
ついに現実逃避を始めたか…………。
「それにしても、まさかここまで上達しないとはねー。このままだと、武器を変えることも考えなきゃ、かも……」
「それは、それだけは、俺の中のチャクラムが許さない。俺は、何としてでもチャクラムを使いこなせるようにならなければならない!」
「…………キリヤ」
「キャーーーーーーーー!!!」
「「!」」
「俺の中のチャクラム」ってなんだよ、とツッコもうとした瞬間、森の奥の方から悲鳴が聞こえてきた。
「今の悲鳴……!」
「まさか、魔物か!?」
すぐに、キリヤは悲鳴が聞こえた方角へ走りだそうとする。
「待って! 行ってどうする気!? 今のあなたじゃ助けるどころか、返り討ちに遭うわよ!」
「だが、今のは子どもの声だった! いや、例え子どもじゃなくても、襲われている人がいる! 俺ならそれを助けられる可能性がある! だったら行かなくてはならない!」
「で、でも……。きっとこの村にだって憲兵はいるはず! その人たちに連絡をして……!」
「それでは間に合わない! 今、こうしている間にも殺されてしまうかもしれない! そうだろう!? 俺は行く! リミアはその間に憲兵に連絡を頼む!」
そう言うとすぐに、キリヤは走り出す。
「ちょっと! ああ、もう……!」
私は村の方へは行かず、キリヤを追いかける。
「……放ってけるわけないじゃない……!」
***
「!」
悲鳴の出所にたどり着いた私たちは、魔物と、そして、大事そうに何かを抱えて、泣きそうになりながら魔物を見つめる女の子の姿を目に捉える。
「あれはオオカミ……いや、あれが魔物か!」
「うん! しかも、弱い魔物じゃない! 今の私たちじゃ……!」
「そんなこと関係あるか! 今助けなければ……って、リミア、お前なぜここに!?」
「放っておけるわけないでしょ!? 私はあんたのサポート役なんだから!」
「リミア……。そうか……最悪憲兵が来るまで注意を引いて逃げ回ればいいと思っていたが…………どうやらここであの魔物を倒さなくてはならなくなったらしいな」
冷や汗をかきながら口角をあげるキリヤ。
「…………そう。そう! だから、何が何でも倒してよね!」
そうだ。魔物が強くても、もう私たちは勝つしかないんだ。
「グルルルル…………」
魔物は、今にも女の子に飛びかかろうとしている。
「キリヤ!」
「ああ! 絶対に命中させる…………おおおおおおおおっ!」
キリヤはチャクラムを構えて、魔物めがけて思い切り投げつける。
「お願い、当たって…………!」
キリヤの投げたチャクラムは、魔物に向かって曲線に軌道を描く。そして……。
「ギャアッ!」
魔物に見事命中し、魔物はその勢いで吹っ飛ばされる。
「やった! 当たった! ……あ!」
魔物に当たったチャクラムは勢いを殺してこちら側に戻ってくる。が、その軌道上に女の子がいた。
「危ない!」
思わず声が出る。やばい、このままじゃ当たって……。
女の子に直撃するかと思われたチャクラムは…………ギリギリでその横を通り抜ける。
「ほっ……」
としたのも束の間、ハッとなって、もうひとつ大きな問題があったことを思い出す。
「キリヤ、キャッ……」
キリヤは、戻ってきたチャクラムをバシィ! っという音とともにその手に収める。
「チ……」
私は、一連のあまりにきれいな攻撃に、一瞬思わず言葉を失う。
「……す、すごいじゃない! あんなに練習してできなかったのに、土壇場で成功させるなんて!」
私がそう言いながらキリヤに駆け寄ろうとした瞬間。
「まだだリミア! お前は女の子を頼む!」
キリヤに言われて見てみると、魔物は体勢を立て直し、今度はキリヤの方に注目している。
「わ、わかった! 気をつけてね!」
私はすぐに、緊張の糸が切れて呆然としている女の子の元に駆け寄る。
「よし、もう一回だ! はあっ!」
キリヤはもう一度魔物に向かってチャクラムを投げる。
しかし、今度は外れてしまう。というより、魔物がチャクラムを避けることに成功したのだ。
「ぐっ! がはっ!」
魔物はすぐにキリヤと距離を詰め、キリヤの肩に噛みつく。
「キリヤ!」
「ぐ……来い!」
キリヤの呼びかけとともにチャクラムは舞い戻り、今度は命中して魔物をキリヤの肩から引き剥がす。
「くっ……引き剥がせたが、今のはかなり痛……くない!?」
キリヤは驚く。それもそのはず……。
「防御バフに回復スキル。どう? 私の力は? ガンガン尊敬しなさい!」
「リミア!」
私だって伊達に4年も冒険者していたわけじゃない。ことサポートに関してはその辺の僧侶より優れているつもりだ。
「ほら! ラスト、ぶちかましなさい!」
私はキリヤに攻撃バフを付与する。
「まかせろ、せいっ!」
投げられたチャクラムに反応し、魔物はまたも避けようとする。しかし。
「ギャアアッッ!!」
今度はチャクラムの軌道が曲がり、魔物にクリーンヒットする。
「た、倒した……!」
魔物は動かなくなり、それと同時にキリヤと私に経験値が入る。
「い、いきなりレベルアップしたぞ!」
「いや、そんなことより……その子は大丈夫か?」
「そうだ……! あなた、大丈夫!?」
私は女の子に向かって話しかける。
「……あ、うん、大丈夫。助けてくれてありがとう!」
「良かった……あなた、名前は? どうして森の中に一人で……」
「ライナ! ……私ね、お母さんが喜ぶと思って、森で栗を拾ってたの。そしたら急に、あの魔物が出てきて……」
「そうか。ライナ、君は村の子ども、でいいんだよな?」
「うん!」
「そうか。リミア、家まで送って行こう。他に魔物がいないとは限らない」
「そうね。……ああ。でも、日が暮れかけてる。一度村に戻ったらもう今日は森には戻れなさそうね。……結局、さっきの魔物が落とした分じゃ一人分の宿代にもならない……野宿は嫌ー!」
悲嘆にくれる私。そんな私を見て、ライナちゃんは「!」というアイコンが浮かんだような顔で私の袖をくいっと引っ張る。
「お姉ちゃんたち、泊まるお金が無くて困ってるの?」
「そうなのよ。どこかのバカのせいで」
キリヤの方をちら、と見る。
「おい! 店主の幸せを願え! ライナを助けられたのもチャクラムがあったおかげだろ!」
「あーはいはい。店主が今頃どこで豪遊してるかもわからないけどねー」
「えへへ、そっかそっか……!」
「ん? どうしたのライナちゃん?」
クスクスと笑い始めるライナちゃんに首を傾げる。
「そういうことなら私にまかせてよ! 実は私のおうち、宿屋なんだ。二人を今晩泊めてくれるよう、お母さんに頼んでみる!」
「宿屋って、まさかあの!」
きれいな女将さんの顔を思い出す。あの女将さんはライナちゃんのお母さんだったんだ! 言われてみれば面影があるような気がする。
「待て。それはさすがに悪い。俺たちはそこまでのことをしたつもりは……痛っ!」
私はキリヤの耳を引っ張り、顔を近づけて小声で話す。
「そもそも宿に泊まれなくなったのは誰のせいかなあ? それに、ライナちゃんの方から言ってくれたんだから、その気持ちを無碍にするのも野暮ってもんじゃないの?」
「う……。ああ、わかった、わかったよ。ここはライナの厚意に甘えよう」
私はくるっとライナちゃんの方に向き直す。
「ありがとう! それじゃあ、お願いしてもいいかな、ライナちゃん?」
「うん!」
こうして私たちは、なんとか今晩の宿にありつけ、夕食に美味しい栗ごはんをいただくのであった。
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