魔性少女カスミちゃん~隣の刹那君は私に惚れない~

三一五六(サイコロ)

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二性 ピンク色の日常

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 私は浴室に重たい足を滑らしながら向かった。
 服を脱ぎ、下着を脱ぎ、扉を開ける。

「ハァー」

 朝に入った風呂を思い出して思わず、ため息がこぼれる。
 私の家のお風呂は普通だ。ごく一般的なお風呂。
 シャワーで体を軽く流し、浴槽に入る。

「ふぁ~、温まるぅ~」

 やっぱりお風呂はお風呂だね。全然こっちでも気持ちいい。
 私の生活の中で唯一ゆっくりできるのがお風呂なの。
 一人だし、癒されるし、落ち着くしね。
 それにしても今日は一日が思った以上に長かったな。体がボロボロだよ。
 あの隣のメガネ男子は今、私のことを考えて一人でヤっているのかな?
 想像するだけで可愛い。
 あ、そういえば、筆記用具を返すの忘れてたな。まぁ、いっか!
 明日、返せば問題ない。それに明日も私と話せるのだから、嬉しくてたまらないだろうしね。
 もしかして、それを狙って私に筆記用具を貸したのかな?
 流石、メガネ男子だ。勉強だけではなく、ちょっとしたことにも頭が回るな。

「ふぁ~あ」

 なんか、眠たくなっ……

「かすみ、い、入れるね。……ハァ」
「痛い、痛い、痛いよ!」
「一瞬だけだから大丈夫だよ。ぼ、僕を信用して!」
「でも……」
「大丈夫、そんなに心配することじゃないよ」
「あ、あぁ、ンッ……」
「気持ちいい?」
「……うん」
「じゃあ、動くね」
「……ん、ハァ、あぁ、ンッ!」
「あぁ……気持ちいい、気持ちいいね、かすみ!」
「ンッ……ぷぁ、ダメ、痛くて、痛くて、もう私耐えられない……」
「チュ……ンッ、チュ、チュ……ンハァ……」
「……ンハァ、チュ……ンッ……ンハァ、ハァ……ダメ」
「はぁ……いいよ、その顔いい! 今、僕とかすみは一つなんだよ!」
「……ンッ、ハァ……アァ、ハァ、ンッ! あぁ……ダメ、私が私じゃなくなるぅ~」
「そ、それでもいい! ハァ……僕はかすみのどんな姿も受け止めるから!」
「……ンッ」
「ハァ、ハァ……ンッ! イ、イク……」
「あ、ああ、え、はぁ……」
「僕の……僕の愛をかすみの中に注ぎ込んだ! あー最高な気分!」
「……ハァ、ハァ……ンッ、なんか頭がフワフワする」
「え、え? う、うわぁーっ!」
「な、何! え……血、血が出て……る」
「血……何で血が……」
「ねぇ、怖いよ……痛いよ」

 浴槽に「ポツン」と天井から水滴が落ちる。
 ここは……お風呂か。

「あー最悪……」

 まさか嫌な記憶が夢に出てくるなんて……。
 夢でも私を痛めつけるのね君は。いつになったら私を解放してくれるの?
 私は君が嫌いで怖い。思い出すだけでも鳥肌が立つの。
 あー、もう涙が止まらない。何で、何で、止まらないの……。

「大丈夫! 私は昔とは違う! 気にすることなんてないの!」

 さっさと体洗って寝よっと! うん、大丈夫!
 寝たらこんなこと忘れるって! 多分……。
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