魔性少女カスミちゃん～隣の刹那君は私に惚れない～

三性 新学期の恒例行事

20

「かーか、おはよ～」
「おはよ！　先に顔を洗ってきなさい！」
「はーい！　ふぁ～」

　今の時刻は午前七時。そうちゃんが起きる時間だ。
　それに対して私の起床時間は六時。丁度、日差しが私を照らす時間である。
　まぁ、その理由は普通の家庭なら親が作ってくれるお弁当と朝食を作っているからだ。
　みんなからしたら「朝から変態だね」じゃなくて「朝から大変だね」っと思うかもしれないけど、私はこれを約十年ほどやってきたから、そこまで大変ではない。
　むしろ、「今日は何を作ろうかな？」とか考えるようになってきて楽しい。
　それにそうちゃんの喜んで食べている顔を想像したら苦痛なんか一切感じない。逆に幸せだ。

「かーか、またニヤニヤして……ハァー」
「仕方ないでしょ！　そうちゃんが……じゃなくて料理が楽しんだから！」

　うわぁー、危ない、危ない。つい、考えていることが口に出かけたよ。
「本当にかーかは料理が好きだね！　友達も美味しいって食べてくれるんだ！」

「それはよかった！」

　ん？　よかった？　よくないよね？
　てか、私のそうちゃんへの愛情たっぷりのお弁当を他の子が食べているだと……。

「昨日、かーかに話した女の子も食べて『私もお姉さんみたいに料理が上手になりたいな～』って言ってたよ！」

　昨日の女の子？　んー、あ、魔女か！　あのセックスを要求した女か！
　勝手に私のそうちゃんへの愛情たっぷりのお弁当を食べるとは、どこまで悪い女なのだ。
　それにお前みたいな魔女にお姉さんと呼ばれる筋合いはない。今すぐやめろ！

「また今度、その子に料理を教えようか？」
「本当？　その子も喜ぶよ！」

　多分、泣いて帰るだろうな。だって、私の部屋でガチギレ説教するつもりだからね。
　それにしても、魔女のせいで朝から不愉快だ。

「はい、朝ご飯できたよ！」
「いただきまーす！」
「はい、いただきます」

　今日も相変わらず、そうちゃんは美味しそうに食べている。それだけ私の作るサンドイッチが好きなのだろう。
　流石、私のサンドイッチだ。
　種類も豊富で何度食べても飽きない味。それに口の中でモフモフするパンが、中身の具材と素晴らしいハーモニーを奏でている。口に入れただけで、今いる場所が綺麗なお花畑にいるように感じる。
　あー、本当にとろけてしまう美味しさだ。

「ごちそうさま！　僕は先に学校に行くね！」
「は、はーい！　いってらっしゃい！」

　そうちゃんとの朝を気持ち良く過ごせたということで、私もそろそろ準備しますか。
　洗い物をして歯を磨いて顔を洗い、制服に着替えて鞄を持ってっと。完璧だね。

「よ、よし。キャラの変換もできたし。い、行ってきます」

　ってもうこんな時間。い、急がないと！