魔性少女カスミちゃん～隣の刹那君は私に惚れない～

五性 女子会

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「それにしても真心さん？　今日はいつもと違う気がするんですけど、気のせいかな？」
「ち、千心には関係ないでしょ！」
「あれれ？　なんか顔が赤いですけど？」
「あー暑いね、この部屋！」
「話を変えないでくださいよ～、真心さん！」

　何だか立場が逆転してるな。けど、千心は何が言いたいの？
　やっぱり千心はワケわかめだよ。

「真心さん、次は何に影響されたんですか？」
「もう！　千心ってば私のことを知っているからって！」

　私とマナは何を言っているのか分からず、首を横に傾ける。

「えへへ、言っちゃえ！」
「わ、分かったわよ。昨日、映画を見たのよ。相談所で働く女性達が相談を聞いて、優しく、カッコ良く、相談を解決するっていう話。それで私も真似してみようと思って真似してみたのよ」
「まぁ、そういうこと！　真心は映画やドラマ、アニメにすぐに影響されるんだよ！」

　ってことは今日やたらとカッコイイのは昨日見た映画の影響ってこと？
　おいおい、さっきの私の真心への気持ちをどうしてくれるんだ。
　これじゃ、私がカッコイイと思ったのは真心の見た映画の人ってことだよね？

「なんかごめんね。私っていつも影響されちゃうんだ」

　けど、あのキャラが似合っていたと言えば、似合っていたんだよな～。

「私は悩みが解決したし、嬉しかったよ」
「わ、私も助けてもらったことに、変わりないから気にしてないよ」
「よ、よかった。ふぅ～」
「真心の秘密も打ち明けられてよかったね！」
「良かったけど……恥ずかしい」

　なんだ、あの照れ顔は！　頬を真っ赤に染めて斜め下を向いているだけなのに！
　可愛い、可愛すぎる。あんな顔もできるのか。
　濡田真ん心！　マンコだけにキャラがグチャグチャだね！
　あ、いつの間にか真心の間に『ん』が入ってるよ。癖なのかな？

「お嬢様、昼食の準備ができました。皆さん、食堂までどうぞ」

　話している間にお昼になっていたようだ。
　って、ことで私達は食堂へ。
　食堂に並んでいたのはもちろん高級料理。
　普段は食べられない物だらけで、マナに関しては目が料理に奪われていた。私も驚いたけどね。
　そんな最高の料理をお腹いっぱい食べ、私達四人は食事を楽しんだ。
　昼食を終えた後は真心の部屋に戻って、女子らしいファッションや化粧、恋バナで盛り上がった。
　女子高生なら普通に話す下ネタはほとんどなく、出るのは千心からのけしからんパイ乙についての話ぐらい。
　どうしても大きくなりたいみたいで、パイ乙の話の時は目を輝かせて聞いていた。
　三時にはおやつとして色鮮やかケーキと紅茶が届き、楽しい女子会は夕方まで続いた。

「私、そろそろ帰らないと門限に間に合わないよ」
「マナティは家が遠いもんね！」
「マナさん、駅まで送っていくわ。カスミさんはどうする？」
「私も帰るよ。けど、夜ご飯の買い出しがあるから歩いて帰るかな」

　私の家には真心みたいにシェフがいないしね。
　そうちゃんのために、私が美味しいものを作らなくちゃいけないからね。
　それに真心の家で食べた料理を真似して作ってみたいし。

「スーパーまで送って行くわよ」
「そうだよ！　駅までの道にあるから乗っていきなよ！」
「じゃあ、お言葉に甘えてお願いします」

　時刻は午後六時、私達は真心の家を出た。

「到着！　カスミン、バイバーイ！」
「カスミさん、さよなら」
「カスミ、またね」
「うん、ありがとう。また明日」

　窓が閉まり、黒いベンツは出発した。