魔性少女カスミちゃん~隣の刹那君は私に惚れない~

三一五六(サイコロ)

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五性 女子会

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「じゃあー、次はマナティの彼氏の話!」
「え、えー、私は話なんか特にないよ」
「嘘つけ~。そのけしからんパイ乙があるのに話がないはずないよ!」

 どういう理屈なのかな?
 千心理論は私には理解できないよ。意味不明だしね。

「本当にないんだって。本当だよ? 信じて」
「お主は悩んでいる顔をしているな!」
「……うっ!」
「その反応はビンゴだ! 私は天才! ハッハッハー」

 天才って自分で言っちゃってるよ、この子。
 けど、表情だけで、マナの気持ちを読み取ったのはかなり凄い。
 千心理論は中々やるようだ。

「それで何を悩んでるの? パイ乙にしか興味を持たないとか?」
「ちっ、違う! 大志はそんな人じゃない!」

 え? そんな人だよ!

「ごめんって! 怒らないでよ、マナティ」
「今のは千心が悪いんでしょ!」
「だって……胸があるとか反則じゃん!」
「あっても邪魔なだけよ」
「真心はあるからそう思うんだよ! 私の胸はこれっぽっちもないんだよ! ブラジャーもまだ着けれないし、水着も地味になるし!」
「はいはい、それ言うの何回目? 千心だって大きくなるから」

 おい、千心。本当に何度目なの? 真心のあんなに呆れた顔は初めてだよ?
 貧乳の気持ちは私にも分からんが、巨乳の気持ちも千心には分からないだろうな。
 色々苦労してるのよ。胸があるって意外と大変だしね。

「そ、そうかな? えへへ」

 急に目を輝かせすぎ。おもちゃ売り場にいる子供みたいだよ。
 千心は単純すぎだな。まぁ、それが可愛いんだけどね。

「だから、謝りなさい」
「はーい! マナティごめんね!」
「いつものことだから、大丈夫だよ」

 やっぱりこのくだりはよくあるのね。そんな気がしたよ。

「それで悩みを聞こうじゃないか!」
「本当に大したことないからね。聞いて呆れないでよ!」
「分かってるって!」
「えっと、最近、大志が遊んでくれないんだよ」
「いつから遊んでないの?」
「入学式の日以来、一度も会ってない」
「「「えーーーー」」」

 まさか、私のせいかな?
 けど、あの日は楽しく遊んでいたみたいだしな。

「まぁ、大したことなかったでしょ……」
「大ありだよ!」
「そうですよ。マナさんも本当は気付いているんでしょ?」
「マナと大志君が危機だってこと」

 本当に何が『大したことないでしょ』だよ。
 そんな下向いて悲しそうな表情をして、マナ的にはかなり精神的にきてるじゃん。

「……分かっていても私からは何もできないから……」
「何言ってるの? 大志君の彼女でしょ! 少しぐらい甘えたってわがままを言ったって別に良いじゃない! マナさんは自分に自信を持った方がいい。お金持ちじゃないのを理由にしてマナさんと大志君がつり合わないとか思っているんでしょ」
「そ……そうだけど、本当にそうなんだから仕方ないんだよ」
「じゃあ、私達とも友達やめるの? お金持ちとはつり合わないでしょ?」

 真心も意外と鬼だな。けど、これは優しさなんだよね。
 それと自分がお金持ちって認めているのね。

「真心! その言い方はダメだよ! マナティに謝って!」
「千心は黙ってなさい」
「はい。真心様ごめんなさい」

 千心はこの状態の真心には勝てないんだな。『様』までつけていつもと反応違いすぎ。

「それでマナさんはどうするの?」
「みんなと友達をやめるなんて死んでも嫌! けど、私は大志に何かを求める立場じゃないから……」
「じゃあ、別れなさい!」

 だから、鬼すぎだって! 超過保護の母親みたいだよ!
 真心の子供は大変そうだな。想像するだけでも地獄を感じるよ。

「それは絶対に嫌! 私には大志が必要なの! こんな私を好きになってくれた初めての男子なんだよ!」
「それだけの気持ちがあるなら大丈夫そうね。マナさんが大志君を必要だと思うなら、もっと遊べばいいじゃない。最近、遊べてないのには大志君だって何かの理由があるんだわ」
「そうかな?」
「一度、電話でもして話してみれば?」
「そうだよ! マナティが悩んでいたように、大志君も悩んでいるかもよ!」

 急に復活したな、千心。完全にタイミングを見計らってたな。

「分かった。家に帰ったらしてみるよ」
「何で今じゃないの! 私が電話しようか? えへへ」
「千心がしても意味ないでしょ」
「はーい」
「けど、何で今しないの?」

 確かにそうだよね。今ならみんながいるから、勇気が出せると思うんだけどな。
 さっきの私だって勇気出して話したし。

「毎日、メールはしてるけど、今日は昼間は忙しいって朝にメールが来てたから……」

 なるほどね。メールしているなら少し安心かな?

「そういうことね。じゃあ、夜、頑張って」
「うん! 真心ありがとう!」

 真心はお姉さんみたいで安心感があるな。悩みを聞いて自分の意見をビシバシと言えるところがなんかカッコイイ。
 私も駅の時に救われたしね。
 本当にあの引っ張ってくれる手は心強かったな。
 最近、仲良くなった私にあそこまでしてくれるとは思ってなかったから、あの時の真心はイケメンに見えたよ。
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