最弱装備でサクセス〜どうのつるぎとかわの防具しか買えなかった俺だけど【レアリティ777】の効果が凄すぎて最強になってしまった〜

キミちゃん

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第三部 オーブを求めて

第三十二話 リヴァイアサン

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「急げ、サクセス! もうすぐ出口だ!」


「あぁ! 光が……見えてきた!!」


 ゴゴゴゴゴゴゴッ……

 パラパラパラ……


 隠しアジト内が大地震のように震えている。
 それにともなって、奥から岩盤が崩れる音や、叫び声も聞こえてきた。
 
 どうやら盗賊たちは間に合わなかったらしい。
 俺もカリーが急がせなければ危ないところだった。
 まさか、隠しアジト……いや、洞窟が崩れるとは思わなかったし、これはガンダッダの罠なのか?


 そんな事を疑問に思いながらも、俺達は何とか外に出ることができた。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴッ……


 そして、その数秒後には出入口すらも崩れ落ちてしまう。
 本当に危機一髪であった。


「師匠!! ご無事でしたか!? 中で何が??」


「そんなことは後だ! サクセス! 直ぐに船に乗ってここから離れるんだ。まだ終わってないぞ、むしろこれからだ!」


 俺達を見つけたイモコが駆けつけてると、カリーは直ぐに次の指示を出した。
 色々聞きたいが、そんな余裕はないらしい。
 

「聞いたか、イモコ? 急げ! 船に戻るぞ! カリーの言う通りにするんだ。」


「御意! では直ぐに船を出すでござる!」


 俺達はカリーの指示通り、直ぐに船に乗り込むと船を動かした。
 そして、やはりこれも本当にギリギリであったらしく、さっきまで俺達がいた場所が海の中に沈んでいく。
 

「カリー、説明してくれるか?」


「あぁ、とりあえずここまで離れれば、少しくらいなら時間がある。ガンダッダとかいう奴が飲み込んだのは、【邪神の涙】っつってな、その体を媒介にして、凶悪なモンスターを生み出すアイテムなんだ。そして、今回奴が飲み込んだのは、一瞬だけ見えたが透き通る青色……つまり、これから現れるのは【リヴァイアサン】だ。」


「リヴァイアサン? それはどんなモンスターなんだ?」


「海の聖獣が闇に落ちたモンスターだ。いや、モンスターと言っても、もとは神が作り出した大精霊みたいだがな。なんにせよ、あれはやべぇぞ。俺達の世界で一度戦ったんだが、俺達は結局勝てなかった……。」


「勝てなかった? カリー達がか? まだレベルの低い時とかじゃなくて?」


「いいや、違う。魔王と戦う直前だったからな、今の俺と変わらねぇよ。もちろん、俺のパーティもな。俺達が戦ったのは、イフリートっていう火の聖獣だったが、多分、今回の奴も同じ位強いはずだ。」


「まじかよ。んで、その世界のイフリートは?」


「……わからねぇ。多分、あいつが現れた国は滅んだ。本当は倒したかったんだが、色々あってな。先に魔王を倒すことになったんだ。」


「なるほどな。それで、カリーはあれだけ焦ってたわけか。だけど、助かった。ありがとう。」


「馬鹿、まだ助かってねぇよ。ほら、さっきの場所を見てみろ。出てくるぞ!!」


 カリーが指を差す方に目を向けると、そこには大きな渦潮が出来上がっていた。
 物凄い勢いで渦が加速し、大きく広がっていく。
 まるで海の中の魔法陣から巨大な物を召喚するかのように……。


 いつの間にか外は太陽が昇り始めており、その様子は良く見えた。


 そして遂に、渦潮の中央から何かが上に昇ってくるのが見え始める……。



 ギョアァァオォォォォ!!



 現れたのは、蒼い鱗に覆われた巨大な龍。
 胴体が蛇の様に長く太く……それでいて……顔が二つある。
 一つは龍とわかる爬虫類のような顔。


 そしてもう一つは……あれは……。


「ノロ……ノロでござるよ!! 師匠! あれはなんでござるか!?」


「聞いてなかったのか? あれがリヴァイアサンだ。カリー、このまま撤退でいいか?」


「ダメだ。海の中じゃ間違いなく追いつかれる。ここで足止めをするか、もしくは倒さないと、どの道町には戻れないぞ。しかし、そうか……どうやら邪心の餌は、あのクソ隊長のようだな……。」


「なら、俺が時間を稼ぐから、みんなはその間に逃げてくれ。」


 時間さえ稼げば、全員逃げることができる。
 ならば、それは俺の役目だ。


 俺がそう宣言したところで、カリーは俺の肩を軽く叩いた。


「なぁ、サクセス。お前が強いのは知っている。だがな、ここは海だ。いくらお前でも海中では戦えないだろ? だから俺に任せてくれ。俺が時間を稼ぐ。」


「やってみなきゃわからないだろ? 確かに海中で戦った事はない。でも、頑張れば……。」


「馬鹿野郎!! やった事もないことで適当な事言うんじゃねぇよ! そうやって自分だけが体張ればいいと思ってるのか? 思い上がるのも大概にしておけよ!」


「んだと! じゃあカリーならやれるって言うのかよ! お前は前回、パーティでも勝てなかったんだろ? それならお前こそできない事じゃねぇか!」


 俺とカリーはお互い面と向かって睨み合っている。
 喧嘩なんてしたこともないが、流石にさっきの言葉にはカチンときてしまった。


「あぁ、勝てねぇよ。多分俺じゃ勝てねぇ。だけどな、俺なら奴を引き付けることができる。少なくとも、サクセス、お前よりはうまくな。」


「引き付けてどうするんだよ。俺達が逃げたところで、奴は町まで追いかけてくる。そしたら同じじゃねぇか。そんなんでカリーが死んだら意味ないだろが!」


「町まで行けば、俺に考えがある。そこなら……そこならお前は戦える。お前が戦えれば、必ず勝てる。俺はそう信じてる。だからこそ、お前をこんなところで死なすわけにはいかないんだよ! お前にはやらなきゃならないことがあるんだろ? お前には待っている仲間がいる。だから、ここは俺が……やるんだよ!」


 カリーは一歩も譲らなかった。
 別に俺だってわかっていたさ。
 俺の事を馬鹿にしているわけじゃない。
 友として大事に思っているからこその言葉だと。

 だけど、それは俺にとっても同じだ。
 友を見捨てて生き残ったとして、その後、そんな俺が仲間を助けられるか?
 できるわけねぇ。
 だからこそ、俺も譲れない。


「そうか、わかった。確かに今は熱くなっている場合でもなければ、俺が海中で戦う事ができないのも間違いないだろう。だが、それでも俺は逃げない。何か方法があるはずだ。カリー、お前の作戦を聞いてからどうするか考える。逃げるも、戦うも一緒だ。逃げて追いつかれるなら、その時は全員で迎え撃つ。どちらにせよ、戦うことには変わりないんだからな。」


「……やっぱりお前はフェイルだよ。一度言ったら、何を言っても聞いてはくれねぇ。まぁいい。時間がない。俺の作戦は単純だ。俺の靴に氷属性を付与して、海面を凍らせて足場を作って移動する。それであいつをかく乱するつもりだ。」


「そういうことか、んで、町に戻ったらっていうのは?」


「それは、この【大地の剣】を使って、海面を隆起させる。一定エリアだけしかできないがな。町が近ければ、陸地と隆起させた海面を繋げることができる。更に、奴を地上に上げさせることができるはずだ。そうなればチャンスだ。そこなら、お前はリヴァイアサンにだって負けねぇ。俺はそう信じてる。」


 よくもまぁ、この短時間でそれだけの作戦を考えたものだ。
 しかも、カリーの出来ることはやはりかなり多い。
 確かにその作戦ならイケるかもしれないな。
 

 だけど……


「……よし、わかった。その作戦でいこう。ただ! 俺達は一方的には逃げない。いつでもカリーを助けに行ける範囲で逃げる。もしも、カリーがピンチや劣勢なら、俺は例え、火の中だろうと、海の中だろうと助けることを優先する。これだけは絶対譲れない!」


「ったくよ。それじゃあ、俺はミスれねぇじゃねぇか。」


「当たり前だろ? やるからには成功させろよ。」


「あぁ、分かった。とりあえず時間がないから、俺は先に奴のところに行くぜ。イモコ! サクセスが飛び込んだりしないようにちゃんと見てろよ?」


「わかったでござる! ご武運を!」



 遂に俺達と伝説のモンスター【リヴァイアサン】との壮絶な闘いが始まるのであった。
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