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第三部 オーブを求めて
第三十九話 帰還
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「よし、じゃあ俺の仲間のいる船に戻ろうか。」
「わかりました。仲間ですか……イーゼさんですか? リーチュンですか?」
俺はリヴァイアサンを無事討伐したことから、シロマを抱いて仲間のいる船に戻ろうとすると、シロマが何故か不機嫌な声で聞いて来た。
なんで怒ってるの?
まぁ、とりあえずイーゼとリーチュンではないので、しっかり説明しておこう。
「いや、イーゼとリーチュンにはまだ会ってないよ。仲間っていうのは、新しくできた俺の仲間だ。すげぇ頼りになる奴だよ。」
「そうですか……頼りになる方ですか。それは良かったですね。ところで綺麗な方でしょうか?」
シロマの言い方に、少し棘を感じる。
どことなく冷たい感じだ。
綺麗?
綺麗と言えば綺麗だな。
男の俺でも、うっかり惚れそうに……!?
しまった!
カリーをシロマに会わせたら……まずい!
ここに来て、新たなラスボスの登場に焦る俺。
そしてその様子を見て、シロマは勘違いした。
「言えないってことは綺麗な方なんですね。へぇ~、流石はサクセスさんですね。モテるんですね。」
「ちょちょちょっ! 違うって。誤解だって。確かにカリーは綺麗な顔立ちをしてるけど……。」
「そうですか、カリーさんですか……わかりました。元気そうで良かったです。」
完全にシロマがそっぽを向いてしまった。
まずいな……こうなると中々機嫌が戻らないんだよなぁ。
「シロマ、勘違いしているけど、俺の新しい仲間に女はいないぞ?」
「え?」
「だぁかぁら、カリーは女じゃなくて男! シロマの勘違いだよ。っというか、カリーはイケメンだからシロマに会わせたくなくて……それで……ごにょごにょ……。」
「あ、もしかして私がその人を好きになると思っているんですか?」
ちょ!
ダイレクト!
あ~そうですよ! その通りですよ!
「……うん。ぶっちゃけ不安だから会わせたくない……。」
「ップ……サクセスさん。可愛いですね。」
「からかうなよ! もういい、さっさと戻るぞ。」
今度は逆に俺がふくれっ面になって、そのまま空を飛んで船に戻っていった。
「大丈夫ですよ。私はサクセスさん以外を好きになることはありませんから。」
「え? なんだって?? 風がうるさくてよく聞こえなかった!」
「なんでもありません。それよりも、イケメンの方って楽しみですね!」
シロマは聞こえなかったのをいい事に俺をからかう。
「くそおおおお! やっぱり男は顔かぁぁぁぁぁ!」
シロマの言葉にショックを受けた俺は、若干やけくそになりながら、ぶっ飛ばして船に戻る。
「師匠!! 凄かったでござる! 半端ないでござる! 気違いでござる!」
俺が船に着地すると、イモコが興奮した様子で駆けつけてくるなり叫んできた。
つか、最後の言葉少しおかしくね?
「あぁ、お前は本当に凄いぜ、サクセス。正直、ここまでお前が凄いと、なんだか俺が馬鹿みたいだな。ところで、その子は誰だ?」
イモコに続いてカリーも俺のところに来た。
「あぁ、カリー。この子は俺……の……。」
あれ?
なんだこれ……。
急に力が……抜ける……。
ダメだ、意識……が……
「サクセス! おい! どうしたサクセス! しっかりしろ!!」
「サクセスさん! どうしたんですか? 【エクスヒーリング】【ケアリック】だめです、怪我や状態異常じゃありません!」
「あんた僧侶か! どうなんだ? サクセスに何があったんだ!」
「わかりません! でも安心してください。私なら治せます。【リバースヒール】」
【リバースヒール】
それは、対象の体を時間を遡って回復させる魔法。
例え瀕死もしくは死んで間もない状態であったとしても、その前の状態に戻す効果がある。
戻せる時の長さに制限はあるが、ある意味究極の回復魔法であった。
そして、サクセスを亜空間バリアで守った後、シロマが真っ先に使った魔法でもある。
「リバースヒール? なんだそれは?」
「ちょっと静かにしてください! 集中しないとできないんです!」
さっきまで自信に満ちていたシロマが焦り始める。
サクセスを助ける為に、身につけた新しい力。
それが、なぜか今になって全くサクセスに効果がないからだ。
「ダメです……。戻りません……。」
「おい! どういう事なんだよ! ちゃんと説明しろよ!」
カリーはサクセスを心配するあまり、語気を強めた。
そこにイモコが現れて、サクセスの胸に耳を当てる。
「カリー殿……大丈夫でござる。師匠の心臓は動いているでござるよ。とりあえず、一度町に戻るでござる。」
イモコがそう言った瞬間、サクセスの体から赤と青の何かが浮かび上がってくる。
そしてそれは、仰向けになって倒れているサクセスのお腹の上に集まると、姿を変えた。
ーーゲロゲロに。
「ゲロちゃん!?」
死んだと思っていたゲロゲロが、全く傷のない姿で目の前にいる。
シロマは、信じられない光景を目にして開いた口がふさがらなかった。
そしてカリーもまた……
「どういうことだ……これは……。まさか、サクセスはゲロゲロと合体していたのか!? それであんな姿に……。」
シロマは、カリーの言葉に思わず驚いて目を向けた。
「なんであなたがゲロちゃんを知っているんですか!?」
「なんでって。そりゃあ、サクセスとゲロゲロの三人で旅をしてきたからな。それよりも、いい加減あんた誰なんだ? 俺はサクセスの仲間のカリーだ。」
「あなたがカリーさん……そうですか……。今までサクセスさんを助けていただきありがとうございます。でも、あんな化け物を相手に、サクセスさんだけを戦わせるなんて、信じられません! これからは、私がいますので結構です! それと言い遅れましたが、私はサクセスさんの仲間のシロマと言います。」
シロマは怒っていた。
サクセスに仲間がいると聞いた時から、本当は凄く怒っていた。
なぜならば、サクセスは死ぬ寸前だったのだ。
もしも、自分が間に合わなければ、サクセスはこの世にいなかった。
相手はサクセスが苦戦するほどの強敵であったのはわかる。
しかしそんな相手に対して、サクセスを一人にさせたのは許せなかった。
例え、力がなくても他に何かできたはず。
少なくとも、自分は絶対にサクセスを一人にはさせないし、イーゼやリーチュンも同じだと思う。
つまり、この人はサクセスの本当の仲間ではない。
シロマはそう判断した。
「それは……弁解の余地もねぇ。そうだ、俺の力が足りないからサクセスに無理をさせた。すまないと思っている。」
「カリー殿! それは違うでござるよ!! カリー殿は頑張ったでござる! それにあの時だって……」
「よせ、イモコ! 力になれなかったのは確かだ。言い訳をするつもりはない。俺は後少しで、一生後悔するところだった……。」
イモコが何かを言おうとしたが、それをカリーは止めた。
実際、サクセスがヤバイ状態になった時、カリーは船から海に飛び込もうとしたのだ。
だが、それを必死に止めたのはイモコ達。
カリーを抑えるのに、船員全員で止めたのである。
「そうですか……わかりました。私こそ、何も知らずに酷い事を言ってしまい、申し訳ありません。ですが、町に着くまでサクセスさんと二人にさせてください。もちろんゲロちゃんもですが……。」
カリーの言葉に、シロマは罪悪感を感じる。
実際、シロマが駆けつけたのは、本当にサクセスが死ぬ直前。
つまり、その前の状況等は何もわかっていない。
そこからの状況だけを見ればシロマが怒るのも無理もない話。
しかし、カリーの言葉を受けて、この男が何もしなかったわけではないことを察した。
「わかった。サクセスもその方が嬉しいだろう。イモコ、どこか部屋を案内してやってくれねぇか?」
「……わかったでござる。ですが……いや、何でもないでござる。」
イモコは何かを言いかけたが、やめた。
カリーが何も言わないのだから、自分が余計な事を言うのはまずいと思ったのだ。
そもそも、力が足りなかったのはカリー殿だけではない。
某も……
そう思ったイモコも、内心複雑な思いである。
それに、初めて会うこの女性(シロマ)に対して、そこまで信頼していいのかもわからない。
だけど、師匠が信頼するカリー殿の言葉だからこそ、イモコは何も言わずに従ったのであった。
「わかりました。仲間ですか……イーゼさんですか? リーチュンですか?」
俺はリヴァイアサンを無事討伐したことから、シロマを抱いて仲間のいる船に戻ろうとすると、シロマが何故か不機嫌な声で聞いて来た。
なんで怒ってるの?
まぁ、とりあえずイーゼとリーチュンではないので、しっかり説明しておこう。
「いや、イーゼとリーチュンにはまだ会ってないよ。仲間っていうのは、新しくできた俺の仲間だ。すげぇ頼りになる奴だよ。」
「そうですか……頼りになる方ですか。それは良かったですね。ところで綺麗な方でしょうか?」
シロマの言い方に、少し棘を感じる。
どことなく冷たい感じだ。
綺麗?
綺麗と言えば綺麗だな。
男の俺でも、うっかり惚れそうに……!?
しまった!
カリーをシロマに会わせたら……まずい!
ここに来て、新たなラスボスの登場に焦る俺。
そしてその様子を見て、シロマは勘違いした。
「言えないってことは綺麗な方なんですね。へぇ~、流石はサクセスさんですね。モテるんですね。」
「ちょちょちょっ! 違うって。誤解だって。確かにカリーは綺麗な顔立ちをしてるけど……。」
「そうですか、カリーさんですか……わかりました。元気そうで良かったです。」
完全にシロマがそっぽを向いてしまった。
まずいな……こうなると中々機嫌が戻らないんだよなぁ。
「シロマ、勘違いしているけど、俺の新しい仲間に女はいないぞ?」
「え?」
「だぁかぁら、カリーは女じゃなくて男! シロマの勘違いだよ。っというか、カリーはイケメンだからシロマに会わせたくなくて……それで……ごにょごにょ……。」
「あ、もしかして私がその人を好きになると思っているんですか?」
ちょ!
ダイレクト!
あ~そうですよ! その通りですよ!
「……うん。ぶっちゃけ不安だから会わせたくない……。」
「ップ……サクセスさん。可愛いですね。」
「からかうなよ! もういい、さっさと戻るぞ。」
今度は逆に俺がふくれっ面になって、そのまま空を飛んで船に戻っていった。
「大丈夫ですよ。私はサクセスさん以外を好きになることはありませんから。」
「え? なんだって?? 風がうるさくてよく聞こえなかった!」
「なんでもありません。それよりも、イケメンの方って楽しみですね!」
シロマは聞こえなかったのをいい事に俺をからかう。
「くそおおおお! やっぱり男は顔かぁぁぁぁぁ!」
シロマの言葉にショックを受けた俺は、若干やけくそになりながら、ぶっ飛ばして船に戻る。
「師匠!! 凄かったでござる! 半端ないでござる! 気違いでござる!」
俺が船に着地すると、イモコが興奮した様子で駆けつけてくるなり叫んできた。
つか、最後の言葉少しおかしくね?
「あぁ、お前は本当に凄いぜ、サクセス。正直、ここまでお前が凄いと、なんだか俺が馬鹿みたいだな。ところで、その子は誰だ?」
イモコに続いてカリーも俺のところに来た。
「あぁ、カリー。この子は俺……の……。」
あれ?
なんだこれ……。
急に力が……抜ける……。
ダメだ、意識……が……
「サクセス! おい! どうしたサクセス! しっかりしろ!!」
「サクセスさん! どうしたんですか? 【エクスヒーリング】【ケアリック】だめです、怪我や状態異常じゃありません!」
「あんた僧侶か! どうなんだ? サクセスに何があったんだ!」
「わかりません! でも安心してください。私なら治せます。【リバースヒール】」
【リバースヒール】
それは、対象の体を時間を遡って回復させる魔法。
例え瀕死もしくは死んで間もない状態であったとしても、その前の状態に戻す効果がある。
戻せる時の長さに制限はあるが、ある意味究極の回復魔法であった。
そして、サクセスを亜空間バリアで守った後、シロマが真っ先に使った魔法でもある。
「リバースヒール? なんだそれは?」
「ちょっと静かにしてください! 集中しないとできないんです!」
さっきまで自信に満ちていたシロマが焦り始める。
サクセスを助ける為に、身につけた新しい力。
それが、なぜか今になって全くサクセスに効果がないからだ。
「ダメです……。戻りません……。」
「おい! どういう事なんだよ! ちゃんと説明しろよ!」
カリーはサクセスを心配するあまり、語気を強めた。
そこにイモコが現れて、サクセスの胸に耳を当てる。
「カリー殿……大丈夫でござる。師匠の心臓は動いているでござるよ。とりあえず、一度町に戻るでござる。」
イモコがそう言った瞬間、サクセスの体から赤と青の何かが浮かび上がってくる。
そしてそれは、仰向けになって倒れているサクセスのお腹の上に集まると、姿を変えた。
ーーゲロゲロに。
「ゲロちゃん!?」
死んだと思っていたゲロゲロが、全く傷のない姿で目の前にいる。
シロマは、信じられない光景を目にして開いた口がふさがらなかった。
そしてカリーもまた……
「どういうことだ……これは……。まさか、サクセスはゲロゲロと合体していたのか!? それであんな姿に……。」
シロマは、カリーの言葉に思わず驚いて目を向けた。
「なんであなたがゲロちゃんを知っているんですか!?」
「なんでって。そりゃあ、サクセスとゲロゲロの三人で旅をしてきたからな。それよりも、いい加減あんた誰なんだ? 俺はサクセスの仲間のカリーだ。」
「あなたがカリーさん……そうですか……。今までサクセスさんを助けていただきありがとうございます。でも、あんな化け物を相手に、サクセスさんだけを戦わせるなんて、信じられません! これからは、私がいますので結構です! それと言い遅れましたが、私はサクセスさんの仲間のシロマと言います。」
シロマは怒っていた。
サクセスに仲間がいると聞いた時から、本当は凄く怒っていた。
なぜならば、サクセスは死ぬ寸前だったのだ。
もしも、自分が間に合わなければ、サクセスはこの世にいなかった。
相手はサクセスが苦戦するほどの強敵であったのはわかる。
しかしそんな相手に対して、サクセスを一人にさせたのは許せなかった。
例え、力がなくても他に何かできたはず。
少なくとも、自分は絶対にサクセスを一人にはさせないし、イーゼやリーチュンも同じだと思う。
つまり、この人はサクセスの本当の仲間ではない。
シロマはそう判断した。
「それは……弁解の余地もねぇ。そうだ、俺の力が足りないからサクセスに無理をさせた。すまないと思っている。」
「カリー殿! それは違うでござるよ!! カリー殿は頑張ったでござる! それにあの時だって……」
「よせ、イモコ! 力になれなかったのは確かだ。言い訳をするつもりはない。俺は後少しで、一生後悔するところだった……。」
イモコが何かを言おうとしたが、それをカリーは止めた。
実際、サクセスがヤバイ状態になった時、カリーは船から海に飛び込もうとしたのだ。
だが、それを必死に止めたのはイモコ達。
カリーを抑えるのに、船員全員で止めたのである。
「そうですか……わかりました。私こそ、何も知らずに酷い事を言ってしまい、申し訳ありません。ですが、町に着くまでサクセスさんと二人にさせてください。もちろんゲロちゃんもですが……。」
カリーの言葉に、シロマは罪悪感を感じる。
実際、シロマが駆けつけたのは、本当にサクセスが死ぬ直前。
つまり、その前の状況等は何もわかっていない。
そこからの状況だけを見ればシロマが怒るのも無理もない話。
しかし、カリーの言葉を受けて、この男が何もしなかったわけではないことを察した。
「わかった。サクセスもその方が嬉しいだろう。イモコ、どこか部屋を案内してやってくれねぇか?」
「……わかったでござる。ですが……いや、何でもないでござる。」
イモコは何かを言いかけたが、やめた。
カリーが何も言わないのだから、自分が余計な事を言うのはまずいと思ったのだ。
そもそも、力が足りなかったのはカリー殿だけではない。
某も……
そう思ったイモコも、内心複雑な思いである。
それに、初めて会うこの女性(シロマ)に対して、そこまで信頼していいのかもわからない。
だけど、師匠が信頼するカリー殿の言葉だからこそ、イモコは何も言わずに従ったのであった。
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