24 / 59
第一章:アナザーニューワールド
25 再会
しおりを挟む
一方、頭部が陥没したシロクマは、M〇〇星からやってきた光の巨人に倒された怪獣のごとく、付近の木々を粉砕し、勢いよく後方に倒れる。
地面に着地したブライアンは持っていたピコハンを地面に置き、何故かタケノコニョッキニョキのような決めポーズをしていた。
それはブライアンなりの最高の決めポーズ。
悲しい事に俺は既に気絶したため、その雄姿? を見る事はなかった。
もし見ても、格好いいとはお世辞にも思えないだろうが……。
「相棒! 見ててくれたか! マドンナちゃんにしっかり伝えろよバーロー!!」
しかし、返事は来ない。
不思議に思い、辺りを見渡すブライアン。
「お? 相棒? どこだ? お! 相棒起きろ! 寝るには早いぜバーロー!」
大樹の近くに倒れていた俺を見つけたブライアンは、俺の肩を掴んで必死に揺り起こす。」
「あ……ブライアン。そうか、やっつけたのか。お前は本当にすげぇよ、心から尊敬する。お前が生きててよかった……うぅ……うう。」
自分のせいで一時は死んでしまったかと思っていた俺は、涙が止まらない。
巨大怪獣シロクマを倒したことよりも、ブライアンが生きていた事に喜んだ。
それと同時に、不甲斐ない自分が悔しくて、悔しくて……その瞳から涙が溢れる。
「ブライアン……ごめんな。」
「相棒……マドンナちゃんを俺っちに取られるのがそんなに悔しいのか……。でもいくら相棒でもこれだけは譲れねぇぜバーロ…」
ブライアンは俺の涙の訳を盛大に勘違いしている。
「ちげぇよばか、マドンナちゃんって誰だよ。馬面なら興味ねぇよ……。もういいよ馬鹿、ありがとう。」
そんな二人の感動のシーンに、また声が聞こえる。
だが、今度は聞き覚えのある声だった。
「やっときたニャ……。待っていたニャ。」
その声の主は、ずっと探していたアズだった。
「アズ! どこ行ってたんだよ! 本当に心配したんだからな。」
「お? チビ助みっけ! これで全員見つけたから、今度は俺っちが隠れる番だな!」
ブライアンはまだかくれんぼだと思っている。
「馬鹿はほっといてさっさと行くニャ! ここからはシンとにゃあしか入れないニャ。この木の穴が目的の洞窟ニャ!」
アズの後ろには、人が一人は入れるくらいの穴が大樹に開いている。
「え? ブライアンは入れないの?」
俺はブライアンが入れないことで不安になった。
ここまでずっとブライアンに守られてきた。だからこそブライアンがいない事は恐怖でしかない。
「そこの馬は待ってるニャ。ここは亜空間になっていて、シンとにゃあしか入れないのニャ、そこの馬は入っても進めないニャ。」
「お? また俺っちが鬼か? いいぜ、今度はもっと早く見つけてやんよ!」
ブライアンの勘違いは続いている。
「わかった、じゃあブライアン。俺とアズはちょっと隠れるから10秒数えるまで目を開けるなよ。」
本当はブライアンに来てほしいが、いつまでも甘えるわけにはいかない。
ブライアンがかくれんぼだと思うならばそれに乗っかろうと思った。
このままじゃだめだ!
今の弱いままでは誰も助けられない。
自分一人すら……。
俺は今回の事で、この世界において自分が如何に無力であるかを実感した。
故にどうしても強くなりたかった。
「よし、行くか! ブライアン、またな!」
こうして俺とアズは、ブライアンと一時的に別れ、大樹の洞窟に入っていくのだった。
地面に着地したブライアンは持っていたピコハンを地面に置き、何故かタケノコニョッキニョキのような決めポーズをしていた。
それはブライアンなりの最高の決めポーズ。
悲しい事に俺は既に気絶したため、その雄姿? を見る事はなかった。
もし見ても、格好いいとはお世辞にも思えないだろうが……。
「相棒! 見ててくれたか! マドンナちゃんにしっかり伝えろよバーロー!!」
しかし、返事は来ない。
不思議に思い、辺りを見渡すブライアン。
「お? 相棒? どこだ? お! 相棒起きろ! 寝るには早いぜバーロー!」
大樹の近くに倒れていた俺を見つけたブライアンは、俺の肩を掴んで必死に揺り起こす。」
「あ……ブライアン。そうか、やっつけたのか。お前は本当にすげぇよ、心から尊敬する。お前が生きててよかった……うぅ……うう。」
自分のせいで一時は死んでしまったかと思っていた俺は、涙が止まらない。
巨大怪獣シロクマを倒したことよりも、ブライアンが生きていた事に喜んだ。
それと同時に、不甲斐ない自分が悔しくて、悔しくて……その瞳から涙が溢れる。
「ブライアン……ごめんな。」
「相棒……マドンナちゃんを俺っちに取られるのがそんなに悔しいのか……。でもいくら相棒でもこれだけは譲れねぇぜバーロ…」
ブライアンは俺の涙の訳を盛大に勘違いしている。
「ちげぇよばか、マドンナちゃんって誰だよ。馬面なら興味ねぇよ……。もういいよ馬鹿、ありがとう。」
そんな二人の感動のシーンに、また声が聞こえる。
だが、今度は聞き覚えのある声だった。
「やっときたニャ……。待っていたニャ。」
その声の主は、ずっと探していたアズだった。
「アズ! どこ行ってたんだよ! 本当に心配したんだからな。」
「お? チビ助みっけ! これで全員見つけたから、今度は俺っちが隠れる番だな!」
ブライアンはまだかくれんぼだと思っている。
「馬鹿はほっといてさっさと行くニャ! ここからはシンとにゃあしか入れないニャ。この木の穴が目的の洞窟ニャ!」
アズの後ろには、人が一人は入れるくらいの穴が大樹に開いている。
「え? ブライアンは入れないの?」
俺はブライアンが入れないことで不安になった。
ここまでずっとブライアンに守られてきた。だからこそブライアンがいない事は恐怖でしかない。
「そこの馬は待ってるニャ。ここは亜空間になっていて、シンとにゃあしか入れないのニャ、そこの馬は入っても進めないニャ。」
「お? また俺っちが鬼か? いいぜ、今度はもっと早く見つけてやんよ!」
ブライアンの勘違いは続いている。
「わかった、じゃあブライアン。俺とアズはちょっと隠れるから10秒数えるまで目を開けるなよ。」
本当はブライアンに来てほしいが、いつまでも甘えるわけにはいかない。
ブライアンがかくれんぼだと思うならばそれに乗っかろうと思った。
このままじゃだめだ!
今の弱いままでは誰も助けられない。
自分一人すら……。
俺は今回の事で、この世界において自分が如何に無力であるかを実感した。
故にどうしても強くなりたかった。
「よし、行くか! ブライアン、またな!」
こうして俺とアズは、ブライアンと一時的に別れ、大樹の洞窟に入っていくのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる