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2:ジュリアの理想の夫婦像②
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待ちに待った時がやってきた。
ダニエルと、その両親が到着したのである。
使用人から知らせを受けると、ジュリアはすぐさま部屋を飛び出した。
我を忘れて廊下を走ったが、階段まで来たところでピタリと足を止めた。
「ようこそいらっしゃいました。
娘も、すぐ参りますので、どうぞ奥の部屋でお待ち下さい」
「ありがとうございます。
さあ、ダニエルもご挨拶を」
そんな声が聞こえてきたものだから、慌てて足音を殺して手すりに飛びついた。
そっと階下を覗き込めば、柔らかな金髪を揺らして微笑む青年の姿が見えた。
彼は一歩前に出ると、深々と頭を下げる。
そしてゆっくりと顔を上げながら
「ダニエル・バークスです。
これから、どうぞよろしく……」
と言いかけたのだったが、突然、言葉を切った。
マズイ……!
ジュリアは嫌な予感がして、慌ててしゃがみ込もうとしたが、もう遅かった。
彼女の視線に気づいたらしいダニエルが、じっとこちらを見ていて。
バッチリと目が合ってしまったのである。
手すりの陰に身を潜めながら、ジュリアは心臓がバクバク鳴るのを感じていた。
こんなはずじゃなかったのに!
初めての出会いは、もっと……もっとドラマチックな感じになるだろうと期待していたのに!
ぶつぶつと文句を言っても、もう遅い。
なにより原因は自分なのが分かっているだけに、苛立ちをぶつける相手さえいないのが悔しかった。
彼の視線を辿ったのだろう。
ジュリアの父親が
「ジュリア、いるのかい?
早く降りてきなさい」
と呼ぶのが聞こえて、ジュリアは仕方なく立ち上がると、平静を装って、優雅に階段を降りていった。
こんなところをダニエルに見られたと思うと、顔から火が出そうなほど恥ずかしかったけれど。
なんとか笑顔を貼り付けて、誤魔化す。
チラッと見れば、ダニエルは少しもバカにした様子では無かった。
それがせめてもの救いである。
この時ジュリアは、初めて彼をまともに見た。
特別目立つわけではないが、整った顔立ちをしている。
背はジュリアよりほんの少し高い程度だ。
「ダニエル・バークスです。
どうぞよろしくお願いいたします」
「ジュリア・チェスターですわ。
こちらこそ、よろしくお願いいたします」
幾分緊張しているのだろうか。
ダニエルの表情は固い。
しかし、深い緑の瞳がとても印象的で。
目があった瞬間、ドキリとしてしまった。
私は来年には、この人の妻になるんだわ!
そう考えただけで、胸が躍った。
心なしか、ジュリアを見るダニエルの目も、優しい光に満ちているように思える。
つまりジュリアは、たった数分で、すっかりダニエルを気に入ってしまったのだった。
きっと、お父様とお母様のような仲睦まじい夫婦になって、誰もが羨むおしどり夫婦と呼ばれてみせる!
ジュリアは振り返ると、ダニエルには見えぬように、両親に向かって小さくガッツポーズしてみせた。
すると2人も、安心したように微笑んでくれたのだった。
ダニエルと、その両親が到着したのである。
使用人から知らせを受けると、ジュリアはすぐさま部屋を飛び出した。
我を忘れて廊下を走ったが、階段まで来たところでピタリと足を止めた。
「ようこそいらっしゃいました。
娘も、すぐ参りますので、どうぞ奥の部屋でお待ち下さい」
「ありがとうございます。
さあ、ダニエルもご挨拶を」
そんな声が聞こえてきたものだから、慌てて足音を殺して手すりに飛びついた。
そっと階下を覗き込めば、柔らかな金髪を揺らして微笑む青年の姿が見えた。
彼は一歩前に出ると、深々と頭を下げる。
そしてゆっくりと顔を上げながら
「ダニエル・バークスです。
これから、どうぞよろしく……」
と言いかけたのだったが、突然、言葉を切った。
マズイ……!
ジュリアは嫌な予感がして、慌ててしゃがみ込もうとしたが、もう遅かった。
彼女の視線に気づいたらしいダニエルが、じっとこちらを見ていて。
バッチリと目が合ってしまったのである。
手すりの陰に身を潜めながら、ジュリアは心臓がバクバク鳴るのを感じていた。
こんなはずじゃなかったのに!
初めての出会いは、もっと……もっとドラマチックな感じになるだろうと期待していたのに!
ぶつぶつと文句を言っても、もう遅い。
なにより原因は自分なのが分かっているだけに、苛立ちをぶつける相手さえいないのが悔しかった。
彼の視線を辿ったのだろう。
ジュリアの父親が
「ジュリア、いるのかい?
早く降りてきなさい」
と呼ぶのが聞こえて、ジュリアは仕方なく立ち上がると、平静を装って、優雅に階段を降りていった。
こんなところをダニエルに見られたと思うと、顔から火が出そうなほど恥ずかしかったけれど。
なんとか笑顔を貼り付けて、誤魔化す。
チラッと見れば、ダニエルは少しもバカにした様子では無かった。
それがせめてもの救いである。
この時ジュリアは、初めて彼をまともに見た。
特別目立つわけではないが、整った顔立ちをしている。
背はジュリアよりほんの少し高い程度だ。
「ダニエル・バークスです。
どうぞよろしくお願いいたします」
「ジュリア・チェスターですわ。
こちらこそ、よろしくお願いいたします」
幾分緊張しているのだろうか。
ダニエルの表情は固い。
しかし、深い緑の瞳がとても印象的で。
目があった瞬間、ドキリとしてしまった。
私は来年には、この人の妻になるんだわ!
そう考えただけで、胸が躍った。
心なしか、ジュリアを見るダニエルの目も、優しい光に満ちているように思える。
つまりジュリアは、たった数分で、すっかりダニエルを気に入ってしまったのだった。
きっと、お父様とお母様のような仲睦まじい夫婦になって、誰もが羨むおしどり夫婦と呼ばれてみせる!
ジュリアは振り返ると、ダニエルには見えぬように、両親に向かって小さくガッツポーズしてみせた。
すると2人も、安心したように微笑んでくれたのだった。
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