やっかいな幼なじみは御免です!

ゆきな

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それからというもの、マーティは時々お茶をしに、ネリーの屋敷にやって来るようになった。
もちろんその反対に、ネリーが招待されることもある。


次にマーティと会うのは……5日後ね。


ネリーは指を追って数えてみた。

それまでに、彼のすすめてくれた本を読んでおかなければ。
これはあと数十ページだから充分間に合うだろう。
それから、彼が以前喜んで食べていたタルトを、また作ってくれるように、料理人にお願いしておかないと。

ネリーは、タルトをひと口頬張って、キラキラと輝いた彼の目を思い出して、思わず頬を緩ませた。
たくさんの女性たちを虜にするマーティが、タルト1つで、あんなにも喜ぶなんて。
それは自分くらいしか知らないことに違いない。

なんて1人で思いを巡らせていたものだから、

「そうだよな、ネリー?」

突然、父親に問いかけられて、ネリーは我に返った。

正面ではディアス伯爵、そして隣では伯爵夫人が不思議そうにこちらを見ている。
ネリーは、両親と共にソファーに座っていたことなど、すっかり忘れてしまっていたのだ。

「どうしたの、ネリー。大丈夫?」

と伯爵夫人に言われても、

「大丈夫よ……」

と言うのが精一杯。
まさかマーティの事を考えていたとは言いづらくて、モゴモゴと口を動かしてから

「……ごめんなさい。
ちょっと考え事をしていて、話を聞いていなかったの。
何のお話しだったかしら?」

と、申し訳なさそうに呟いた。

「マーティ様の話だよ。
最近は、よく訪ねて来てくれるようだね?」

これにはビックリしてしまった。
ちょうど考えていたマーティの名前が突然飛び出して来たものだから、

「え、え?マーティ様?」

と、動揺のあまり、声が裏返ってしまう。

それに気がついたのか、どうなのか。
伯爵も伯爵夫人も指摘こそしなかったものの、そっと視線を交わすと、ほんの少し笑ったようにネリーには思えて

「マーティ様ね!
ええ、確かに最近よく来て下さってるわ」

平静を装って言ったつもりだったが、思いがけず声が大きくなってしまって、余計にドギマギしてしまったのだった。


「仲良くやっているかね?」
「ええ、そう思うわ。
マーティ様のご両親も、いつも親切にして下さるし。
気に入って頂けていると思うわ」
「そうか、そうか」

満足そうに伯爵が頷く。
伯爵夫人も

「それなら良かったわね」

と、いつになく嬉しそうだ。
伯爵夫人が、髪を整えるように手で撫で付けながら、言葉を続けて

「ねえ、ネリーはいつも、マーティ様とはどんなお話をしているの?」

と聞いた時だった。
ネリーが口を開く前に、ノックの音がしたかと思うと

「失礼します」

と使用人が入って来たものだから、一同の視線が彼に集まった。

「マーティ様がいらっしゃいました」


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