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「そ、そんなわけないじゃないか」
マーティは、これ以上アリスと目を合わせまいと、そっぽを向いて答えた。
「何かシェイマスが言ってきたわけじゃないんだろ?」
「ええ。具体的に何があったっていうわけじゃないんだけど……」
「じゃあ大丈夫だよ。ただの心配しすぎさ」
と、不安を吹き飛ばしてやろうと、大げさに笑って見せた。
しかし直接見ていなくても、アリスがまだションボリしているのが手に取るように分かって、焦りが募る。
なにかもっと、気の利いたことを言って安心させてやらないと!
そこでマーティは、アリスが悲しげに
「でも……どうしてもシェイマスは、私のことが好きじゃないように思えちゃって」
と言うのに対して、自信満々で答えたのである。
「まさか!アリスのことは好きに決まってるさ。
きみが婚約者で嬉しくない男なんて、いやしないよ」
これはマーティの本音だった。
こんなに可愛くて性格もいいアリスだったら、男なら誰でも結婚相手に望むに違いないと、信じているのである。
本心だからこそ、自然と声にも力がこもる。
それを彼女は察したのかどうか。
アリスは目を丸くして、しばらくマーティを見つめていたが、やがて、そのまんまるの瞳が、ふっと細められた。
「ありがとう、マーティ。
そう言ってもらえると、嬉しいわ」
そして、すっとアリスの頭が、彼の胸に寄りかかってきたのである。
突然の行動に、呆気に取られてしまったマーティは、口をポッカリと開けたまま、固まってしまった。
「アリス……」
「少しだけ、こうさせてちょうだい」
いつもアリスの纏っている甘い香水が、香ってくる。
そのあまりの近さに、頭がクラクラしてきた。
幼い頃から隣にいた存在とはいえ、ここまで近づいたことはなかった。
そう思うと、体が熱くなってくる。
そして、考えるよりも前に、体の方が動いてしまっていた。
気がつけば、強くアリスを抱きしめてしまっていたのだ。
「マーティ!」
アリスが驚いた声を上げ、身をよじる。
しかし彼は少しも力を弱めることなく、黙ったまま、うっとりと目を閉じていた。
抵抗するアリスの声を上の空で聞きながら、愛する人を初めてこの手に抱いた感慨にふけっていたのだ。
まさか、ネリーにその様子を見られているなんて、思ってもみずに……。
マーティは、これ以上アリスと目を合わせまいと、そっぽを向いて答えた。
「何かシェイマスが言ってきたわけじゃないんだろ?」
「ええ。具体的に何があったっていうわけじゃないんだけど……」
「じゃあ大丈夫だよ。ただの心配しすぎさ」
と、不安を吹き飛ばしてやろうと、大げさに笑って見せた。
しかし直接見ていなくても、アリスがまだションボリしているのが手に取るように分かって、焦りが募る。
なにかもっと、気の利いたことを言って安心させてやらないと!
そこでマーティは、アリスが悲しげに
「でも……どうしてもシェイマスは、私のことが好きじゃないように思えちゃって」
と言うのに対して、自信満々で答えたのである。
「まさか!アリスのことは好きに決まってるさ。
きみが婚約者で嬉しくない男なんて、いやしないよ」
これはマーティの本音だった。
こんなに可愛くて性格もいいアリスだったら、男なら誰でも結婚相手に望むに違いないと、信じているのである。
本心だからこそ、自然と声にも力がこもる。
それを彼女は察したのかどうか。
アリスは目を丸くして、しばらくマーティを見つめていたが、やがて、そのまんまるの瞳が、ふっと細められた。
「ありがとう、マーティ。
そう言ってもらえると、嬉しいわ」
そして、すっとアリスの頭が、彼の胸に寄りかかってきたのである。
突然の行動に、呆気に取られてしまったマーティは、口をポッカリと開けたまま、固まってしまった。
「アリス……」
「少しだけ、こうさせてちょうだい」
いつもアリスの纏っている甘い香水が、香ってくる。
そのあまりの近さに、頭がクラクラしてきた。
幼い頃から隣にいた存在とはいえ、ここまで近づいたことはなかった。
そう思うと、体が熱くなってくる。
そして、考えるよりも前に、体の方が動いてしまっていた。
気がつけば、強くアリスを抱きしめてしまっていたのだ。
「マーティ!」
アリスが驚いた声を上げ、身をよじる。
しかし彼は少しも力を弱めることなく、黙ったまま、うっとりと目を閉じていた。
抵抗するアリスの声を上の空で聞きながら、愛する人を初めてこの手に抱いた感慨にふけっていたのだ。
まさか、ネリーにその様子を見られているなんて、思ってもみずに……。
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