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しおりを挟むカップ麺にお湯を注いで待っていると、宵は向かい側に座ってカップ麺の蓋にオニギリを置いて両肘をついたまま俺をじっと見つめてきて、ふにゃりと笑う
美形っていきなり笑うとパンチあるな…
後ろで女の子達も魂抜かれたみたいに口を開けてるし
「カップ麺嬉しいね。むーちゃん、あとで戻ってきたら怜さん達に、お礼言いに行こうね?」
「お、おう。そうだな。シャワー室もあるし、何でも揃ってるし有難いよな」
宵に相槌を打ちながら話してると、女の子の中の1人が話しかけてきた
俺には蔑むような視線で一瞥してから、宵の横に立つ
「ねぇ、宵くん。私、首藤 舞歌っていうの。舞歌って呼んでね。で、ね。お食事が終わったら一緒にゾンビ達が寄って来ないように松明を作る作業と、見張りの位置の案内に行こうと思うの。だから、ここで一緒に食事してもいい?」
舞歌と名乗る女の子は、かなり可愛い部類に入る髪の長い女の子で、この事態にちゃんとメイクもしてるし、服装も綺麗だった
「よろしく。舞歌さんは、ここに来て長いの?」
宵は俺以外には甘えたようには話さない。しっかり外向きの笑顔で対応してるのに、何故か胸がムカムカする
「舞歌でいいよぉ。隣座るね。私は来て4日かなあ。他の女の子たちも紹介するね。あっちの黒髪が絢ちゃん、茶髪が胡桃ちゃん。あとで一緒に松明のとこに行くからね」
「舞歌は何処から来たの?」
「もう封鎖されてるけど傘見区の下の方の集落よ。黒井君に助けられて、ここに来たのよね」
宵と舞歌の話に俺は入っていけない。人見知りするというか、初対面の人と宵みたいにうまく話せない
もそもそとラーメンを食べて、宵の付属品みたいに松明の作り方を見に行く
その途中で、舞歌に腕を押された
「あんた邪魔。ホームセンター中に帰りなさいよ」
宵に聞こえないように言われ、舞歌は楽しそうに宵の腕に絡みつく
宵も振り払ったりもせず、普通に舞歌と楽しそうに話してて、胸がぎゅうと痛んだ
「宵、ちょっと忘れ物したから取りに行くわ」
「うん。むーちゃん松明なんて作ったことある?少し楽しそうだね」
柔らかく笑う宵にも、なんだか卑屈な気持ちになってしまう
ニヤッと笑った舞歌が、後ろを指差す
「戻って来れなかったら困るから、絢ちゃん一緒に行ってあげて」
いつの間にか後ろにいた黒髪の可愛らしい顔をした絢と呼ばれた女性が気まずそうに頷いた
「あ、僕もついていく」
宵が立ちあがろうとするのを、舞歌が腕を引き引き留めながら、リップでテカッた唇を窄ませながら宵に縋り付く
「ダメよ、松明作るの遅れちゃうでしょお?ほら、早く忘れ物取りに行きなさい」
不機嫌そうな舞歌の言葉に、絢は一瞬怯えた顔になったが、そのまま俺と連れ立ってホームセンターに向かう
その途中で、絢が手招きした
「松明が出来たら、こっち。先に案内しておくから、こっち来て」
「う、うん…あの…俺…」
バリケードまで連れて行かれて絢に話しかけようとしたら、どんと絢に押された
松明が置かれたバリケードから落下する
「ごめんね。舞歌には逆らえないの。ごめんなさい…」
小さな震える声を聞きながら、かろうじて目の前のパイプに捕まりぶら下がった
バリケードはかなり高く、下はゾンビで犇いている
落ちたら、確実に死ぬ
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