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しおりを挟む掴んだ衝撃で手がぷるぷるしたが、パイプを伝い、足場のように組まれているパイプに足をかけて防炎シートを伝いながらパイプをよじ登る
「はぁ、はぁ、なんで!?い、いきなりつ、突き落とし…はぁ、はぁ」
もう少し、もう少しで死ぬとこだった!あの女まじか!!?
激しい動悸に下を再び見れば、ゾンビの群れは何故かバリケードを嫌ってか寄り付かず、避けるように道に流れていく
避ける理由は火じゃない?
今は昼時で松明も焚かれていない。それなのに、このホームセンターだけ変に避けるのは何故?
よく観察すると、周りに何か黒いものが撒かれている
その横には鼠の忌避剤や液体歯磨きの空ボトルが転がっている
臭いを避けるのか?ああ、ゾンビ達は目が白く濁っている。無いやつもいるし。臭いで行動するから、ミント系や忌避剤のような強い臭いが駄目なのか?
なのに、中の連中は松明がゾンビ避けになると信じて、せっせと松明を作らせてる?何のために?
考えながらも、自分を殺そうとした連中の事なんかいいか。それよりも、よじ登って帰ることは出来るが殺されそうになった手前、それも憚られる
宵は心配してるだろう
戻らないわけにはいかないが、殺されそうになった理由もわからない
宵が原因だとしても、すぐ会った男が目当てで人を殺そうとするだろうか?
いずれにせよ、戻りたくない
途方にくれてパイプにしがみついたまま時間がすぎる
いつまでも、このままというわけにはいかない
何人も遠目にゾンビに襲われている人を見たし、気分も最悪だ
暗くなるにつれ、ホームセンターを避けるようにゾンビ達は潮が引いたように何処かに帰っていく
寒いし、お腹も空いてきた。しかしあることに気付いて、ん?と眉を顰める
襲われていた人達が、ゾンビになっていないのだ
死んだままだ
これはどういうことだ?いや、全部がゾンビ映画のようではないのだろうけど
通常、ゾンビというのは噛まれたらゾンビ化するんじゃないのか?
死んだままならば、何故ゾンビが街に溢れているのか
考えてもわかんないことなんだけども
そういう仕様と言われれば、それまでなんだけども
あたりが暗くなって、ゾンビ達が見えなくなってから、俺はパイプを伝って降りた
液体歯磨きのボトルを拾い見つめる
ここをホームにした人は、ゾンビが液体歯磨きや強い臭いの忌避剤を避けることを知っている
蓮見ヶ丘小学校のバリケードも同じなのだろうか?
いや、ゾンビが群がっていたからそれはない
考えこんでいると、明かりに照らされて顔を上げると、見覚えのあるハイエースが目の前に停まった
「んだよ、むり君。何で外にいんの?」
「黒井さん!なんか変な女に突き落とされて…」
「あー…乗りなよ。それとも戻る?」
黒井さんの言葉に緩く首を振る
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