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ハイエースの助手席に乗り込むと、黒井さんはマッチを擦って煙草に火をつけた
うまそうに煙を飲み込みながら、にっと笑いかけてくる
ちらりとハイエースの後部座席を見ると、マウスウォッシュや忌避剤、煙草やカップ麺や水が積まれてある
黒井さんは俺の視線を読んだらしく、ぷかぷかと煙草の煙を吐いていた
「やっぱり、ゾンビは強いにおいが苦手なんですね?おかしいと思った。バイクならともかく、車で襲われないなんて…でも、怜さんは?ガソリンぶっかけて燃やしてましたよね?何故あんな危険なことを?」
「……むり君さあ、コミュニティでコミュニケーション取らずに、そんな怖い顔で問い詰めたりした?食べ物とか何も言わずに食べたりとか?」
黒井さんの呆れたような声に、かっと頬が赤くなる
確かに俺は宵みたいに上手く人と話したり出来ないけど、ぐっと拳を握り俯くと黒井さんは肩をすくめてハイエースを走らせた
「突き落とされたんだ?あ、女の子達は悪くないから恨むなよ。むり君は1日目だけど、俺たちは3週間この状況なんだから。食べ物にも限りがあるだろ?不安じゃん?コミュニケーション取れないやつ、組織的に役に立ちそうにないって判断したら、ああするしかないだろ?怜ちゃんは次から次に助けてくるしさ」
呑気そうに黒井さんに言われて、ぐっと唇を噛む。友達は宵しかいないし感じも良く無い。確かに食べ物も勝手にとった
うまく、しゃべれなかった
じわりと涙がわいてくる
「泣くなよ。助けたのも縁だし、俺の手伝いするなら助けてやるよ。俺はさあ、時間の限り怜ちゃんを助けてあげたいわけ!だからいろいろしてんだよーん」
「……泣いてません。なら、夜の見張りは何のために?」
「それを今から見せてやるよ。見張ってても意味はないんだけどな。怜ちゃんが、そうしたいらしいから」
黒井さんの言葉に首を傾げる。万が一に備えて見張ってるってことかな?
あちこち燃えているところや、襲われている人を横目に、黒井さんは本当に気にしてないように通り過ぎていく
怜さんがいないならば人を助ける気もないんだろう。ただ、あそこに連れて行かれて何人死んだのだか?
空のテントが多かった理由が垣間見えた
「はは、ゾンビが避けていきますね。車にも撒いてるんですか?」
「車はそうだな。山道登るから、捕まっておかないと舌噛むぞ」
ガタガタとした山道を超えて、やがて高台まで走ると、黒井さんは山道の途中で車を停めた
「ん、下見てみ。ちょうど傘見区だ」
黒井さんに言われて下を見てみると、遠目にはブルドーザーや重機が走り回り傘見区を更地にしていっている
そして傘見区よりも区の境の手前側には軍隊がバリケードをつくり、銃を持って彷徨いていた
それよりも、傘見区は壊滅状態だと聞いていた。なんでゾンビもいないんだ?
うまそうに煙を飲み込みながら、にっと笑いかけてくる
ちらりとハイエースの後部座席を見ると、マウスウォッシュや忌避剤、煙草やカップ麺や水が積まれてある
黒井さんは俺の視線を読んだらしく、ぷかぷかと煙草の煙を吐いていた
「やっぱり、ゾンビは強いにおいが苦手なんですね?おかしいと思った。バイクならともかく、車で襲われないなんて…でも、怜さんは?ガソリンぶっかけて燃やしてましたよね?何故あんな危険なことを?」
「……むり君さあ、コミュニティでコミュニケーション取らずに、そんな怖い顔で問い詰めたりした?食べ物とか何も言わずに食べたりとか?」
黒井さんの呆れたような声に、かっと頬が赤くなる
確かに俺は宵みたいに上手く人と話したり出来ないけど、ぐっと拳を握り俯くと黒井さんは肩をすくめてハイエースを走らせた
「突き落とされたんだ?あ、女の子達は悪くないから恨むなよ。むり君は1日目だけど、俺たちは3週間この状況なんだから。食べ物にも限りがあるだろ?不安じゃん?コミュニケーション取れないやつ、組織的に役に立ちそうにないって判断したら、ああするしかないだろ?怜ちゃんは次から次に助けてくるしさ」
呑気そうに黒井さんに言われて、ぐっと唇を噛む。友達は宵しかいないし感じも良く無い。確かに食べ物も勝手にとった
うまく、しゃべれなかった
じわりと涙がわいてくる
「泣くなよ。助けたのも縁だし、俺の手伝いするなら助けてやるよ。俺はさあ、時間の限り怜ちゃんを助けてあげたいわけ!だからいろいろしてんだよーん」
「……泣いてません。なら、夜の見張りは何のために?」
「それを今から見せてやるよ。見張ってても意味はないんだけどな。怜ちゃんが、そうしたいらしいから」
黒井さんの言葉に首を傾げる。万が一に備えて見張ってるってことかな?
あちこち燃えているところや、襲われている人を横目に、黒井さんは本当に気にしてないように通り過ぎていく
怜さんがいないならば人を助ける気もないんだろう。ただ、あそこに連れて行かれて何人死んだのだか?
空のテントが多かった理由が垣間見えた
「はは、ゾンビが避けていきますね。車にも撒いてるんですか?」
「車はそうだな。山道登るから、捕まっておかないと舌噛むぞ」
ガタガタとした山道を超えて、やがて高台まで走ると、黒井さんは山道の途中で車を停めた
「ん、下見てみ。ちょうど傘見区だ」
黒井さんに言われて下を見てみると、遠目にはブルドーザーや重機が走り回り傘見区を更地にしていっている
そして傘見区よりも区の境の手前側には軍隊がバリケードをつくり、銃を持って彷徨いていた
それよりも、傘見区は壊滅状態だと聞いていた。なんでゾンビもいないんだ?
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