へっぽこ勇者と色情狂いの王様

66

文字の大きさ
36 / 53

怖すぎる面会

しおりを挟む

そう思って意気込んで侍女について行ったのも束の間、いつも通りの重厚な扉が開かれて、さあ、ヴァイスにお願いするぞ!という意気込みも室内に入った瞬間、霧散してしまった

なぜならば

逆光に大きな1人掛けの豪華なソファに座ったまま出迎えてくれたヴァイスは上半身は肌蹴ていて鍛えられた筋肉を惜しみなく晒し、妖しい美貌には薄ら笑いを浮かべたまま、その手には鎖が握られていたからだ

犬のリードに使われそうな鎖を手に微笑むヴァイスは怖いくらい美しかった

「……やっぱり無理があったようだな。ウール、お願いに来たのだろう?」

楽そうに手の中の鎖をチャリチャリいわせながらヴァイスは気味が悪いくらい上機嫌だ

「ウール?どうした?」

鎖を見ないようにしながら、ヴァイスを見つめ返す。怖いが、仕方がない!お願いするしかない

「あっ、あー!あの、あまりにも拘束具の電撃が、きついので、やめてもらいたいです!!!」

言い切った後から怖いくらい沈黙が落ちる

恐る恐る視線を上げると、ヴァイスはまだ鎖を手の中でいじっていた

「ふぅん?でも、側室だし、仕方がないじゃないか?」

猫がネズミをいたぶるかのように、にやついているヴァイスに、うっと怯む

側室が冒険者になるなんて例外中も例外だし、異例な事だ

ヴァイスは王様としての面子もあるからと理屈も通っている

「うっ、いたい、痛いんです。痛いの、嫌です!スライムが体当たりしただけで、拘束具がビリビリします!このままじゃ旅を続けられません!」

泣きながら訴えてみる。本当に痛いのだ。ビリビリは

「うーん…、ウール、頼み方ってもんがあるだろう?」

足を組んだまま妙な色気を漂わせるヴァイスから視線を逸らす

わざわざ鎖を用意しているのだ。ヴァイスがしたい事があるのだろう

そして、それは十中八九、ぼくがしたくない事に違いない

「こ、拘束具を外してください」

恐怖のあまりぷるぷるしながら、そう言うとヴァイスは笑みを深める

「今夜、ウールがワンちゃんになるなら、いいよ」

ヴァイスの申し出に、へ?とキョトン顔を晒していると、立ち上がったヴァイスは身を屈ませて、ぼくの首に触れると拘束具に鎖をカチャリとかけた

「ワンちゃんだから、ワン以外喋るなよ。服を着てるなんて変だよな?」

あれよあれよという間に、すっぽんぽんにされたのだが、何が面白いのかヴァイスの目が興奮に細められるのを、涙目で見つめるしかない

「おいで、ウール」

広げられた両手に、恐る恐る抱きつくと、抱き上げられてソファに2人して沈む

「あ、お、重たくないですか?」

ヴァイスの首に腕を回したまま聞けば、パシリとお尻を叩かれた

痛みに顔を歪めると、お尻を撫でながらヴァイスが囁く

「ワン以外しゃべっちゃ駄目だろう?」

「う……わ、わん…」

釈然としないまま返事をすると、ヴァイスはにっこりといい顔で微笑んだ。本当に綺麗な顔なんだよな

そのまま脇に手を入れられ、持ち上げるようにくりくりと乳首を弄ってくるから身を捩る

「わ、わぁん、わん…」

抗議に上げた声に興奮するようにヴァイスは正面を向けて座りなおさせて、乳首をそのままいじいじと指の腹で撫で回しながら逃げれないようにか、ぎゅうと背中から抱きしめてきた

ピリピリとした電流が流れるように、少し気持ちよくて変な刺激に両太腿を擦り合わせていると、ヴァイスが笑った気配がした

「毎日、いじってるからすぐに乳首たっちゃうね。気持ちいい?本当は起きてたんだろ?」

摘んだり、擦ったりしながら耳元で囁かれて、ぞくりとした

毎日、いじってる??????

いや、そんな事された事ないはず…え?誰かと間違えてる?

「わ…わん…」

違うみたいに返事して首を振ったら、きゅうと乳首をつねられた

「違うじゃないだろう?毎日してたのに、今日から無くなるから寂しくて戻ってきたんだろう?」

ヴァイスの大きな手が腹を撫でて、すっと下半身を撫でた

人から触られたことのない、自分も触った事もない振るが熱く腫れていて混乱する

「手に、擦り付けてごらん?」

面白そうに囁かれてヴァイスの手に擦り付けると、これまた変な感じがした

夢中で腰を動かしているのに、ヴァイスは乳首をもう片手でいじくるのもやめてくれない

「ふふ、気持ちいい?ここと…ここ…」

後ろのお尻の穴に触れられて、身をこわばらせると、ヴァイスは笑みを深めた

「触った奴に電撃がいくようにしよう。ウールに対しての可愛いやつじゃなくて、強烈なやつを」

抱き上げられて、ベッドに連れて行かれる恐怖でジタバタしていると、ぎゅうと下半身を握られた

「全身舐め舐めが、まだだよ。毎日してるのに…全く…昨日もさせてくれなかったから、抵抗したら止められなくなるから犯すよ」

ヴァイスにそう言われて、ぴたりと抵抗をやめる。なんだか本当に抵抗していたらヤバそうな感じがしたからだ

「いい子、足から舐め舐めしようね」

ベッドに下ろすと、足の指からしゃぶられて戦慄する

本当に美味しそうに丁寧にふくらはぎや腕、背中から舐められて怖すぎて泣いてしまった

泣いているぼくをものともせず、乳首も舐めしゃぶられたのだが

「お尻は流石に駄目だね。ウール、泣かないで…朝までまだ時間はたっぷりあるんだから」

「う…うわぁん、やだ!やだぁ!」

ぐいぐいとヴァイスの顔を押し除けようとしても、力の差で敵わないし、うっとりとしながら、本当に全身お尻をのぞいて舐めまわされた

朝になったら息絶え絶えのぼくに、ゆっくりと名残惜しそうにヴァイスは替えのパンツを履かせてくる

「わ…わん?」

「もちろん、履いてきたパンツは没収だ」

不思議そうなぼくに、ヴァイスは本当に履いてきたパンツを大事そうに持って、ぼくを追い出したのだった

な、謎すぎるし怖い…

朝陽が目に染みながら、とぼとぼとパンの家を目指すぼくはお城を振り返った

怖すぎる!!!!!!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

結婚間近だったのに、殿下の皇太子妃に選ばれたのは僕だった

BL
皇太子妃を輩出する家系に産まれた主人公は半ば政略的な結婚を控えていた。 にも関わらず、皇太子が皇妃に選んだのは皇太子妃争いに参加していない見目のよくない五男の主人公だった、というお話。

ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜

キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」 (いえ、ただの生存戦略です!!) 【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】 生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。 ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。 のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。 「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。 「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。 「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」 なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!? 勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。 捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!? 「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」 ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます! 元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、

ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる

cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。 「付き合おうって言ったのは凪だよね」 あの流れで本気だとは思わないだろおおお。 凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?

嘘つきの婚約破棄計画

はなげ
BL
好きな人がいるのに受との婚約を命じられた攻(騎士)×攻めにずっと片思いしている受(悪息) 攻が好きな人と結婚できるように婚約破棄しようと奮闘する受の話です。

俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」 魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で――― 義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

才色兼備の幼馴染♂に振り回されるくらいなら、いっそ赤い糸で縛って欲しい。

誉コウ
BL
才色兼備で『氷の王子』と呼ばれる幼なじみ、藍と俺は気づけばいつも一緒にいた。 その関係が当たり前すぎて、壊れるなんて思ってなかった——藍が「彼女作ってもいい?」なんて言い出すまでは。 胸の奥がざわつき、藍が他の誰かに取られる想像だけで苦しくなる。 それでも「友達」のままでいられるならと思っていたのに、藍の言葉に行動に振り回されていく。 運命の赤い糸が見えていれば、この関係を紐解けるのに。

処理中です...