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悩みといらぬ助け
しおりを挟む忙しいだろうにヴァイスは立ち上がり、ぼくの前に跪き手を取る
本当にヴァイスは抽象画の中の王子様がそのまま抜け出してきたかのように美しい
色んな女性やオメガが、彼に夢中になる
自分の今の心境を鑑みると、王妃様も辛いだろうが、自分だって辛い
番になってないのに、こんな気持ちを抱えて番になっても本当に大丈夫なのだろうか?
自分も番になり見向きもされなくなって、ヴァイスが夢中になる女性やオメガを憎しみ、害す日が来るのではないか?
アルファ性とオメガ性は全く違う
うなじを差し出すのは文字通り全てを差し出すのと同意義だ
「ウール、本当は待ってあげたいが、こればかりは待てそうにない。ウールを奪われ、今ようやく蜜月を迎えた。次の発情期で番になれないと狂ってしまいそうだ。今すぐにはネックガードを取らなくていい。でも、発情期には外しておくように」
ヴァイスは手の甲に口付けて慌ただしく出ていく
ど、どうしよう~!暗証番号忘れたの言い出せる空気じゃない…
甘やかなヴァイスの空気に流されて、番になってもいいと思う
冷宮の首に噛み跡がある、お姉さん達が狂っていったように、自分もああなるなんて考えられない
だって、ヴァイスは優しいし、ぼくを最優先させてくれるし
『ここは地獄よ。信じてたのに全てを捧げて、塵みたいに捨てられたの』
いつかのお姉さんの言葉が蘇る
そうなるかもしれなくても、逆らえない。もうすぐウールは返される。番になってないウールはすぐに返されて、ヴァイスは妹がきたら、ぼくと同じように扱うの?
あんなに愛おしい目を向けて?
頭を抱え込みながら椅子に座ると、控えめにコンコンとガラスを叩く男がいた
このピンク頭はミルディコだ
「僕とクルクルを助けてくれたんだろ?あ、ありがとう。お礼言わなくちゃって。ク……ゴルディが教えてくれた。その…魔法石で閉じ込められてるだろ?クルクルが、ウールを助けてほしいって。陛下がいない時しか無理だろ?その…白い龍が今ならいるなら、中庭に来て欲しいって。勘違いするなよ!これで貸し借りなしなんだからな!?」
顔を真っ赤にしながら牢の鍵を開けて、いい事したみたいに親指を立ててミルディコが去っていく
あああああ!!忘れてた!!バルデモニウムに助けて欲しいって言ったわ。そういえば!
どうしよう?逃げたくはない。何故なら妹が輿入れしたら新しい刺激にヴァイスは夢中になる
と、とりあえず中庭に行ってバルデモニウムにここに止まると伝えるか?
助けてって言っといてなんだけども
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