へっぽこ勇者と色情狂いの王様

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リンと一緒に使用人として紛れて暮らす提案

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「困りましたね…ではですよ、有り得ないですが、使用人用のシャワーブースがあります。そこを使いましょ」

リンの言葉に力なく頷く

まだ外の離宮の方がマシだった。あ、しかもあれじゃないか?パンで金儲けする手も後宮に入ってしまえば外に出れない

つまり、ギルドから金儲けができないのだ

「わかった。でも、リンどうしよう。我々お金を稼ぐ手段がないんじゃ…」

「私は側女ですから、お給金出ますよ。ウール様はないけど、前みたいに気軽に外に出れる場所じゃないですよ」

うっ。リンですら、お給金をもらっているのに!ぼくが解放される年は16まで、あと8年もあるのに、月々切り詰めて50万オンスかかるので、年間、600万オンス…持参金がパンから貰ったお金を合わせて余り5100万オンス……3年分、1800万オンスを捻出しないといけない

救世主パンなしで

「お金がない…どうしよう…」

「あ!使用人としてお手伝いするのはどうですか?前みたいにぶらぶらしてるだけなのも良くないと思います」

いいこと思いついたみたいに言うけど、別にぼくはブラブラしていただけじゃないからな!勉強はしてなかったけど

「べ、勉強しないといけないんじゃないか?」

「してるところ見たことないですけど。侍女見習いの格好でもして私の仕事も手伝ってください。お給金分けますから」

「…リンからお金は貰えないよ。実家に仕送りしてるんだろ?」

そう、リンは中々の親思いな子で、宮廷の給金は全て親兄弟達に仕送りしていると聞いたことがある

「…必要なくなったんですよ」

「必要ないことないだろ…?まあとにかく、後宮に入ったのだから支給金をくれとかけあってみよう」

支給金を捻出しているのは、ぼくの親戚の管轄だし手紙を出してみよう

まあなんの嫌がらせか今までも無視されてるんだけれども

「せめて父上に手紙を出せたら変わるんだがなあ…」

溜息をついていると、リンが首を傾げる

「出せばいいじゃないですか?私も手紙を出すので一緒に出しますよ?」

「…ぼくは人質だよ?内通を疑われるだろ?まあぼくは子供だし、さして情報もないけれど、疑われる要素はない方がいいんだよ」

「まだ小さいのに色々考えるんですね。では、ご親戚の方に送りますか?」

リンの言葉に頷いて、手紙を書き上げたが、どうにも嫌な予感がする

これがダメなら、侍女見習いの格好で働かないとだな、とほほ…


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