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指名手配されている!
しおりを挟む「えー!変なことしないし、ウールと寝たい!大丈夫だよ、ね?ウール?」
パンが叫び出したが、ぼくとしては1人でゆっくり寝られた方がありがたい
パンは寝相悪そうだし
それに、一応ぼくはお飾りでも既婚者だからな
「いや、本当にそうだよ。万が一もないだろうけど、部屋は分けよう」
「えー……まあ旅に出たら、一緒に寝れるか…一緒に寝たいよう」
なんでそんなに、と思わなくもなかったが、パンパパのナイスフォローのおかげで別室で1人で広々と寝れたのだった
しかし、問題は次の日の朝に起こったのだ
朝の朝刊をながめながら朝食をとっていたパンパパがブーっ!と珈琲を吹き出したところから始まる
「なっ…!なっ…!はぁっ!はぁっ、な、な、な、ナード家のご、御子息でっ、えっ…あっ、ヴァイス陛下の…側室……た、た、た、大変だっ!パン!!!はっ!う、ウール様…!!」
すぐさま跪くパンパパに、パンと顔を見合わせる
「パパ、どうしたの?朝刊になにか……う、ウール?!」
でかでかと朝刊に、ぼくの顔が載っており、誘拐事件として賞金までかけられていて、卒倒しそうになる
こ、ここまでするとは
しかも賞金の額が8億オンスと、とんでもない金額だった
ここまで金額がでかいと、ハンターやギルド職員や冒険者達につけねらわれてしまうだろう
逃げ切れるとも思えない
もはや、ここまでか
パン達を巻き込むわけにもいくまい
「あの、そのまま、あそこで保護してくれたとぼくを突き出してください。王妃の侍女に誘拐されたと、ちゃんと証言するので」
「王妃様が噛んでるのか?それなら、このまま引き渡すと……ウール様は大丈夫なのか?」
「大丈夫かわからないですけど……」
「とりあえず、王室に背く事はできないから、一緒に王宮まで行こう。すぐに、後宮から出られるように、勇者の剣を引き抜いたと騒ぐのはどうだろう?勇者の剣を引き抜いたならば、魔王討伐の旅に出なくてはいけない決まりだ」
パンパパは難しい顔をする
「パパ、俺、ギルド長にウールが剣を抜いた事、伝えてくるよ!ウール、絶対に一緒に旅に出よう?でも、ハンターに狙われるのは困るから、一回王宮に帰ったほうがいいよ!すぐ、出れるように協力するからさ」
パンに励まされて頷く
そうだよな、ナード家の手前、こうでもしないと言い訳が立たないからの賞金だろうし
王妃様もおそらく、ぼくが邪魔だからゴブリンの巣に置き去りにしたんだろうし、旅に出るなら、これ幸いと送り出してくれるだろう
パンパパとパンと3人で、王宮に戻ろうという話になった
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