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ちらりとバルジアンを見上げると、バルジアンはほっぺたを紅潮させてにっこりと笑っている

「……あの、俺、そんな事したことなくて…」

許してくれ、ディープなのは、ちょっときつい。もう許してくれ。

「そうなの?僕も!じゃあ……しよ……」

全然許されなさそうで、にじり寄ってくるバルジアンにぐっと歯を食いしばる

許してくれ、もう許してくれ

白い睫毛を伏せて、本当に唇が触れるとこで、ぐっと目を閉じる

子供みたいにちゅっと下唇を吸って、ぬめったい舌の感触がして、唇を割り開き、中に入ってくる

歯を食いしばっている俺に気付いたバルジアンがふっと笑う

そのまま鼻を塞がれた

最悪だ、こいつ、鼻を塞ぎやがった!

息が苦しくてなって唇を開かせようとしているに違いない

ぷはっと口を開いた瞬間、顎に手をがっといれられ、まるで肉食獣が獲物を喰らうように舌を差し込み、口の中に入ってきた

くちゅ、ちゅ、と水音がして、唇が離れる


はー、はー、とバルジアンは興奮しているようだ

ああ、俺のディープファーストキスも散った……

押し倒してきて、そのまま頬を撫でられ、何度も唇を貪る

ごりごりと押し付けられた下半身は、硬くなっており泣けてくる

「はぁ……お肉、食べようね」

子供に言い聞かすように、ドラゴンの干し肉を口元に持ってこられたので、がっつくように食う

数日ぶりの食事はめちゃくちゃ美味い。


されてしまったのは仕方がないので、数日の攻防虚しくディープなキスまでされたので、せめてお腹がいっぱいになるように貪り食う

女の人ってこんな気持ちなのかな?バルジアンがずっと目でやらしく俺の胸元や尻や脚を見ていることを、俺は知っている

ただ、めちゃくちゃな無理強いはしてこないし、いまも食べさせたら離れたので、まだマシな部類かもしれない


嫌だなあ、これどこまでエスカレートするのかが本当に怖い

食後に水が欲しいところだが、バルジアンを見上げたら、ニコニコしながら目を瞑られた

「クルー……」

こんな状況なのに、楽しくて仕方ない様子のバルジアンに腹も立ってくる

乱暴にキスをしたら、ちょっとだけ、また水をくれた

そう、こいつの嫌なところは、こういうところだ

俺がぎりぎり満たされない水の量で飢えるようにもっていっている!

ぎりぎりちょっと人の尊厳を捨ててもいいかな?くらいの駆け引きをしてくるのだ

ざわざわと湿気を含む茎の間には、長いことはいれないだろう

ただ、もう少し歩けるようになれば、なんとかなるのに





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