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しかし、そんな視線は無視して、バルジアンは岩の上に上がる。ひらひらと形の良い手で手招きされた

のこのこと登ると、バルジアンは胡座をかき、太ももをぽんぽんと叩く

「寝てないだろう?クルーは寝るといい。僕は一日分寝てたみたいだからな」

「いいのですか?」

本当は疲労困憊で、見張をする体力も残っていなかったのだ。バルジアン優しい!

なんとなくライモンとロイの視線を感じながらもバルジアンに身を預ける

額に置かれた手に心地よさを感じながら、すぐに眠りに落ちた













「なあ、お前あいつの稚児なんだろ?俺にも尻貸せよ」

起きたら、寝起きに思いっきりバルジアンにしがみついていたのを恥ずかしくなりながら、ライモンに荷物持ちを命じられ荷物を整理していたときに、ロイに意味不明な事を言われた。

解らずに首を傾げていると、ぐいっと尻を指が食い込むくらい握られた

「ひぃっ…な、なんなんですか!?やめてください!」

俺の叫びにバルジアンがふらりとやってくるのを見て、ロイが離れる

「尻でひぃひぃ言わしてやるから、また夜に貸せよ」

耳元で囁かれて固まる。バルジアンが訝しげな顔をして走ってくる

「クルー、尻でひぃひぃ言わすってなに?また浮気?許せないんだけど」

またってなんだよ。

駆け寄ってくるなり泣きそうなバルジアンに、要らぬ知識を与えよってと苛つきながら荷物を背負う

あんな露出激しい女子が側にいるんだから、そっちにいってくれよ。メビウスさん、きつめだけど!シーアさんのが俺はタイプ。図書館司書みたいで可愛い。でもバルジアンが貴族だとわかってからの変わり身を見るにどっちもどっちかもしれない。

ロイも怖いのかもしれないな、メビウスさんとシーアさんが。

「いや、わからないです。あの人おかしいんじゃないですかね。頭とか」

「脳筋って感じだよね。お尻触られてなかった?僕のお尻…」

お前の尻ではない。俺の尻だと言う言葉は飲み込んで、バルジアンがさわさわと微妙なタッチで触ってくるのも我慢してメビウスさんに睨まれながら、最後尾を歩く

だが、残念ながら蔦を伝って降りていくのは俺たちが先頭になって降りねばならなかった

上から見守る一行にファーストペンギンてこんな気持ちなのかなと思う。

ファーストペンギンとは海に飛び込む際、危険かどうかを見るために一番最初に飛び込むペンギンのことだ。シャチとかいたら食われるんだよな。

仲間たちの目の生ぬるいこと

仲間という認識でもないのだろうけど

バルジアンはすいすい降りていくので、俺もバルジアンについて降り、2人で地上の蔦の隙間に隠れる

なんか風を切る音がしたからだ

案の定、翼をはためかせ、咆哮を上げながら巨大なドラゴンが現れる

上でぺちゃくちゃ喋っていた、あいつらが悪いよな

叫び声と共にドラゴンが蔦の張った天井に何度も体当たりして地響きが起こる

叫び声をあげながら、4人は一旦蔦から離れたらしい。声がしなくなった

唸り声を上げながら、ドラゴンは蔦の下に蹲ってしまった

バルジアンにしがみつきながら、様子を伺うと、どうやらドラゴンは寝てしまったらしい

バルジアンと顔を見合わせていると、バルジアンの手が、腰を撫でさわさわとお尻を撫でる

こんな時に、何考えてんだ。


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