堕ちて逝った塊

佐野絹子

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死 弍

04 佐藤利子 Ⅲ

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風俗で働き始めて
数年が経った頃

私は店の売り上げ
TOP3位まで
上り詰めていた

売れっ子に
なりたかったわけではない

お客様に
きちんとした対応をしていたら
自然と指名付きの
売り上げが
上がっただけだ

お金には
不自由しなかった
生活水準が上がった

そうすると自然と
自分にお金を使えるようになる

プライベートでも
男性から
言い寄られることが
多々あった 

良い男なら
交際する事もあった

しかし……問題が起こった

男性と身体関係を持つ事が
出来なくなっていた

交際をしても
身体を重ねる事は
出来なかった

嫌悪感が湧くのだ

仕事では
男性の性処理は出来るのに
プライベートでは
男性の身体を見る事すら
出来なかった

恋愛に対しても
拒否反応がで始めた

そこから徐々に
私は精神は崩壊し始めた

毎日 晩酌をして
眠りにつく日々が始まった

お酒を飲んでも
眠りにつけなくなった

病院に受診をし
睡眠薬を処方してもらった

睡眠薬を呑んで
眠りにつく日々が始まった

それでも
眠りにつけなくなった私は
……お酒と睡眠薬を……
一緒に服薬するようになった

意識が朦朧(もうろう)として
眠りにつく日々が始まった

最終的には
意識が朦朧としても
眠りにつけなくなり
不可外な行動をし始めた

今思えば
精神異常行動だったのかもしれない

あの時は【自死】したいと
強く願っていた

そして……私は
目の前が
暗闇に呑み込まれた



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