Amor et Odium

佐野絹恵(サノキヌエ)

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モダンな雰囲気な寝室で
最近、気に入った男と交(まじ)わっていた  

筋肉質の身体に、整った顔立ち
しかも身体の相性も良い
言い分ない男

ただ…1つだけ問題点が…

この男は行為を終えて直ぐに眠る

現に隣で寝息を立て
気持ち良さそうに眠っている

毎回こうである

「起きろ、誰の許可を得て眠っている」

何回、注意しても直す兆しはない

わしが男に声を掛けるが
起きる様子はなく眠りこけている

「ほぉ…いい度胸だ」

指を鳴らし
男の元へ蛇を忍び込ませた

・・・・・

「ぎゃーーー!!!!」

男の情けない悲鳴が部屋に響き渡り
鼓膜が破れそうになる

「喧(やかま)しい!!」

「リリス!!蛇に俺の大事な所
食われる所だったぞ!!」

男はわしの隣で
仁王立ちをしている
顔が怒りで赤い

「ベッドが揺れる、立つのはやめろ
まぁ…食われたら、わしが治してやる」

わしの言葉に男の身体はベッドに倒れる

「何度も言うて直さぬ奴は
おしおきが必要じゃな」

わしは倒れた男の身体に跨(またが)り
身体と身体を重ねた

目の前には男の首筋がある
その首筋を力強く噛み付く

「……ッ…」

男の首筋から
赤い血が流れ出るが
反発する様子はない

「血が出る程、噛み付いてやったのに
無反応とはつまんない奴じゃのぉ」

溢れ出た血も舐め止血をすると
男の下半身辺りから違和感を感じた

…なるほど…  
身体は素直と言うことか
…良かろう…

そのまま酷く犯してやった
これもおしおきの1つだ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
行為を終えた後
隣で男は煙草を喫(の)んでいた

流石におしおきが効いたのか
目を開き起きている

さて…話すかのぉ…

「小娘、腹が決まったようじゃな」

「そうか」

わしの言葉に興味無さげに男は答える

「他人事じゃな、セドリック」
 
口や態度で興味なさげにしても
わしには無駄じゃぞ
心の内が見えるからのぉ

セドリックは
喫んでいた煙草を握り潰すと
深く溜息をつく

「村とアレクの為だ
今更どうにか出来る事ではない」

「…そう…じゃ…な…」

…セドリックの顔が酷く悲しそうだ…
居た堪れない気持ちになり抱き締めた

この話しはしばらくの間は控えよう━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いつ頃の時代からだろう
人間の子らがわしを悪魔と呼び
恐れられる様になったのは…

いつ頃の時代からだろう
人間の子らがわしを
醜い姿に描写する様になったのは…

わしは常に人間の傍におり
悪い時も良い時も…見守り続けて来た

悪い出来事が起きた時
悪魔を恐れ

良い出来事が起きた時
神を讃える

わしは人間の子らには
基本的には手出しは出来ぬ

なのに…なのに…
わしらは悪魔と呼ばれ
忌み嫌われ避けられている…

わしらは人間の子らを愛しているのに…
…悲しい事じゃのぉ…




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