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「…セドリック…様…」
絶望していた私の目の前
セドリック様がいる……
涙で前が霞(かす)み、よく見えない
「何を泣いている」
相変わらず無愛想なセドリック様
女性の涙にも臆する事はない男性
「あ…いぇ…」
貴方に会えたから…とは
とてもでもないけど口には出来ない
・・・・・・・・・・
長い沈黙が続き
沈黙を破ったのはセドリック様
「俺はこの屋敷に残る事にした」
「…ぇ…」
何故です?
心の中で思うが口に出す事は出来ない
「これをお前にやる」
セドリック様は
身に付けているネックレスを
懐(ふところ)から出すと
首から取り外し私に渡す
「これ!?」
渡されたネックレスは
豪華な装飾に輝く宝石が無数
取り付けられている
これは…セドリック様のお父様の肩身…
「あぁ、良いんだよ…お前に持っていてほしい」
静かに門が開く
そして…
優しくセドリック様の
抱擁(ほうよう)を受けた
私は目を瞑り、セドリック様に伝える
「…私の本当の名前は…
アレク、アレクサンドリアと申します」
静かに目を開く
目の前に映し出されたセドリック様は
私を優しい瞳で見詰めていた
「そうか、良い名前だ、お前らしい…
アレクサンドリア」
その言葉に
封じ込めていた感情が溢れ出し
大量の涙が溢れ出す
…す…き…好き…私は…貴方の事を好き…
しかし、私の想いは口には出来ない
「泣くな、美しい顔が台無しだ…
……では…そろそろ…さようなら…
アレクに神の御加護がありますように」
セドリック様のその言葉を最後に
視界が暗闇に包まれ私は意識を失った
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「………」
私は部屋の窓を開け
夜空を見上げた
今日は夜風が冷える
満天の星々が夜空を照らしていた
あれから数年が経過し
現在、私はここの領主を任せられている
セドリック様が
幼い頃、過ごしたこの土地で…
近頃
騒がれていた若い娘の
失踪事件は終息し幕は降りた
村人達は穏やかな日々を過ごしている
その出来事に合わせる様(よう)に
…不可解な失踪が起きた…
恐らく奴等が黒幕だったのだろう
悪名高い、貴族や王族まで
政治に関わりがあった者達が
大勢の者が謎の失踪をした
その中に私の家族も含まれている…
当時はかなりの
大事になったのだけれども
今では聡明で心優しい貴族や王族の方々が
政治を行っている
そのおかげか
民の貧困、疫病は極限に減り
村の子供達が学校に通えるようになった
領主と言う役職は本来
女である私には決して就けない
しかし、私は領主の役職に就いている
人間界の常識から
神の御業により、その常識は外された
もしくは…【悪魔】の仕業
背筋に冷たいものが走る
身震いをした私は窓を閉めて
暖かいベッドの中に潜った
あの日の事を思い出される…
セドリック様の抱擁を受け
私の耳元で囁やいた言葉
神を信仰する身としては
彼の言葉を疑ったが
現に悪は滅ぼされ
平和が訪れたのだから
信じるしかないわよね…
「私の身が滅びるまでの間
【私腹を肥やす為に
保身の政治する者は
決して現れない】」
セドリック様の命を頂く代わり
それは絶対
…悪魔との…契り…
なので、私が政治を行い
民の平和と安全は私が守っている
それが一瞬の事だとしても…
絶望していた私の目の前
セドリック様がいる……
涙で前が霞(かす)み、よく見えない
「何を泣いている」
相変わらず無愛想なセドリック様
女性の涙にも臆する事はない男性
「あ…いぇ…」
貴方に会えたから…とは
とてもでもないけど口には出来ない
・・・・・・・・・・
長い沈黙が続き
沈黙を破ったのはセドリック様
「俺はこの屋敷に残る事にした」
「…ぇ…」
何故です?
心の中で思うが口に出す事は出来ない
「これをお前にやる」
セドリック様は
身に付けているネックレスを
懐(ふところ)から出すと
首から取り外し私に渡す
「これ!?」
渡されたネックレスは
豪華な装飾に輝く宝石が無数
取り付けられている
これは…セドリック様のお父様の肩身…
「あぁ、良いんだよ…お前に持っていてほしい」
静かに門が開く
そして…
優しくセドリック様の
抱擁(ほうよう)を受けた
私は目を瞑り、セドリック様に伝える
「…私の本当の名前は…
アレク、アレクサンドリアと申します」
静かに目を開く
目の前に映し出されたセドリック様は
私を優しい瞳で見詰めていた
「そうか、良い名前だ、お前らしい…
アレクサンドリア」
その言葉に
封じ込めていた感情が溢れ出し
大量の涙が溢れ出す
…す…き…好き…私は…貴方の事を好き…
しかし、私の想いは口には出来ない
「泣くな、美しい顔が台無しだ…
……では…そろそろ…さようなら…
アレクに神の御加護がありますように」
セドリック様のその言葉を最後に
視界が暗闇に包まれ私は意識を失った
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「………」
私は部屋の窓を開け
夜空を見上げた
今日は夜風が冷える
満天の星々が夜空を照らしていた
あれから数年が経過し
現在、私はここの領主を任せられている
セドリック様が
幼い頃、過ごしたこの土地で…
近頃
騒がれていた若い娘の
失踪事件は終息し幕は降りた
村人達は穏やかな日々を過ごしている
その出来事に合わせる様(よう)に
…不可解な失踪が起きた…
恐らく奴等が黒幕だったのだろう
悪名高い、貴族や王族まで
政治に関わりがあった者達が
大勢の者が謎の失踪をした
その中に私の家族も含まれている…
当時はかなりの
大事になったのだけれども
今では聡明で心優しい貴族や王族の方々が
政治を行っている
そのおかげか
民の貧困、疫病は極限に減り
村の子供達が学校に通えるようになった
領主と言う役職は本来
女である私には決して就けない
しかし、私は領主の役職に就いている
人間界の常識から
神の御業により、その常識は外された
もしくは…【悪魔】の仕業
背筋に冷たいものが走る
身震いをした私は窓を閉めて
暖かいベッドの中に潜った
あの日の事を思い出される…
セドリック様の抱擁を受け
私の耳元で囁やいた言葉
神を信仰する身としては
彼の言葉を疑ったが
現に悪は滅ぼされ
平和が訪れたのだから
信じるしかないわよね…
「私の身が滅びるまでの間
【私腹を肥やす為に
保身の政治する者は
決して現れない】」
セドリック様の命を頂く代わり
それは絶対
…悪魔との…契り…
なので、私が政治を行い
民の平和と安全は私が守っている
それが一瞬の事だとしても…
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