17 / 28
諦めないこの想い
しおりを挟む
此処は魔界を統べる恐ろしい魔王様のお城。
魔女と魔王がじっと見つめ合って(?)いる。何処か既視感のある光景だ。
「先程から魔王様と魔女があのまま動かないのだが……」
「またか。ちょっと行ってくる」
目の前の光景に首を傾げる毒竜を置いて魔狼は魔女に近寄った。
「おい、また念話か……っと!?」
魔女は魔狼に視線を寄越さずにずっしりと重いものを投げつけた。危ない。
どうやら本のようだ。読めと言うことだろうか。
「何だ? 《超上級者向け! 選ばれた者のみが出来る念話》……いや、難しけりゃいいってもんじゃ――」
「わかった!」
無い、と続けようとした魔狼の言葉をよく通る魔王の声が遮った。
念話が通じた!? と驚愕している魔狼の視線と、期待に目を輝かせた魔女の視線が魔王を向く。
「我のマントが欲しかったのか! 今日替えたばかりだがよくわかったな」
魔王は笑いながら、一枚やろうと若干涙目の魔女にマントを手渡した。そうじゃない。
魔狼は微妙な表情でその光景を見ていた。
「あー……残念だったな、魔女。やっぱ念話は無理……」
(魔女は手元をじっと見た後、嬉しそうにマントを付けてその場でくるくる回り始めた)
「……これはこれで嬉しそうだな」
魔女と魔王がじっと見つめ合って(?)いる。何処か既視感のある光景だ。
「先程から魔王様と魔女があのまま動かないのだが……」
「またか。ちょっと行ってくる」
目の前の光景に首を傾げる毒竜を置いて魔狼は魔女に近寄った。
「おい、また念話か……っと!?」
魔女は魔狼に視線を寄越さずにずっしりと重いものを投げつけた。危ない。
どうやら本のようだ。読めと言うことだろうか。
「何だ? 《超上級者向け! 選ばれた者のみが出来る念話》……いや、難しけりゃいいってもんじゃ――」
「わかった!」
無い、と続けようとした魔狼の言葉をよく通る魔王の声が遮った。
念話が通じた!? と驚愕している魔狼の視線と、期待に目を輝かせた魔女の視線が魔王を向く。
「我のマントが欲しかったのか! 今日替えたばかりだがよくわかったな」
魔王は笑いながら、一枚やろうと若干涙目の魔女にマントを手渡した。そうじゃない。
魔狼は微妙な表情でその光景を見ていた。
「あー……残念だったな、魔女。やっぱ念話は無理……」
(魔女は手元をじっと見た後、嬉しそうにマントを付けてその場でくるくる回り始めた)
「……これはこれで嬉しそうだな」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
69
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる