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花はすぐ咲かない
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此処は魔界を統べる恐ろしい魔王様のお城。
鉢植えの前で、魔女がにこにこしている。
前に魔女が花壇を失敗した時から、育てやすい花を探していたらしい毒竜に、種を貰ったのだ。
大喜びで魔女は、自分の部屋に鉢植えを置いて、大事に育て始めた。
今回は種を間違えていないので、大丈夫だと信じたい。
(魔女は機嫌良く小さなじょうろに水を汲んでいる)
「へぇ。爺さんが探してたやつか。いつ咲くんだ?」
「お爺ちゃんと呼びなさい。そうだな……百年後くらいだろうか」
魔狼の問いかけに続く毒竜の言葉に、魔女はじょうろを落とした。
百年……?
「そこそこ時間かかるんだな」
そこそこ、ではない。魔女の感覚ではかなりの時間である。
他の者と魔女の年齢は文字通り桁が違うので、認識に誤差があった。
「栄養を自分を守る為の生命力に使う分、時間をかけて成長する花らしい」
毒竜は淡々と説明する。
そして、ぽかんとしている魔女の方を向いて、柔らかく声をかけた。
「咲くのが楽しみだな。魔女」
魔女はそれに決意した表情で頷いた。
長い戦いが始まる。
頑張れ百年……!
鉢植えの前で、魔女がにこにこしている。
前に魔女が花壇を失敗した時から、育てやすい花を探していたらしい毒竜に、種を貰ったのだ。
大喜びで魔女は、自分の部屋に鉢植えを置いて、大事に育て始めた。
今回は種を間違えていないので、大丈夫だと信じたい。
(魔女は機嫌良く小さなじょうろに水を汲んでいる)
「へぇ。爺さんが探してたやつか。いつ咲くんだ?」
「お爺ちゃんと呼びなさい。そうだな……百年後くらいだろうか」
魔狼の問いかけに続く毒竜の言葉に、魔女はじょうろを落とした。
百年……?
「そこそこ時間かかるんだな」
そこそこ、ではない。魔女の感覚ではかなりの時間である。
他の者と魔女の年齢は文字通り桁が違うので、認識に誤差があった。
「栄養を自分を守る為の生命力に使う分、時間をかけて成長する花らしい」
毒竜は淡々と説明する。
そして、ぽかんとしている魔女の方を向いて、柔らかく声をかけた。
「咲くのが楽しみだな。魔女」
魔女はそれに決意した表情で頷いた。
長い戦いが始まる。
頑張れ百年……!
応援ありがとうございます!
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久々に最初から読み返してみたけど…やっぱり好きなお話です。
また機会があれば更新して頂けると嬉しいです。
久しぶりの更新お疲れ様です!
ありがとうございます。
不定期になりますが少しずつ更新していきます。
ストーリーとキャラクターがめっちゃ可愛いっす
和むぅ(*´ω`) 応援してます!
感想ありがとうございます。
可愛いと言っていただけて嬉しいです。
応援を励みに頑張ります。