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1章-エルファッタの想いは伝わらない-
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アオイの声が聞こえた。ここにはいるはずはないアオイとタカノアがそこにいた。
「アルファス……信じてたのに」
アオイは目をうるっとさせる。手を握り、口元に当てた。
「ア……アオイ!」
アルファスがアオイの元へ駆け寄ろうとすると、アオイは一歩下がる。それを2回繰り返すと諦めたかのようにアルファスは止まった。それと同時にアオイも止まる。そのことが無性に悲しく思えた。
「アオイ……少し聞いて欲しいんだ」
「聞けません……だって、私にもう感情はないんでしょう」
エルファッタは深い眠りについていたので、何も聞いてはいなかった。アオイがチラッとエルファッタの方を見る。アオイには寝ている時も上品なエルファッタが見える。それに顔を歪ませるが、すぐに元通りになる。
アオイは髪を揺らした。
「エルファッタことが好きになってしまったんでしょう!?」
「「「はぁ!?」」」
この部屋にいる全員が驚く。アルファスは勿論、カリアもカラスも驚いた。
「そんな事はない! なあ、ナーリット、ハフイ」
「ええ、まあ……」
ナーリットが答える。ハフイも勢いよく頷く。
「そうなの……?」
顔を手で少し隠しながらアオイはしてやったりという顔をする。これは乙女ゲームでいうイベントだ。
イベントの内容は、エルファッタに起きたことと一緒だった。アオイとエルファッタの立場は真逆だが、イベントが起きただけでも良かったので、よしとしよう。
「エルファッタを移動させていいですか」
「ああ」
カリアの父、ウィアルアが返事をする。エルファッタをお姫様抱っこをして部屋を出ていった。出ていった部屋には、まだアオイとアルファスの声が響いていた。
「エルファッタ、大丈夫?」
エルファッタは眠っており、返事をしない。カリアは廊下を歩いていた。異様に廊下が暗いと思ったら、空が漆黒で染まっていた。
客室につくとすぐにベットに行き、エルファッタを乗せる。
「……んぅ…………」
エルファッタが寝返りを打つ。カリアはそのことを確認してほっと安心する。カリアはあの部屋に戻りたくはなかったのでこの客室の椅子に座り、リラックスをする。
「エルファッタ……良かった…………」
目を瞑りながら独り言を言う。
「わたしをよんだ? よかったって何が?」
幼い子供の声が聞こえ、カリアは動揺する。思わず椅子から立ち上がった。
幼い子供は大人よりもふっくらとしていてフリフリの服を着ていた。大きなうさぎのぬいぐるみを抱きしめていた。うさぎの首元には赤いリボンが巻かれていた。
その子供はエルファッタに少し似ていた。いや、幼いエルファッタ自身だった。現在のエルファッタはベットで寝ているので、この子供がどうやって今居るのかわからない。
幼いエルファッタは子供っぽいが怪しい笑顔を見せた。
「カリア兄様、大人になったんだ」
カリアに近づいてくる。エルファッタが兄様と呼んでくれるのは久しぶりでドキッとした。
幼いエルファッタはカリアの手を掴む。
「いっしょに遊びましょ」
空は異様に明るく光っていた。ベットにエルファッタはいない。なぜか幼い頃の自分がエルファッタを探していたのに見つからなかった過去の事を思い出した。
「エルファッタ…………」
「エルファって呼んで? カリア兄様」
無性に悲しくなった。今と過去の差を見せつけられた気がしたからだ。
「うん、遊ぼっか」
少し目をうるわせ、眉を下げる。でも、それを隠すように笑顔を見せた。
カリアは二人で外に出る。
「アルファス……信じてたのに」
アオイは目をうるっとさせる。手を握り、口元に当てた。
「ア……アオイ!」
アルファスがアオイの元へ駆け寄ろうとすると、アオイは一歩下がる。それを2回繰り返すと諦めたかのようにアルファスは止まった。それと同時にアオイも止まる。そのことが無性に悲しく思えた。
「アオイ……少し聞いて欲しいんだ」
「聞けません……だって、私にもう感情はないんでしょう」
エルファッタは深い眠りについていたので、何も聞いてはいなかった。アオイがチラッとエルファッタの方を見る。アオイには寝ている時も上品なエルファッタが見える。それに顔を歪ませるが、すぐに元通りになる。
アオイは髪を揺らした。
「エルファッタことが好きになってしまったんでしょう!?」
「「「はぁ!?」」」
この部屋にいる全員が驚く。アルファスは勿論、カリアもカラスも驚いた。
「そんな事はない! なあ、ナーリット、ハフイ」
「ええ、まあ……」
ナーリットが答える。ハフイも勢いよく頷く。
「そうなの……?」
顔を手で少し隠しながらアオイはしてやったりという顔をする。これは乙女ゲームでいうイベントだ。
イベントの内容は、エルファッタに起きたことと一緒だった。アオイとエルファッタの立場は真逆だが、イベントが起きただけでも良かったので、よしとしよう。
「エルファッタを移動させていいですか」
「ああ」
カリアの父、ウィアルアが返事をする。エルファッタをお姫様抱っこをして部屋を出ていった。出ていった部屋には、まだアオイとアルファスの声が響いていた。
「エルファッタ、大丈夫?」
エルファッタは眠っており、返事をしない。カリアは廊下を歩いていた。異様に廊下が暗いと思ったら、空が漆黒で染まっていた。
客室につくとすぐにベットに行き、エルファッタを乗せる。
「……んぅ…………」
エルファッタが寝返りを打つ。カリアはそのことを確認してほっと安心する。カリアはあの部屋に戻りたくはなかったのでこの客室の椅子に座り、リラックスをする。
「エルファッタ……良かった…………」
目を瞑りながら独り言を言う。
「わたしをよんだ? よかったって何が?」
幼い子供の声が聞こえ、カリアは動揺する。思わず椅子から立ち上がった。
幼い子供は大人よりもふっくらとしていてフリフリの服を着ていた。大きなうさぎのぬいぐるみを抱きしめていた。うさぎの首元には赤いリボンが巻かれていた。
その子供はエルファッタに少し似ていた。いや、幼いエルファッタ自身だった。現在のエルファッタはベットで寝ているので、この子供がどうやって今居るのかわからない。
幼いエルファッタは子供っぽいが怪しい笑顔を見せた。
「カリア兄様、大人になったんだ」
カリアに近づいてくる。エルファッタが兄様と呼んでくれるのは久しぶりでドキッとした。
幼いエルファッタはカリアの手を掴む。
「いっしょに遊びましょ」
空は異様に明るく光っていた。ベットにエルファッタはいない。なぜか幼い頃の自分がエルファッタを探していたのに見つからなかった過去の事を思い出した。
「エルファッタ…………」
「エルファって呼んで? カリア兄様」
無性に悲しくなった。今と過去の差を見せつけられた気がしたからだ。
「うん、遊ぼっか」
少し目をうるわせ、眉を下げる。でも、それを隠すように笑顔を見せた。
カリアは二人で外に出る。
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