異世界からの送り者

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1章-エルファッタの想いは伝わらない-

023

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 エルファッタは少し過去の夢を見ていた。
 幼い頃の自分がカリアと遊ぼうと探していた。だが、全然見つからない。探し回った。カリアの屋敷は部屋が多くて、エルファッタは来るたびに迷っていた。たまたま開けた部屋は客室だった。
「カリア兄様……?」
 そう小さく呟く。部屋に人影が見えたからだ。その人は言った。
「エルファッタ……良かった…………」
 エルファッタの名前が出てきたので驚く。
「わたしをよんだ? よかったって何が?」
 エルファッタが疑問に思った事を口に出す。

 その人は動揺したのか、椅子から立ち上がった。
 その時の自分はフリフリの服を好んで着ていたのでレースやフリルがいっぱいだった。そして、カリアがいなくて寂しかったので大好きでエルファッタよりも大きなうさぎのぬいぐるみを抱きしめる。そのうさぎには首に赤いリボンが巻かれていた。
 その人はカリアの似ていた。いや、大人になったカリア自身だった。
 エルファッタは子供っぽくて怪しい笑顔をカリアに見せた。
「カリア兄様、大人になったんだ」
 エルファッタはゆっくり一歩一歩と進んでいく。カリアの目の前になったところで、カリアの手を掴んだ。
 カリア兄様と言うのはなぜかとても久しぶりに感じた。

「いっしょに遊びましょ」

 窓を見るととても明るく太陽が光っていた。ベッドは綺麗に整っていた。

「エルファッタ…………」
「エルファって呼んで? カリア兄様」

 エルファッタは嬉しくなった。久しぶりに言われた気がしたからだ。
(夢なのにおかしいな……)
 でも、幼いエルファッタだから遊びたくなってくる。うずうずしていると、
「うん、遊ぼっか」
 大人になったカリアが言う。
 少し目をうるわせ、眉を下げる。でも、それを隠すように笑顔を見せた。
 遊ぶために外へ出る。

「鬼ごっこね! 私逃げるから10びょー数えててね」
「うん」
 1、2、3……と数えている間にエルファッタは遠くへ遠くへ行ってしまった。

 そこで夢は醒めた。ふう、と息を吐くと隣に誰かいることに気がついた。
「…………カリア?」
「エルファ、大人になったんだね。早くていいな……」
 年が上といえど、純粋な子供だ。現実では起こりうらない事もも信じていた。
 エルファッタは体を起こし、ベッドから出る。隣にいるカリアに目を向けると、顔が少し赤くなっていたとエルファッタは思った。
「カリア……熱でもあるの?」
「え、あ、ううん……何でもないよ」
「そう…………」
 エルファッタは少し心配していたが、カリアは大丈夫だったので気にしないことにした。部屋は静かになる。エルファッタは考えた。エルファッタはこれまでずっとカリア兄様と呼んでいたので呼び捨てにされるのは少し気恥ずかしいのかもしれないと。

「あのね、エルファ」
 今のカリアより高い声だった。
「ん……? 何かしら」
 エルファッタは返事をする。
 カリアはとても恥ずかしがっていた。でも、その様子にエルファッタは気付いてはいない。

「エリファのことが…………」
 視界から小さなカリアは消える。それは大人になっているカリアも同じだったようだ。
 急に居なくなったカリアとエルファッタ。二人とも驚いていた。外は暗くなっていた。
「「え?」」
 ベッドから出ているエルファッタと勝手に外に出ているカリア。
 カリアは目の前から消えた小さいエルファッタとエルファッタの目の前から消えた小さいカリアも動揺をする。この事に関係した皆が驚く。

「エリファ……」
 幼いカリアしかいない部屋にその言葉が響いていた。




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