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エリート魔法使いダイアナのとんでもクッキング!
「ダイアナさんはお料理得意なんですか?」
「やったことないわ」
手を洗っていたクラレンスはまさかの答えに目を丸くする。
……さっきの自信は一体?
「うそ?ないの?!」
「さっき「任せて!」とか言ってたじゃない」
「クッキー作りなんてそう難しくもないでしょう?私を誰だと思っているの?未来の天才魔法使い様よ」
友人2人も同じことを思ったらしく声をあげるが、作業台の秤に手を伸ばしたダイアナはこともなげに告げる。自信満々だ。
「本で読んだことがあるわ。「お菓子作りは正確な軽量こそ命」ってね!さぁ、量るわよ」
レシピをフローラが読み上げ、その分量をダイアナが量っていく。
じっと目盛りを睨み、粉をすりきり、正確に軽量していく姿にクラレンスは安堵した。
なにせ以前イリーネにやらせたときはかなりおおざっぱだったので……。
さっきのリース作りも上手だったし、ダイアナさんは器用なんだな。
そう安堵していられたのも軽量作業までだった…………。
「まずはバターにお砂糖を入れてよく混ぜてね」
「はーい!わたし混ぜるー」
「なら私はボウルを押さえるわ」
仲良く共同作業。
……が、なかなか上手く混ざらない。
今日は少しだけ気温が低かったこともあり、バターがまだ少し固いようだ。
「ううぅ、なかなか混ざらない……」
「バターを溶かす?」
「わぁーー!!」
木べらで格闘するイリーネにダイアナが指の先にポッと炎を出現させた。
溶けたら混ぜやすいでしょ?とばかりにバターを溶かそうとするダイアナを必死に止める。
「どうしたの?ふわりんくん」
「バターは溶かしちゃダメです!!」
叫ぶクラレンスにダイアナはそうなの?とばかりに首を傾げる。
ヒクリと頬を引きつらせるクラレンスとフローラはこの時点でちょっぴり認識を改めた。
行動を気をつけて見てなきゃいけないのはイリーネとジェシーだけではないかも知れないと。
「なになに~、次は溶き卵を加えて混ぜてくってー」
「小さな竜巻起こして混ぜる?」
「「ダメです!!」」
ヘタしたらボウルが割れてガラスの破片入り凶器クッキーができてしまう。
「粉をふるい入れ…………ふるい入れるってなに?フローラ?」
「この道具で粉をふるうのよ」
「なんで?」
「ダマを取り除くことによって均一な状態にするためよ。ちょっと面倒だけど美味しいお菓子を作るためのひと手間ね」
粉ふるいを手にとり、「こうやって……」とトントンと叩くマネをして実演して見せるフローラにダイアナがまたしても「私に任せて」と進み出た。
「風魔法を使って……」
「私がやるわ!」
最後まで言わせずにフローラが大人しい彼女らしからぬ迫力で告げる。
少しずつ粉を入れていく作業をイリーネとジェシーが担当し、フローラが地道にトントンとして無事に粉はふるいいれられた。
なんやかんやありつつもなんとか無事に生地ができあがり、クラレンスとフローラはほっと息を吐く。
意図せず瞳があった2人はやりきった感満載で頷いた。
なんかすごい連帯感が生まれていた。
「あー……ちょっとつぶれちゃった」
「そのくらいなら大丈夫よ」
「きゃ~、やぶれた!」
「それは丸めて残りの生地といっしょにまた伸ばそう」
「そっちのベルの型貸してー」
ワイワイ言いつつ型抜き作業をしていく。
手作りクッキーはバザーの定番商品でもあるので型抜き用の型も充実していて選ぶのも楽しい。一通り作業が終わったところで鉄板にクッキーを並べていく。
「さぁあとは焼くだけね」
「火魔法なら得意よ!」
「「「「…………」」」」
問題児がまたなにか言いだした。
フローラが無言でオーブンに鉄板をセットする。
「あっ、ちょと……!」
「焼くのはオーブンで!です」
「私の火力の方が早く焼けるのに」
「オ・ー・ブ・ンで!なんでなんでもかんでも魔法でなんとかしようとするんですか?!」
「だって私は優秀な魔法使いなのよ?ローラン様だって魔法でお菓子作ってたじゃない!!」
「あれはまた別です!」
最終的に騒ぐダイアナをジェシーが羽交い絞めにし、クッキーは無事に焼きあがった。
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