異世界転生したけどチートもないし、マイペースに生きていこうと思います。

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仲良し家族と認識されてます

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王子さまの狙い通り、クラレンスの名前をだしたらシルクたちからは2つ返事で「行きます!」と了承をもらえたらしい。

フェリック付きのエドワードからも聞いたし、実際シルクたちからも「楽しみにしてますね」とお手紙で報告された。

さて、そんな楽しい予定にほくほくの面々とは裏腹に……。

不満をあらわらにして駄々をこねている人物が。

「ずるい、ずるい、ずるいっっ!!」

騎士の演習場、思い思いに休憩をとる騎士たちが多くいる場で足をダンダンと踏み鳴らし、手をふりまわしてずるいを連発しているのはイリーネだった。

「わたしだってクラレンスと一緒にお出かけしたいのにぃぃ~」

わめく娘に困った顔をするグレース。
だけどその表情のなかには自分が同行できるうれしさも滲んでいるのでイリーネをなだめる役には立たなかった。

そしてイリーネの怒りをかきたてるようにどや顔のヘンリー。
彼は立候補した騎士たちのなかから見事メンバーに食い込んだ。

「兄さんのその顔、めっちゃムカつく!!超腹立つんですけど!なによ、自分が行けるからって!!」

「実力で勝ち取った結果だ」

きぃぃ~と兄に食って掛かるイリーネをグレースが止める。

ふてくされたイリーネは可愛い弟をぎゅっとぬいぐるみのように抱きしめた。

柔らかい髪に顔をうずめ、すりすりと気持ちを落ち着けていると小さな手が頭をなでてくれ、うれしい反面、余計に一緒に出掛けたい気持ちが増す。

ふいにクラレンスの手とは違う大きな手で頭をぽんぽんと叩かれ、顔をあげればこちらも表情が優れない父だった。

「今回は仕方がない。諦めろ」

そういう父は立場上立候補すら出来ずにお留守番が決定した残留組だ。
立派な大人だけあってイリーネのように駄々をこねたりはしないものの……なにも思うところがないわけではないらしく……。

「移動も併せて10日近くも会えないのか」

ためいきと共にこぼされた声は若干沈んでいた。

「一緒に行けないどころか、家に帰ってもクラレンスが居ないなんてぇ~」

母さんも兄さんたちもずるい、とイリーネが再びぐずりはじめる。

なお、フェリックの視察が第一目的の旅なので、王子付きの護衛騎士である長兄・エドワードは当然同行組です。

「お土産いっぱい買ってくるね」

「ううっ……」

「帰ってきたらいっしょにどっか出かける?」

慰めの言葉をかけていたら突然ガバリとイリーネが顔をあげた。

「それだっ!!」

「え?……それって??」

母や兄たちを見るもそろって首を傾げられた。

一方、急に復活したイリーネは力強くクラレンスの両肩をつかんだ。
キラキラと輝く顔は同じくお留守番組の父へと向いていた。

「父さんっ!!今度お休み合わせてどっか出かけましょう!!一泊ぐらいならなんとかなるよねっ」

多忙でお休みの少なめの騎士だが……年に数回は連休もある。
遠くは無理でも一泊二日ぐらいの小旅行なら予定をあわせることは可能だ。
家族全員の休みを合わせるとなるとまた話は別ですが……。

娘の提案に父も顔を輝かせた。

「おおっ、いいな」

「3人でおでかけしよー、ねっ、クラレンスいいでしょ?父さんにいっぱい美味しいもの食べさせてもらってー、いろいろ買ってもらおう!たのしみー!!」

「任せろ。なんでも買ってやるぞ」

「わーい!父さん大好きー」

もはやお出かけすることは決定な方向で和気あいあいと「何処へ行こうか?」と話し出す父と姉。

別にクラレンスとしても否はないので構わないのだが……。

「ちょっと!あなたたちこそずるいわっ」

「なに勝手に決めてるんだよ」

「兄さんたちは今回一緒なんだからいーでしょ!」

今度はこっちがずるいと言い出した母と兄。

そしてそんなヘンリーへとべーと舌をだして挑発するイリーネの兄妹喧嘩を休憩中の騎士たちは「相変わらず仲いいな」とばかりに微笑ましそうにながめていた。

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