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十七
しおりを挟むその頃、迷宮の外では…
※(冒険者ギルド)
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
「戻ってる……?」
「はい。何故かはわかりませんが……」
困惑しつつ連日のようにギルドに押しかけるとある国の使いだとかいう男たちにそう返したのはあの優しいギルドのおねーさん。
「どういうことですっ?!」
おねーさんに詰め寄る男にギルドに居た冒険者たちが鋭い視線と口撃を飛ばす。
もうすぐ物理的に手が出そうな連中も数人。
「先日は確かにボスの間のすぐそばで反応があったのですが…現在はそれより戻っています。
もしかしたら、迷宮のボスに挑むのには時期尚早ともう少しレベルを上げて挑まれるつもりなのかも。目当てのアイテムを探しているとか……」
「そんなっ、困ります」
困りますとか言われてもこっちだって困ります。
ファウスティーナが何故そんな素っ頓狂な行動に出たのかおねーさんは知らない。
(※正解は迷宮ヒッキー生活を満喫するため!!)
「国は大混乱してるんですよ…?」
誰に言うでもなく力なく男が呟く。
知らんがな、っていう話である。
「ファウスティーナ様はっ?!」を合言葉に連日訪れる男たち。
もはや常連と化した男たちにおねーさんをはじめとしたギルド職員や出入りの激しい冒険者たちも徐々に事情を把握しつつあった。
今や落ち目と言われる国を幾つかはさんだある国。
彼らが捜している少女はその国の主要人物で彼らは少女を連れ戻したい。
しかもそれは自主的な家出や何かではなく、男たちの一人が以前「何故皇帝はファウスティーナ様を追放などしたんだっ?!」と現状に憤っているのを耳にしている。
少女の失踪と時期を同じくして傾きだした国。
必死になって連れ戻そうとする男たち。
ここまでくれば推測は簡単だ。
何故、あの冒険者とは無縁に見える少女が明らかに貴人の装いのままギルドを訪れたのか。
契約も通信具も拒絶したのか。
それは自分を追放した国と国の人間から逃れるためだ。
おねーさんの中でファウスティーナは国に利用され、挙句に追い出された悲劇の少女へと美化された。
尚、ギルドに訪れた彼女が全然悲観的でなく、やたらはつらつとしていたことには目を瞑った。
……記憶とは都合よく美化されるものだ。
自分達で追放しといて身勝手に連れ戻そうだなんて……。
冷めた侮蔑の目をしておねーさんは男たちを見やった。
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