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圧倒的ダークサイド感 2
しおりを挟む扉をくぐれば、そこは夜の静けさとは裏腹な華やかな空間。
煌びやかなシャンデリアの光を受けて輝くシャンパングラス。
招待客である着飾った紳士淑女に場に華を添える軽やかな音楽。
贅を凝らした料理と極上の美酒。
向けられる幾つもの視線。
それらをまるで気にしていないように歩を進める。
まだ夜会に慣れていないベアトリクスが沢山の視線に僅かに怯んだのを感じて妹の手の甲をそっと撫でた。
「とても綺麗だよ。沢山の人が見惚れている」
視線で周りを示して耳元で小さく囁けば、緊張が解けたのか口元を淑女らしく覆ってクスクスとさざめくように笑う。
「お兄様こそ、女性たちの視線がみんなこちらへ向いてますわ」
「ん?大半はガーネストに見惚れているんじゃないかな?」
「そんなわけないでしょう。兄上はあまり夜会などに出られないから尚更ですね」
「それは私だけじゃないだろう。ほら、あちらの若いご令嬢などは確実にガーネストを見つめているよ?」
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そして現れた本日の主役。
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