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粒マスタードは大概一瓶使いきれない 1
昏い森を歩くこと十分弱。
俺達は点在するコテージの一つへと辿り着いた。
俺に黙礼をした後、影が溶ける。正に闇に溶け込むように消える人影。
闇に潜んだ彼らは何処に居るのかもはや全くわからない。夜の森を迷わず進むは、闇に消えるは色々納得できないハイスペックはいつものことだ。
灯りをともし、室内に腰を下ろせば誰からともなく息を吐いた。
暖かな灯りと、壁に囲まれた室内。大自然の中にあって、人工的なそれらは今は酷く安心感を齎す。
魔獣や獣の脅威とも、呑みこまれそうな昏い闇とも隔離された仮初の聖域。
「カイザー殿、先程の者達は一体?」
「黒装束の彼らは私の部下です。フードの男達は……見た所裏家業の方々のようですが」
「リリー様たちを狙っていたようです。突然襲い掛かってきた彼らをわたくしとアレク様で凌いでいたのですが、何分数も多く森の奥へと追い込まれてしまいました」
「貴殿らが来てくれて助かった、礼を言う。だが何故あそこへ?」
問い掛けに俺は大きな懐中時計のような機械を机へと置く。
文字盤の代わりに光る六つの小さな点。
「支給品のそのブレスレット、発信機になってるんです。あんな時間に森の奥へ高速で移動する不審な反応があったので。念のため、影の増援をしておいて良かった。まさか犯罪者の方々に加えあんな魔獣の大群にまで出くわすとは…」
本当、何であんなシャレにならない量の魔獣が出たんだか…。
明らかにゲームでの魔獣大量発生の規模超えてるっつの。
「アレクサンドラ様とシリウス様がお強くて良かったです。流石ですね」
心から告げるも無言で凝視された。
ん?どした?
「………余たちよりも貴殿らの強さの方が驚きなのだが」
「私の部下は優秀ですので」
何せ俺も半分人間超越してる疑惑抱いてるしな。
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