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その褒め言葉は素直に喜んでよいものか… 2
しおりを挟む「あとはこれを」
ダイアナ嬢に手渡された深紅の薔薇を胸に着け、感嘆の声を上げられた俺は促されカーテンの向こうへ。
「きゃぁーーーーーーーーーーーーーー!!!」
『きゃあぁーーーーーーーーー!!!!』
入学式の悪夢再び。
やっべぇ、久々に鼓膜と頭にキーンってきたわ。
「すっっごい、恰好いいっ!!」
「神!?違った、髪下ろしてるしっ!!色気が、色気が…」
「むしろ襲われたいっ!!」
うむ、大絶賛のようである。
「お兄様っ!!すっごく恰好いいです!!本物みたいっ!!」
「お似合いです」
頬を染めて褒めてくれるのは有り難いけど、本物みたいってどう受け取ればいいかな?
俺の仮装、ズバリテーマはヴァンパイア・ロード。
ヴァンパイアの上位種、美形で高貴で退廃的なイメージのあるヴァンパイアの中でも選ばれし存在ヴァンパイアの王・ヴァンパイアロード。
衣装選んでくれた子が熱弁してた。
服装は……ぶっちゃけいつもとさほど大差はない…。
白のフリルシャツにグレーのベスト、漆黒の上下。首元には臙脂色のリボンに胸元には深紅の薔薇。襟の大きな漆黒のマント。
全体の系統としてはいつもと変わらないから抵抗感も薄くて助かる。
もはや安定の黒仕様。
顔はほんのり白粉と紅。だけど元々色白で唇が紅いから殆ど何も要らないって言われた。
長い髪は解いて背におろし、口元には長い牙。
うっかり唇を噛まないよう気をつけよう。
「とてもお似合いです」
俺と同じく仮装させられたリフからも声を掛けられる。
元凶、俺だけど。
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